「駅の向こうは“別の街”」──アキバユーザーが考えるヨドバシ開店とその後のアキバ(2/2 ページ)

» 2005年09月13日 18時16分 公開
[古田雄介(アバンギャルド)&ITmediaアキバ取材班,ITmedia]
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駅の反対側は“別の街”というイメージも

  • ヨドバシカメラ開店によって、アキバ(電気街)に来る層は変わるか
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 「ヨドバシカメラ マルチメディアAkiba開店によって、アキバ(電気街)に来る層は変わるか」という問いには、およそ7割が「NO」と答えている。その理由は大きく二分した。

 1つは「“アキバでしか売っていない”ものを買いに来ることが多いので、ほとんど変わらないでしょう」(20代・男性)や「ヨドバシとアキバでは客層、そもそもニーズが違う」(30代・男性)といったこと。

 それらユーザーは、秋葉原電気街独自の魅力によって人が集まっていると感じており、自分自身もそれを好んでいる。いわゆる大衆受けする大型家電量販店がアキバにあっても、よほどのことがない限りすすんで出向くことはないという。また、アキバにやや遠方から訪れている(イコール自宅近所には大型量販店がある可能性も高い)人の率もかなり高かったことからも、なおさら“アキバならでは”を望むのだと思われる。

 もう1つは「電気街と離れすぎているので、影響がおよぶとは思えない。少なくとも自分には影響がない」(10代・男性)、「(電気街から見て)駅の反対側は“別の街”」(30代・女性)など、立地場所を想定した意見だ。とくに“反対側は別の街”という意見にはいろいろな意味で興味深い。

 いっぽう「YES」と答えた人には、「ヨドバシカメラによって家族連れが増えるのでは」(20代・男性)や「電気街にあるライバル店が積極的にキャンペーンして、多数層の取り込みを図るのでは」(20代・女性)といった、ライバル店登場に触発され、街が活気付くといった好意的な意見があがった。

 アキバユーザーの多くは、ヨドバシカメラ マルチメディアAkiba登場が自分にとってマイナスに働くとは考えていない。しかし「アキバに来てまでわざわざ行かない」「向こう側は“別の街”」といったように、とりわけ関心がないユーザーも多いことが分かる。

アキバユーザーアンケートYESNO
Q.ヨドバシカメラ マルチメディアAkibaが開店したら足を運ぶか65%35%
Q.大型店舗はアキバに必要か34%66%
Q.ヨドバシカメラ マルチメディアAkiba開店によって、アキバ(電気街)に来る層は変わると思うか33%67%
Q.ヨドバシカメラ マルチメディアAkibaの場所は、自分にとって都合がよいか43%57%
Q.ヨドバシカメラ マルチメディアAkiba開店で、他のショップによるキャンペーンを期待するか44%56%
Q.ヨドバシカメラのポイントカードを持っているか46%54%
※アンケートはJR秋葉原駅から銀座線末広町駅まで、おもに中央通り近辺で実施。歩行者を中心に一般アキバユーザー100人にコメントを求めたもの。男女比率は76対24。回答者年齢は20代がおよそ4割で、30代が3割、10代が1割強、40代以上が1割強

 もちろん16日のヨドバシカメラ開店時は、その周辺含めて大いに盛況となるであろう。しかしその数か月後、そして秋葉原駅前再開発計画が完了してから、アキバユーザーの認識はどのように変化しているのか、はたまた変わらないのか。その行方がどうなるのか楽しみである。

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