日立“Wooo”に採用──HD対応エンコードチップ「XCode 2100」シリーズで“2倍”記録できる理由(2/2 ページ)

» 2006年04月06日 22時57分 公開
[岩城俊介,ITmedia]
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次期VAIO type X LivingなどのPCや家庭用AV機器への採用に期待。ただし単体PC周辺機器へは未知数

 今回家庭用プラズマTV「Wooo 9000シリーズ」に採用されたことで、XCode 2100シリーズのメリットはかなり分かりやすくユーザーに理解でき、国内でも採用メーカーが増えると思われる。PCに関すれば、VAIOシリーズやPriusシリーズなど、地上デジタル放送対応PCとして発売する機器への採用は大いに考えられるところだ。

photo XCode II-L搭載/PCI Express x1接続タイプのカノープス製エンコード単体カード。MPEG-2/4へのトランスコード/トランスレートをハードウェア処理で行える。XCode 2100シリーズ搭載の地デジ対応TVキャプチャーカード開発は困難だが、エンコード専用カードとしての投入は十分想定できる

 ただしアイ・オー・データ機器やカノープスなどが発売する単体PC周辺機器への採用は、国内ではコンテンツ保護をどのようにクリアするかというハードルが高く、いつ頃にどのような形態で発売されるか、そもそも発売するのかということも含めて未知数となっている。

 例えば地上デジタル放送/BSデジタル放送を視聴するにはB-CASカードが必要となる。地デジ対応PCとして販売する国内メーカー製品はB-CASカードスロットを備え(地デジチューナーカードと直結している場合が多い)、HD映像はPCIバスに流さない方法を用いてHDMIかDVI-D+HDCP(アナログ出力の場合はD4も含む)で出力するようになっているなど、入力から出力までを含めた1製品として届け出ることによりB-CAS(ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ)の認可を得ている(イコールB-CASカードが発行される)。

 対してTVキャプチャーカードとしての単体PC周辺機器となると、総合的な1製品として認可を得る(ユーザーのマシン構成を個々に把握する)のは基本的に不可能に近い。つまり現状、B-CASカードが発行されない仕組みの機器は、地上デジタル放送/BSデジタル放送を受信できない。ある周辺機器メーカーのエンジニアは「製品自体の開発・製造はもちろん可能だ。しかしB-CASの認可が下りる仕組みの製品にできるかという、限りなく高い壁がある」と述べている。

 ただしプロ向け映像ソリューションなども投入するカノープスでは、個人向けデジタル放送の録画への活用とは別に、HDVカメラと映像編集ソリューションを組み合わせた、プロ向けの高画質・高速エンコード用としてはかなり具体的に計画しているようだ。

photophoto (写真=左)カナダmonsoon multimedia製の、ロケーションフリーのようにエンコード済みの映像を配信ネットワーク配信できるXCode II搭載マルチメディアユニット「hava deluxe」。チューナー信号入出力/コンポーネントなどの各種AV端子/LAN/無線LANをなどを備え、“どこでもTV”環境を構築できる。ちなみにWindows XP Media Center Edition用ドライバも用意され、Media Centerインタフェースからも操作できる。日本国内への投入は未定だが、価格は日本円で2万円くらいにできるという。
(写真=右)シナノケンシ(プレクスター)による業務向け4ch同期動画対応のビデオレコーダー「PX-VR100」。XCode II採用により、異なる映像を各チャンネル間でフレーム同期をとりながら録画できる特徴を持ち、放送スタジオや立体視用コンテンツなどの作成に適するソリューションとなる。

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