では画質の比較をしてみよう。今回比較するのは、
という3パターン。前モデルのMTVX2005はFEATHER2006をインストールした段階でW3Dモードが利用可能となるため、MTVX2006HFと比較するパターン1とパターン2はチューナーの差のみとなる。3つめのパターンはW3Dモードの有効性を確認するもので、FEATHER2006未インストール段階においてMTVX2005とFEATHER2005の組み合わせで録画した。
まず、高画質オプション・標準画質オプションで2つの製品を比較してみたい。どちらのもほとんど変わらないように見えるが、個人的にはややMTVX2006HFの方がシャープに見える印象を持った。これは全画面で表示した場合にとくに感じる。基本的にMTVX2006HFはMTVX2005の正統進化ということが言えるだろう。MTVX2006HFの発売で実売価格が下がったMTVX2005が売れているという話も聞かれるが、今後はMTVX2006HFが取って代わるはずだ。画質に関して劇的に異なるというわけではなかったが、満足のいくものではないだろうか。
では3つめのテストではどうだろう。このテストはFEATHER2005と2006の録画に時間差があるので、必ずしも公平とはいえないところはご容赦願いたい。FEATHER2006とFEATHER2005の日本地図の海岸線部分を比較すると、FEATHER2006で録画したほうがややシャープに見える。受信状況が影響する可能性もあるが、FEATHER2006導入で有効になるW3Dの効果、およびFEATHER2006版ファームウェアのチューニングによる効果という可能性も同様にあるのだと思う。
さて、メインストリーム向けハードウェアエンコード対応TVチューナーカード製品は、高画質化回路のほとんどが標準搭載となり、なおかつ1万円台後半から2万円台が普通となってしまった。今後さらなる差別化が可能とすれば、ハードウェアでは搭載台数含めたチューナーかエンコードチップくらい、ソフトウェアではコントロールソフトというところになる。
MTVX2006HFではスプリットキャリアチューナーを採用したが、上位モデルと同じものを採用してしまったことで行き着くところまできてしまった印象もある。しかしMTVX2005との差別化には必要なことだったのだろう。
ソフトウェアではFEATHER2006という形で進化した。ソフトウェアは、ハードウェアに比べて実際使ってみないとその効果が分かりにくいし、人それぞれといったところもあるが、MTVXというTVチューナーカードの魅力を引き出す上では重要な要素である。筆者も観たいバラエティ番組とスポーツ中継番組が重なって二者択一を迫られることが多い。ならば、ということで手っ取り早くPCでの複数枚差しを検討するわけだが、PCでTVを(録画だけでなく)視聴する立場ならば、その時間に何が放送されているかを把握しやすい、PCならではの活用ができるFEATHER2006の提案は納得できた。
同時2チャンネルほどではさりとて効果は薄いかもしれないが、3、4、5チャンネルと増えるのであれば、その効果はより実感できうる。そのような中で、MTVX2006HFは現行アナログTVチューナーカードにおいて必要十分な機能を備え。かつ価格もそこそこ抑えられているため、単体としてはもちろん、複数チューナー環境PCを構築したい場合のベース機器として選択肢になるだろう。
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