3年前に買ったあなたのための最新PC購入ガイド──2005年ノートPC秋冬モデル編+D Shopping バイヤーズガイド(1/4 ページ)

» 2005年11月02日 12時44分 公開
[ITmedia]

 ターゲットはずばり「3年間PCを使っているユーザー」。今回は前回の「デスクトップPC編」に続いて、当時のモデルと最新モデルのスペックを比較して、売れ筋価格帯となっている10万円台から20万円前後で購入可能な最新モデルノートPCの魅力をチェックしていくことにしましょう。

CPUとメモリ

 まずは、PCの中心部となるCPU及びメモリから見ていきましょう。

 3年前のモデルをCPUクロックだけで見ると、だいたい800MHz前後から、上はデスクトップ据え置きタイプのハイパワーモデルで2GHzと幅広いラインアップを揃えていました。対して現在の2005年秋冬モデルのノートPCも、下は1GHzから上は2GHzほどとなっています。

 CPUクロックの数値こそはさほど変わらないので、これだけで比較してしまうとあまり変化がないように見えるかもしれません。しかし同じCPUクロックであっても、CPUそのもの、マザーボードに載るチップセットなどその周辺の性能が大幅に向上しているため、その中身はまったく異なります。

 3年前モデルは、低クロック傾向のトランスメタCrusoeやインテルのモバイルPentium III、AMDのモバイルAthlon XP、そして高クロックだが発熱量の多いモバイルPentium 4などさまざまなCPUのラインアップが存在していたのに対し、今回の最新2005年秋冬モデルはインテルのPentium MやSempronなどの搭載が中心となっています。このPentium Mはデスクトップ据え置き型のA4ノートから、モバイルモデルまで、幅広く採用されています。

 Pentium Mはそもそも低消費電力の設計がなされているのに加え、CPUクロックが低くても高い性能を発揮できるような工夫がなされています。バッテリー持続時間の向上や低発熱といったメリットに加え、通常の用途では高クロックのデスクトップ用CPUであるPentium 4と比べても遜色なく利用できるようになっています。これはPentium Mの低価格版である「Celeron M」や、AMDのノート向けCPUである「Turion 64」や「モバイルSempron」などでも同様です。

 メモリ容量については、3年前のモデルではおもに256Mバイト、一部の低価格モデルでは128Mバイトの製品もありました。こちらも容量だけ見ると今回の2005年秋冬モデルと大きく差があるわけではありません。ただし当時のモデルでは、いずれもメモリの最大搭載容量に制限のある製品も多く、最大でも512Mバイトまでしか搭載できない製品もよく見られましたが、2005年秋冬モデルでは、1Gバイト以上の搭載も可能となっています。

 また、メモリ規格についてもデスクトップモデル同様にチェックポイントがあります。主流となっていたDDR SDRAM採用モデルは減少しており、最新規格でより高速なDDR2 SDRAM採用モデルが増えています。今後数年使い続けることを前提に考えるなら、DDR2 SDRAM製品がお勧めであるといえます。

HDDと光学ドライブ

 続いてHDDと光学ドライブをチェックしていきます。

 3年前のモデルのHDD容量はほとんどが10Gから30Gバイト搭載が主流、一部では60GバイトHDDを備えるモデルも存在しましたが、これら30万円以上の上位モデルしか搭載されていませんでした。

 対して2005年秋冬モデルでは、下位モデルでも40Gから80Gバイト、中には100Gバイト以上の大容量HDDを備える製品も登場しています。

 光学ドライブについては、かなり進化が激しいといえる部分です。3年前モデルはDVD-ROM/CD-RWコンボドライブ、あるいはCD-ROMドライブがほとんどでした。

 2005年秋冬モデルでは、一部の廉価モデルを除き、ほぼすべてでDVD記録に対応するドライブが採用されています。2層DVD±R記録に対応するものや、DVD±R記録に加え家庭用HDD/DVDプレーヤーとの親和性も高いDVD-RAM記録・取り扱いに対応するDVDスーパーマルチドライブを搭載するモデルも多くラインアップされています。

液晶ディスプレイとTV機能

 最後は搭載する液晶ディスプレイとTV機能についてチェックしていきましょう。

 2005年秋冬モデルが備える液晶ディスプレイでは、3年前にはなかった新たなポイントとして、ワイドパネルを搭載するモデルの割合が増えているのが特徴です。横幅が広いことで、通常の4:3比率のパネルより画面を広く効率よく使えるといったメリットのほか、映画DVD視聴といったエンタテインメント用途にも適しており、より映像・画像をきれいに表示させるための数々の技術が盛り込まれたのも特徴です。

 TV機能についてもディスプレイの進化と同様に、TVチューナー・録画機能を標準で搭載するモデルが大幅に増えました。A4サイズのモデルで見ると、ラインアップの半分ほどのモデルにTV機能を備え、以前より気軽に購入できると言えると思います。なお、これまでのようにTV機能をPCのオプション的な扱いではなく、本格的にTVを中心とするエンタテインメント要素を盛り込んだラインアップが充実した点にも注目したいところです。

 こうしたモデルでは、液晶ディスプレイの明るさを液晶TV並みの高輝度液晶パネルが採用されていたり、高画質化回路が搭載されていたりと、映像をより鮮やかなに視聴できるようになっています。

基本スペック/エンタテインメント系機能が大幅に向上

 2005年秋冬モデルと3年前のモデルのスペックを改めて比較してみましたが、基本性能はもちろん、PCを便利に、かつ楽しむための機能全般が大幅に向上しています。

 とくに、ワイド液晶搭載モデルの増加は今まで使っていた通常タイプの液晶と比べると、使い勝手が格段に向上しているのが実感できるところでしょう。総じて、TV機能といったエンタテインメント系機能を搭載ノートPCの充実も、これまでとは全く違ったノートPCの楽しみ方を発見できそうです。

 では、次のページからのスペック比較カタログでこれらポイント比較しながら、好みのPCを探してみましょう。

20万円以下 2005年ノートPC秋冬モデルカタログ

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