IBMが世界初のサブ1nm半導体チップ技術を発表/LenovoがノートPC向けで世界初となる“1000Wh/L”バッテリーの詳細を明らかに:週末の「気になるニュース」一気読み!(1/3 ページ)

» 2026年06月28日 06時00分 公開
[山本竜也,ITmedia]

 うっかり見逃していたけれど、ちょっと気になる――そんなニュースを週末に“一気読み”する連載。今回は、6月21日週を中心に公開された主なニュースを一気にチェックしましょう!

IBMが世界初のサブ1nm半導体チップ技術を発表

 IBMは6月25日、0.7nm(=7オングストローム)ノードのトランジスター技術を用いた、世界初のサブ1nm(1nm未満)チップ技術を発表した。従来の微細化が物理的な限界に近づく中で、さらなる集積度の向上が可能であることを示すものだという。

photo IBMが世界初のサブ1nmチップ技術を発表

 新チップは、爪ほどの大きさに約1000億個のトランジスターを集積し、2021年に発表した同社の2nmチップと比べて密度をおよそ2倍に高めたとしている。公開された技術結果では、2nmノードと比べて最大50%の性能向上、または最大70%のエネルギー効率の向上が見込めるとのこと。

 技術の中核となるのが、新しいトランジスター構造「ナノスタック」だ。IBMによると、業界初となる3次元のナノシート設計で、トランジスターを垂直方向に積み重ねつつ、水平方向にずらして配置することで、限られた面積により多くのトランジスターを載せられる。積層する層ごとに異なる材料を使えるため、性能と電力効率を個別に最適化できるという。

 半導体技術の国際学会「VLSI 2026」で発表された研究では、SRAMのセル面積を約40%縮小できることが示された。

 IBMは、ニューヨーク州アルバニーの研究施設でASML製のHigh NA EUV露光装置などを用いて開発を進めており、ナノスタック技術のサブ1nmノードへの初期導入は、早ければ今後5年以内に実現すると見込んでいる。

LenovoがノートPC向けで世界初となる1000Wh/Lバッテリーの詳細を明らかに

 Lenovoは6月18日、上海交通大学と共同で進めるバッテリー研究が「2026年ジュネーブ国際発明展」で金賞を受賞したと発表した。受賞したのは「Restructured SiC-based 1000Wh/L battery for AI PCs」で、サイズを変えずにバッテリー駆動時間を延ばす技術だという。

photo LenovoがノートPC向けとして世界初となる1000Wh/Lバッテリーの詳細を明らかにした

 このバッテリーは、3月16日に開催されたNVIDIA GTCで、「ED1000」として披露済みのもの。ノートPC/ワークステーション向けとして世界初の体積エネルギー密度1000Wh/Lのシリコン負極バッテリーと位置付けられている。

 Lenovoの説明によると、ノートやタブレット向けリチウムバッテリーの体積エネルギー密度は、これまで年3%程度の向上にとどまり、黒鉛(グラファイト)負極では約900Wh/Lが上限とされてきた。しかし、ED1000は最大10%の密度向上を実現し、民生用バッテリーとして初めて4桁(1000Wh/L台)に到達したとのこと。

 開発における技術的な課題は、シリコン負極が充放電時に300%を超える体積膨張を起こす点にあった。研究チームは弾性のある多孔質カーボン構造で膨張を吸収し、プラズマを使った原子レベルの加工でシリコンとカーボンの結合を強化したという。実験室レベルでは1gあたり容量2250mAhを超え、1200回を超える充放電サイクルでの安定動作を確認したとしている。

 Lenovoによると、ED1000は既に量産可能な段階にあり、2026年後半には同社のThinkPad向け高性能AI PCへ初搭載される予定とのことだ。

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