このように迅速な製造ができる背景には、これまで紹介してきたようなさまざまな効率化の努力はもちろんだが、それに加え、使用するパーツの品質がしっかりしている点も大きな要因となっている。
いくら作業を効率化し、迅速に製造できる体制を整えたとしても、使用するパーツの品質が良くなく、検査段階で引っかかるものが多数含まれていてはまったく意味がない。
そのためエプソンダイレクトでは、海外メーカーが主要パーツを出荷する前に現地法人のエンジニアが工場へ出向き、出荷ロットの検査を実施して、合格した場合のみ出荷を認めている。また、海外メーカーとは定期的に品質レビュー会議を実施し、個々のパーツの品質のみでなくメーカー自身の品質管理体制についても議論を重ね、総合的に品質を高める努力をしているそうだ。
また、発送に関しても工夫がある。デスクトップPCは長野県安曇野市の工場で製造され、そこから出荷されるが、ディスプレイやプリンタなどの単品オプション類はそこにはなく、東京・台場にある協力運送会社の倉庫に保管されている。そして、EDCSシステムのサブシステムである「ジョイントデリバリーシステム」によって、本体の出荷と同時にディスプレイやプリンタなども台場の倉庫から出荷される。
本体と単品オプション類が別々の便で顧客に届いてしまうと問題だが、協力運送会社が同じ便で届くように配送調整しているため、顧客の側には不都合は生じない。当然、その配送調整も含めた上で「2日配達保証」となっているのは言うまでもない。
これまで見てきたように、「2日配達保証」という他に例を見ない迅速な納期保証は、エプソンダイレクトが直販メーカーとして長年に渡って取り組んできた努力と工夫によって実現されたものである。そして、その意気込みはアフターサービスにも現れており、「1日修理サービス」というものまで実現しているのだ。
次回はその「1日修理サービス」も含めた、エプソンダイレクトのアフターサービス・サポート体制について見ていくことにしたい。
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