インテル 副社長 ドン・マクドナルド CEATEC2005にて基調講演

» 2005年10月04日 18時48分 公開
[小林哲雄,ITmedia]

デジタルエンターテイメント産業はすでに確立している

 マクドナルド氏の講演は、1930年代にアインシュタインが行ったテレビのデモンストレーションによって「新しい時代への幕開け」が始まった。社会と政治的な変革がこの1つの発明によって行われたと切り出した。

 過去のエンターテインメント(レコード、ラジオ、映画、テレビ)産業は新しい技術によって生まれて、新産業を生み出した。インターネットという技術の下に生まれた「デジタルエンターテインメント」は今までのエンターテインメント産業のコンテンツすべてを扱えるだけでなく双方向性をもち、あらゆるデジタル機器で利用できる。

 そして、すでにデジタルエンターテインメントはすでにニッチではなく主流であると主張した。例として着メロ市場は世界で40億ドルの売り上げがあり、日本には9000万台もの着メロ対応携帯が売れ、テレビ対応の携帯も500万台を超えたという。また、日本のブロードバンドは2000万人が利用できるいう。

ライフスタイルにテクノロジをあわせる

 インテルは消費者のライフスタイルにテクノロジを合わせるために3つの要素を重要視していると述べ、それは「使い勝手のよさ」「高い性能と機能」「接続性」であるという。

 近い将来に登場するであろう製品として、富士通、オンキヨー、ヤマハ、日立、東芝の機器を紹介し、最後にデジタルホームの新プラットフォームで来年Q1に登場するviiv(ヴィーブ)を紹介した。デモでは家電並みの短時間でON/OFFが行える「Intel Quick Resume Technology」を強調していた。これは使い勝手のよさの一例だろう。

 現在、新しいプロセッサを高い性能、かつ低い消費電力で作りつつあり、デバイスにおける可能性を示すコンセプトモデルとしてウルトラモバイルPCとGolden Gateコンセプトモデルを見せた。後者は「お弁当箱サイズ」の小型マシンでテレビチューナーを内蔵し、デュアルコアにより高い性能を示すという。動作デモでは3Dゲームがリアルに動作することを示した。

 また、ビデオの性能を改善するためにOplus Technologiesを買収した成果であるディスプレイプロセッサMN301を紹介。これは300ミリウエハーにシステムオンチップを作成し、高い画質を低価格で実現できるという。これらが高い性能と機能にあたる。

 接続性に関しては3つの例を挙げた。1つはネットワークの分野であり、インテルはワイヤレスだけでなくワイヤードにも標準化に貢献しているとして、Wi-Fi、WiMAXのワイヤレス技術だけでなく、家庭内ネットワークとしてすでにある電灯線を利用するHomePlugにも参加している。家の中の機器ならばどの部屋にあっても接続できる下地を作るものだ。2番めが機器の接続性の標準規格であるDLNAで、標準化によりデジタル機器相互の接続性を確保する。

 最後がDTCP(正確にはDTCP-IP)で、デジタル機器同士で認証を取り不正傍受を防ぎつつストリームデータの伝達を行うものだ。有償のプレミアムコンテンツはDRMで暗号化されているため対応機器でなければ再生できないが、DTCPを使うことにより家庭内利用に限って言えば別の機器に含まれているコンテンツも再生可能となる。家庭内のどこにデータがあっても(たとえばリビングで見た後に寝室で見る)利用可能とする。

デジタルホームの下地はできた

 IntelはCPUだけでなく、チップセットと無線ネットワークユニットもまとめて売れるCentrinoプラットフォームで成功を収めた。viivは家庭市場においてCentrinoと同様のまとめ売りのプラットフォームであり、標準化の促進も他の機器との敷居を低くし、導入促進の一環と言えるだろう。その意味でviivの発表を持ってデジタルホームの下地はすべてできたといえる。

 後はコンテンツがより充実し、エンドユーザーが購入してくれればよい市場循環となるといえる。「融合はすでに終わった。デジタルエンターテイメント産業はTVが発明された75年前と同様の可能性を見せており、次のビジネスチャンスに向かっている」と締めくくった。

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