今回家庭用プラズマTV「Wooo 9000シリーズ」に採用されたことで、XCode 2100シリーズのメリットはかなり分かりやすくユーザーに理解でき、国内でも採用メーカーが増えると思われる。PCに関すれば、VAIOシリーズやPriusシリーズなど、地上デジタル放送対応PCとして発売する機器への採用は大いに考えられるところだ。
ただしアイ・オー・データ機器やカノープスなどが発売する単体PC周辺機器への採用は、国内ではコンテンツ保護をどのようにクリアするかというハードルが高く、いつ頃にどのような形態で発売されるか、そもそも発売するのかということも含めて未知数となっている。
例えば地上デジタル放送/BSデジタル放送を視聴するにはB-CASカードが必要となる。地デジ対応PCとして販売する国内メーカー製品はB-CASカードスロットを備え(地デジチューナーカードと直結している場合が多い)、HD映像はPCIバスに流さない方法を用いてHDMIかDVI-D+HDCP(アナログ出力の場合はD4も含む)で出力するようになっているなど、入力から出力までを含めた1製品として届け出ることによりB-CAS(ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ)の認可を得ている(イコールB-CASカードが発行される)。
対してTVキャプチャーカードとしての単体PC周辺機器となると、総合的な1製品として認可を得る(ユーザーのマシン構成を個々に把握する)のは基本的に不可能に近い。つまり現状、B-CASカードが発行されない仕組みの機器は、地上デジタル放送/BSデジタル放送を受信できない。ある周辺機器メーカーのエンジニアは「製品自体の開発・製造はもちろん可能だ。しかしB-CASの認可が下りる仕組みの製品にできるかという、限りなく高い壁がある」と述べている。
ただしプロ向け映像ソリューションなども投入するカノープスでは、個人向けデジタル放送の録画への活用とは別に、HDVカメラと映像編集ソリューションを組み合わせた、プロ向けの高画質・高速エンコード用としてはかなり具体的に計画しているようだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.