Apple Siliconへの移行に伴い、Macユーザーが長らく失っていた選択肢がある。それが外部GPU(eGPU)のサポートだ。
Intel Mac時代には公式にサポートされていたが、Apple Siliconの登場とともにその門戸は閉ざされ、ユーザーは内蔵のユニファイドメモリとGPUコアに頼る運用を余儀なくされてきた。
もちろん、機械学習のフレームワーク「MLX」などを活用したローカルLLM(大規模言語モデル)の実行において、ユニファイドメモリの恩恵は大きい。しかし、近年のメモリ価格の高騰や、一部モデルでの最大搭載メモリ量の制限、そして何より「CUDA」を前提としたAIエコシステムから取り残されるという課題は、パワーユーザーにとって無視できないものとなっていた。
そんな中、彗星(すいせい)のごとく現れたのが、Appleの承認を受けた署名済みドライバとして動作するという、Tiny Corpの「TinyGPU」だ。今回はこの画期的なソリューションを用いて、Mac Studioに最新のNVIDIA GPUを接続してみた。本記事では導入手順から実用性までを詳しくチェックしていく。
これまでのApple Silicon Macにおける外部GPUの試みは、その多くが「SIP(システム整合性保護)」の無効化や、システムへの改変を伴うものだった。しかし、今回のTinyGPUが決定的に異なるのは、Appleの正式な枠組みである「DriverKit」を使用したドライバ拡張として提供されている点だ。
これが意味するのは、ユーザーはMacのセキュリティ機能を維持したまま、署名済みのドライバを導入するだけで外部GPUを利用可能になるということだ。
対応環境はNVIDIAの「Ampere」世代(RTX 30シリーズ)以降とされている。今回は最新のBlackwellアーキテクチャを採用した「GeForce RTX 5060 Ti」を検証に使用した。
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