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» 2006年04月20日 19時00分 公開

2006年・PC夏モデル特集:液晶ディスプレイにTV機能を詰め込んだ意欲的な地デジ対応モデル――NEC「VALUESTAR L VL970/FG」 (1/2)

「VALUESTAR L」の最上位機である「VL970/FG」は、同シリーズにおいて2シーズンぶりに復活した地上デジタル放送対応機だ。本製品はただ新しいTVチューナーが搭載されただけでなく、チューナーそのものに今までにない試みがなさるなど、注目すべき点が多い。ここではそのTV機能を中心に本製品を紹介していこう。

[酒井裕晶,ITmedia]

TV機能をディスプレイ側に内蔵した新型20インチワイド液晶

 TV機能を持つセパレート型PCは、これまでPCIスロットにTVチューナーカードを搭載するのが一般的であり、一部液晶ディスプレイにTVチューナーを持つ製品は存在したものの、これはあくまで液晶TVとしての役割のみで、PCのTV機能とは独立していた。ところが本製品は、デジタル/アナログに関わらず、TVチューナーをディスプレイ側に搭載し、暗号化/複合化を行うセキュアSLIや高画質スケーラチップなども実装している。液晶側のチューナーで取り込んだ信号はPCI Expressベースの独自専用ケーブルを介して本体側に転送され、通常のPC画面はDVI経由でディスプレイに出力される仕組みだ。

 面倒な仕組みに見えるが、液晶の側面にTVやビデオの入力端子が備わるため、従来のPC本体のチューナーに比べ、端子の配置や数に余裕が生じるなど恩恵は多い。本製品の場合は、アンテナ入力2つに加えて、ビデオ入力が3系統用意されており、これは液晶一体型の「VALUESTAR W」シリーズに匹敵にする内容である。また、液晶の側面という場所は、PC本体背面よりケーブルの接続が容易で、ゲーム機やビデオデッキなどの複数の機器を接続しやすくなったのは非常にありがたい。ただ、ここまでくると液晶前面にももう1つ入力が欲しくなってしまう。

 液晶ディスプレイとしての性能は、従来モデルと同じスーパーシャインビューEX2パネルを採用した20インチワイドで、解像度は1680×1050になる。ただしスピーカーはAUTHENSOUNDWIDE IIIに強化されており、従来の左右4W+4Wとサブウーファ6Wの構成にセンター4Wが追加された。筆者が所有する前タイプの20インチ液晶とサウンドの聞き具合を比較してみたが、確実に低音が強調される印象を受けた。また、本製品はVALUESTAR Lで唯一ワイヤレスキーボードとマウスが付属する。このキーボードはVALUESTAR WやRと同様に、液晶下部にスライドして収納が可能で、収納時に電源オン/オフやアプリケーションの起動も行える。

液晶ディスプレイ前面(左)と背面(右)

 アンテナ線やビデオ入力端子は液晶ディスプレイの右側面に集中している。2カ所あるアンテナは、上がデジタル、下がアナログとなる。また、ビデオ入力は3系統用意されているが、PCで録画が可能なのはアンテナ端子の上部のみで、ほかの2カ所は液晶へのスルー端子となっている。スルー端子で接続する場合は、入力信号の画面表示にタイムラグが発生しないため、ゲーム機などを接続して遊ぶのに適している。

 また、同じく右側面には液晶の輝度やボリューム、そしてNIGHT MODEなどの各種ボタンを配置する。ボタンの数が多く順番を覚えるのは難しいため、液晶正面からではなく、覗き込んで操作をすることになる。これは正直面倒なので、次のモデルでは正面からボタンの機能が分かる位置にレイアウトして欲しい。

液晶下にキーボード収納部があり、電源やアプリケーションと連動する(左)。キーボードとマウスはワイヤレスになる(右)
スピーカーは4W×3に6Wのサブウーファで構成する3.1チャンネルのAUTHENSOUNDWIDE IIIを採用(左)。ディスプレイ側に入力された信号は本体背面に専用ケーブルで接続される(右)。この背面端子は同じVALUESTAR Lでも本製品にのみ装備されている

デジタル放送も2秒で見られる快適なTV機能

 TV機能そのものについてはVALUESTAR Wの地上デジタル対応モデルと同等だ。デジタル/アナログ放送用に別々のハードウェアを備えており、デジタル放送を視聴してもCPUの負荷を抑えることができる。本製品のCPUはCeleron Dだが、それでもコマ落ちもせず快適にハイビジョン放送を観賞でき、デジタル/アナログ放送の同時録画も可能なのは大きなメリットだ。

 また、デジタル放送のハイビジョン映像を通常のSD画質に変換し、データ容量を削減するダウンコンバート(NECは本機能をアナログ変換と呼称しているが、解像度をSDに変換する機能のため、実際にアナログ変換しているのではない)は、録画映像の実時間でそのまま変換可能。また、デジタル放送をハイビジョンで録画中に、同時にダウンコンバートを行える(ただし、同時コンバート録画中はデジタル/アナログ放送の同時録画はできない)。なお、SD画質にダウンコンバートした映像なら、DVD-RAMへのムーブに対応する。副音声がカットされ、サウンドは2チャンネル限定になるが、デジタル放送の映像を手軽に保存できるのはうれしい。

 VALUESTAR Wが採用し好評を博したデジタル放送のインスタント再生機能である「ぱっと観テレビ」にも対応している。これは電源投入から2秒程度でデジタル放送が視聴可能になる機能で、実際にこのレスポンスを知ると通常のインスタント機能では満足できなくなる。さらに、その裏ではWindowsが起動を開始し、Windowsと視聴ソフトのMediaGarageが完全に動作可能な状態になると、今まで表示していた画面が自動的にMediaGarageの操作に移行する。ボタンを押した瞬間にTVを見ることができ、いつの間にかPCも使えるようになっているという具合だ。ただ、画面がPCに切り替わるまでは番組録画やデータ放送の受信は行えない。

 ちなみに騒音面では、起動直後の数秒間はファンの音が盛大だが、それ以降は比較的落ち着いている印象を受けた。また、高負荷時の場合はさすがにファンの音が高くなるものの、TV機能だけを利用中に限ればとくに騒がしいと感じることはなかった。

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