優れた携帯性をアピールポイントに掲げるLet's note LIGHTの中でも、常にPCを持ち歩きたいモバイルユーザーからとくに高い支持を受ける製品が、最軽量のRシリーズだ。その理由が、10.4インチの小振りな液晶ディスプレイを搭載した持ち運びやすい本体サイズと、重量が1キロ以下という軽さ、そして長時間のバッテリー駆動にあることは改めて説明するまでもないだろう。
最新モデルのCF-R5はプラットフォームの一新により、携帯性を損なうことなく基本性能の向上とバッテリーライフの強化を果たしているのが特徴だ。
| ベンチマークテスト | |
|---|---|
| PCMark05(Build 1.1.0) | |
| PCMarks | 1414 |
| CPU | 1784 |
| Memory | 1783 |
| Graphics | 488 |
| HDD | 3010 |
| いずれのテストスコアも試作機のため製品版とは異なる場合があります。 | |
今回のモデルチェンジで目玉となるのが、プラットフォームの一新だ。前モデルのCF-R4は超低電圧版Pentium M 753(1.20GHz/FSB 400MHz)のCPUとIntel 915GMS Expressチップセット、Intel Pro Wireless 2915ABG ネットワークコネクションを組み合わせていたが、このCF-R5はCPUを超低電圧版Intel Core Solo U1300(1.06GHz/FSB 533MHz)とIntel 945GMS Expressチップセット、Intel Pro Wireless 3945ABG ネットワークコネクションで構成される、最新のNapaプラットフォームに改められた。
メインメモリは標準で512Mバイト/最大1Gバイトと、容量的には従来モデルからの進化はないが、メモリモジュールがPC2-3200からPC2-4200へと高速化され(BIOSセットアップでクロックの変更が可能)、パフォーマンスの向上に一役買っている(同時にチップセット内蔵のグラフィックス性能も引き上げられた)。ほかにも、HDD容量が40Gバイトから60Gバイトに増え、セキュリティチップのバージョンがTCG 1.1bから1.2に変更された。
本体はデザインをCF-R4からそのまま引き継いだ形で、耐加重100kgfという堅牢性、約999グラムという軽さも健在だ。その上で、バッテリーライフは前モデルに比べ2時間も長い約11時間に延長されており、シリーズ発足以来の武器の1つである長時間駆動にさらなる磨きをかけた。ちなみに、本機のバッテリーセルは、CF-Y5とCF-W5に採用された新型の大容量タイプではなく、従来型をそのまま流用している。今後は新型バッテリーセルを搭載したオプションバッテリーの登場による一層の駆動時間延長にも期待がかかるところだ。
冷却はシリーズ伝統のファンレス方式を採用し、動作中でもHDDのアクセス音以外のノイズがほぼ発生しない抜群の静音性が得られる。ただし、ボディ全体を使って放熱する構造ゆえ本体が熱を帯びがちで、長時間利用しているとキーボードの左半分に顕著な発熱が見られた。

メインメモリはオンボードで512Mバイト、底面にある増設用のMicro DIMMスロットを利用すれば最大1Gバイトまで増設できる(写真=左)。ボディサイズや形状に変更はなく、229(幅)×183.5(奥行き)×24.2〜41.6(厚さ)ミリだ。バッテリーの容量は7.4ボルト 7800mAHで、重量は約315グラムある。ACアダプタは小柄で、実測値は40.2(幅)×88.3(奥行き)×27.4(厚さ)ミリ、重量は217グラムと、本体と一緒に持ち歩いても苦にならない続いて入力環境に目を移そう。本体デザインに変更がなかったことから想像できる通り、キーボードやタッチパッドには以前のモデルからの変更点は見あたらない。キーボードは、主要な文字/記号キーの横ピッチが17ミリと決して広くないが、本体の横幅いっぱいを使ってピッチを稼いでおり、可能な限りのサイズを実現したものといえる。
一方で従来より狭さが指摘されている縦ピッチは、14.3ミリと相変わらず狭く、正方形に近いキートップを持つ一般的なノートPCに親しんだユーザーがスムーズにタッチタイプを行うには、ある程度の習熟は欠かせないだろう。また、Enterキーやカーソルキーのサイズも小さめで、半角/全角キーがESCキーの右隣に配置されるなど、配列にもクセがある。抜群の携帯性や長時間のバッテリー駆動とのトレードオフとして割り切りが必要な部分だ。
なお、Let's note LIGHTシリーズのデザイン上の特徴でもある円形のホイールパッドは、外周部にクルクルと指を滑らせることでウィンドウの縦スクロール(設定によっては横スクロールにも対応)を行える。奇抜な見た目とは裏腹に、このスクロール機能は非常に使い勝手がよく、一度操作に慣れてしまうと、一般的な長方形タッチパッドのスクロール操作がわずらわしく感じられるほどだった。
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