レノボ・ジャパンの説明によると、ThinkPad ZシリーズはこれまでのThinkPadがターゲットとしてこなかった中小規模のオフィスユースを想定して企画されたノートPC。そのような市場を想定してThinkPadとしては初めてとなるワイドサイズの液晶ディスプレイや、新しくデザインされた筐体が採用された。ワイド液晶パネルを採用した理由は「ThinkPad Zが想定しているオフィスでは仕事と家庭の両方で使われるケースが考えられる」(レノボ・ジャパン)ということであるが、同時に「ホームユースを重視しているわけではなく、ThinkPad Zはあくまでもビジネスユースをターゲットにしている」とも同社は説明する。
新しい筐体デザインは側面から見ると「上辺が前面にシフトした平行四辺形」という形が特徴。これは、斜め上から見下ろしたユーザーの視点からより薄く見えるように工夫したため。このほか、ワイドサイズ液晶ディスプレイを採用したことで生まれた横方向の余裕を利用してキーボード脇にスピーカーを搭載。ただし、これも「ビデオ会議などで音声をよく聞き取れるようにするため」とあくまでもビジネス利用とためであることを強調。スピーカーの脇には側面に搭載されたインタフェースのアイコンを用意してケーブルの接続や周辺機器、メモリカードの挿入を容易にする工夫も施された。
キーボードレイアウトも従来のThinkPadから変更され、「多くのユーザーから要望された」(レノボジャパン)Windowsキーとサブメニューキーがついに搭載された。そのほかこれまで独立してきた機能キーが[Fn]キーと組み合わせて使うようになり、カーソルキーには再生、早送りなどのメディアコントロール機能が組み合わせられた。従来、ヘルプボタン的な機能を持っていた「ThinkAccess」は新しい「ThinkVantage」ボタンに変更。レノボジャパンが独自に用意した「アプリケーションラウンチャー」的機能や「PCの設定メニュー」などのThinkVantageメニューにここからアクセスできる。レノボジャパンでは新しいキーボートレイアウトを「Xシリーズといった小型のノートPC以外では順次採用していく予定」と話している。
Z60mとZ60tの最上位モデルには液晶パネル天板にチタンを採用。カーボンファイバーを積層したマルチレイヤーパネルにアルミシートと薄いチタン層を重ね、硬く軽い天板を実現。指紋が付着しにくいコーティングも施された。また、筐体の耐性を向上させるために、「ThinkPad Roll Cage」と呼ぶマグネシウム合金製の“骨格”を筐体に組み込んだ。パーツを骨格にはめ込むことで外部からのストレスから基板やパーツを守り、同じ外力で比較して基板へのひずみ負荷を30%軽減し、筐体剛性を20〜40%アップさせたとレノボジャパンでは説明している。HDDの耐衝撃性も向上しており、従来の2次元加速度センサーによる磁気ヘッド退避機能に加え、HDDドライブをゴム製緩衝材で保護し、HDD取り付け部ユニットに2次元方向に動くバネ式ショックアブソーバを取り付けた。
ThinkPad Z60mは多目的利用を想定したノートPC。ThinkPadラインアップではR52とG41の間を埋める位置付けとなっている。15.4インチのワイドサイズ液晶ディスプレイを搭載し、重量は2.9〜3.1キロ。4モデルが用意され上位機種ではPentium M、DVDスーパーマルチドライブ、MOBILITY RADEON X600(もしくはX300)と、DVDメディアへの保存や3D性能といったホームユースで求められるスペックも有する。
ThinkPad Z60tはモバイル利用を重視した2スピンドルノートPC。ThinkPadラインアップでは、TシリーズとXシリーズの間を埋める位置付けとなっている。約2キロの筐体ながら14インチのワイド液晶ディスプレイを搭載。4モデルが用意され上位機種ではPentium Mを採用。標準の4セルバッテリーパックで駆動時間2.5時間(下位モデルのCeleron M搭載モデルで約2時間)。オプションで7セルバッテリーパックも用意されている。
ThinkPad Z60m、同Z60tともにパーツ構成が固定のベースモデルと、ベースモデルにMicrosoft Office Personal 2003搭載モデルがあるほか、構成を選択できるカスタマイズモデルも用意され、CPU、光学ドライブ、OSなどを選択可能。Z60mのカスタマイズモデルでは、ベースモデルにはない高輝度液晶パネル「MaxBriht」を搭載できる(15.4インチ、1280×800ドット)。
製品名 | 2530-2GJ | 2530-27J | 2530-4LJ | 2530-3PJ |
OS | Windows XP HomeEdition SP2 | Windows XP Professional SP2 | ||
CPU | Celeron M 360 | Pentium M 740 | Pentium M 760 | |
チップセット | Intel 915GM | Intel 915PM | ||
メモリ(最大) | DDR2-533/256Mバイト(2Gバイト) | DDR2-533/512Mバイト(2Gバイト) | ||
液晶ディスプレイ | 15.4インチ(1280×800ドット) | 15.4インチ(1680×1050ドット) | ||
グラフィックス | Intel GMA 900 | MOBILITY RADEON X300 | MOBILITY RADEON X600 | |
HDD | 40Gバイト | 60Gバイト | 80Gバイト | |
光学ドライブ | CD-RW&DVD-ROMコンボ | DVDスーパーマルチ | ||
ネットワーク | 1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T | 1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T、IEEE 802.11a(J52、W52、W53対応)/b/g | ||
カードスロット | PCカードTypeII×1、Express Card×1、マルチカードリーダー(SDカード、メモリースディック対応) | |||
主なインタフェース・付属品 | USB2.0×3、IEEE 1394×1 | |||
バッテリー駆動時間 | 3.0時間 | 4.0時間 | ||
本体サイズ | 幅357×奥行き262.5×厚さ37.3〜40.2ミリ | |||
重量 | 約2.9キロ | 約3.1キロ | ||
発売日 | 10月下旬 | |||
ダイレクト価格 | 11万9700円 | 15万1200円 | 20万7900円 | 26万400円 |
製品名 | 2512-4NJ | 2512-4DJ | 2512-3CJ | 2512-47J |
OS | Windows XP HomeEdition SP2 | Windows XP Professional SP2 | ||
CPU | Celeron M 360 | Pentium M 740 | Pentium M 760 | |
チップセット | Intel 915GM | |||
メモリ(最大) | DDR2-533/256Mバイト(2Gバイト) | DDR2-533/512Mバイト(2Gバイト) | ||
液晶ディスプレイ | 14.1インチ(1280×768ドット) | |||
グラフィックス | Intel GMA 900 | |||
HDD | 40Gバイト | 60Gバイト | 80Gバイト | |
光学ドライブ | CD-RW&DVD-ROMコンボ | DVDスーパーマルチ | ||
ネットワーク | 1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T | 1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T、IEEE 802.11a(J52、W52、W53対応)/b/g | ||
カードスロット | PCカードTypeII×1、SDカード×1 | |||
主なインタフェース・付属品 | USB2.0×3、IEEE 1394×1 | |||
バッテリー駆動時間 | 2.1時間 | 2.0時間 | 2.5時間 | |
本体サイズ | 幅334×奥行き228×厚さ26.6〜30.9ミリ | |||
重量 | 約2.07キロ | 約2.18キロ | ||
発売日 | 10月下旬 | |||
ダイレクト価格 | 11万9700円 | 15万1200円 | 20万7900円 | 24万9900円 |
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