HT対応のPentium 4が登場した頃までオーバークロックといえば、まずCPUのことを差していたが、昨今トレンドの変化が著しい。現在のオーバークロックといえば、ユーザーはグラフィックスカードに注目している傾向であるようだ。
某ショップは、この傾向の理由をこう述べる。
「グラフィックスカードは、新しいGPUが出回り始めた頃がもっともクロックアップ耐性に優れているとアキバでは噂になっています。これは最上位GPUを搭載するモデルが登場時にヒットする一因になっていると思います」
NVIDIAの現行最上位チップ「GeForce 7800 GTX 512」を搭載する、リードテック「WinFast PX7800 GTX TDH MyVIVO Extreme 512MB」が、11月16日に登場した。10万円弱という高価格ながら、各ショップであっという間に売り切れたのは(各ショップにて絶対数こそはそれほど多くはなかったが)記憶に新しい。ヘビーゲーマーだけでなく、オーバークロック志向の購入者も混ざっていた可能性は高いと上記ショップは述べる。
2005年11月末現在、GeForce 7800シリーズに水を開けられている感のあるATI RADEON X1000シリーズも、ハイエンドのRADEON X1800XT搭載モデルは比較的順調に売れている。
いっぽうのCPUは、上記のようなハイエンドモデルを望むユーザーの中では現在Opteronがだんとつの人気だという。
クレバリー1号店は「CPUオーバークロックを計画するユーザーの好みは、ほとんどがOpteron。オーバークロックで大きな失敗したという話は聞きませんし、1GHz前後もの向上が狙えるとも評判です。でも、もちろん使用は自己責任ですけど」と話す。なお同ショップの店員氏は、Opteron 144(1.80GHz)をリテールクーラーのまま、2.75GHzにまでオーバークロックして使用しているとか。あくまであるユーザーの1例とはいえ、この向上率はかなりすごい。
なお、2005年初めにオーバークロック向けとしても人気を高めたPentium Mも「今では静音志向のユーザーに固定化しています」(高速電脳)と、ユーザーのオーバークロック傾向はやや薄くなっているようだ。
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