第1回 パソコン解体新書ができるまで新約・見てわかる パソコン解体新書(1/3 ページ)

» 2006年06月01日 00時00分 公開
[大島篤(文とイラスト),ITmedia]

「見てわかるパソコン解体新書」は、1994年9月に創刊したソフトバンク出版事業部(当時)のパソコン情報月刊誌「Hello!PC」で連載を開始し、その後1999年にタイトル変更した「PC USER」が2005年12月に休刊するまで、203回にわたって巻頭を飾りました。パソコンとその周辺機器の構造や、関連技術をテーマに、毎回3Dグラフィックスを駆使して作られた精密イラストで、詳しく図解するという内容でした。

 その「見てわかるパソコン解体新書」が、オンライン版として復活することになりました。新連載第1回となる今回は、旧パソコン解体新書がどうやって作られてきたのかを紹介しましょう。


 上のデータは旧PC USER 2005年3月号の表紙と、その巻頭に掲載された「見てわかるパソコン解体新書」の第192回、「ハードディスク内蔵ポータブル音楽プレイヤー」の誌面です。アップルコンピュータのiPod miniを例に、メカニズムの構造と、オーディオ圧縮技術の基本を解説しています。

 連載のテーマは、毎回筆者が自由に決めさせてもらっていましたが、もっぱら自分自身が興味のあるものを取り上げてきました。テーマが決まると、Webを検索したり、関連書籍を読みあさって情報を集めます。また、この連載はメカニズムの内部構造を図解することが基本なので、テーマがハードウェア製品の場合は、編集部にお願いして製品を手配してもらいます。実機の手配が困難だったり、メーカーの分解許可が出ない場合は、製品を自分で購入して分解することも何度かありました。このiPod miniも自腹で購入したものです。

 実機が手元にきたら、ケースを開けて内部を調べたうえ、3Dソフトウェアで構造図を作成します。これから、実際のグラフィックス作業の流れをご覧いただきますが、その前に筆者の作業環境を紹介しておきましょう。

PowerMacとSTRATA 3D CXを愛用

 筆者のメインマシンは、アップルコンピュータのPowerMac G4です。533MHzのPowerPC G4を2個搭載したデュアルプロセッサ機です。もう5年も使っているマシンで、最近のパソコンに比べると性能はかなり劣っていますが、仕事に使っていて不満を感じることはほとんどありません。

 メモリは1Gバイトを搭載しています。メインディスプレイは22インチのApple Cinema Displayで、解像度は1600×1024ドットです。グラフィックスカードはNVIDIA GeForce2 MXで、OSはMac OS X 10.3です。

 画像を取り込むエプソンのイメージスキャナGT-8700と、デジタルカメラのオリンパス光学工業(当時)CAMEDIA E-10も、連載のグラフィックス作業のために大活躍してくれました。

 それでは、作業の流れを見ていきましょう。まずは、iPod miniのモデリングです。




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