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» 2006年07月20日 07時50分 公開

今度の“新人”はあなどれない(前編)――実力派カラーレーザー「Dell 3110cn」 (1/2)

低価格カラーレーザープリンタ市場に、デルが新モデル「3110cn」を引っさげて参入した。9万円を切る価格でA4カラーが17枚/分、モノクロ30枚/分という性能を備えると言う。その実力の程を見ていこう。

[小川夏樹,ITmedia]

直販で8万9800円とアグレッシブな価格を実現

A4カラーレーザー機「3110cn」

 デルの純正周辺機器として、カラーレーザープリンタがいよいよ日本市場に登場した。とはいっても、同社は米国において2004年9月からカラーレーザープリンタをラインアップしており、すでに市場に参入してから2年近くのキャリアを積んでいる。

 もっとも、日本市場ではカラーレーザープリンタのメーカーが数多く存在しており、市場の構成状況は米国と大幅に異なる。例えばサムスンやレックスマークなどもカラーレーザープリンタを開発/販売しているが、日本国内ではほとんど見かけない。これらのメーカーが日本市場に積極的に参入してこないのは、市場の特殊性にあると言え、このような厳しい条件の下でいかにデルが食い込んでいけるかも注目すべき部分だろう。

 なお、同社直販サイトのSOHO/企業向けBTOメニューでは、他社製のカラーレーザープリンタ(キヤノンや富士ゼロックス、ブラザー工業など)を提供しており、そのBTOメニューに今回紹介する3110cnが加わることになる。1年間のパーツ無償保証、フリーダイヤルによるテクニカルサポート、1年間の翌営業日オンサイトサービスといったサービス込みで8万9800円という3110cnの価格設定は、かなりアグレッシブだ。

HDDは内蔵しないが高い拡張性を備える

 まずは3110cnのスペックを見てみよう。ひとことで言えば本機は半導体レーザー+乾式電子写真方式を採用したタンデム方式のA4対応カラーレーザープリンタである。C/M/Y/Bkの4色を一度に印刷するタンデム方式の特徴により、メーカー公表値でA4モノクロ30枚/分、カラー17枚/分という性能を誇る。

 印刷時の最大解像度は600dpi×600dpiだが、スムージング機能により2400dpi相当×600dpiまでの出力が可能だ。対応する用紙サイズは底面の給紙トレイでA4/B5/A5、前面のカバー内にあるマルチトレイではA4/B5/A5/レター/リーガル/封筒(洋形2、3、4号/長形3号)、はがきに加え、ユーザー設定(幅が76.2〜220ミリ、長さが98〜355.6ミリ)もサポートする。印刷可能な用紙は普通紙/再生紙/OHPフィルム/ラベル/コート紙/はがき/封筒で、給紙容量は標準で給紙トレイに250枚、マルチトレイに150枚の合計400枚となっている。後述の増設ペーパートレイを追加すれば、最大950枚まで拡張できる。

 本体に印刷処理専用のCPU(周波数は400MHz)を搭載しており、標準で128Mバイトのメモリを搭載する。サポートするメモリはDDR2 SO-DIMM(PC2-3200/PC2-4200/PC2-5300対応)で、増設用のスロット(1基)を使えば最大1152Mバイトまで増設できる。対応しているプリンタ記述言語はHPのPCL 5e/6、アドビシステムズのPostScript 3で、それぞれに対応した欧文フォントを内蔵しているが、HDDは内蔵できないため新フォントの追加や日本語フォントの増設などには対応しない。なお、消費電力は動作時420ワット、待機時95ワットだ。

給紙トレイは底面にあり、最大250枚まで用紙を収納可能だ。排紙は天面になされる
マルチトレイ(手差しトレイ)は前面のカバー内にある。ここに普通紙を150枚までセット可能だ
増設用メモリスロットは背面から簡単にアクセスできる。後述する拡張カードの増設もここから行う

黒を基調としたスクエアデザインで意外と省スペース

 本体のデザインは、直方体の角を丸くした感じで高さが約47センチある。配色は黒とダークシルバーのツートーンで、同社のPC本体のデザインをほうふつとさせ、これぞデル風味といった印象だ。本体の背が高いのはトナーの配置によるもので、本体下部から上部にかけてトナーが整然と並ぶ構造になっている。この本体にオプションで用意される「増設ペーパートレイ」(3万2500円)を装着するとさらに背が高くなり、かなり大柄なイメージを受ける。とはいえ、必要な底面積は実測で幅40センチ、奥行きが50センチ(マルチトレイを閉じた状態)程度あればよく、思いのほかコンパクトとも言える。ただ、その構造上、用紙の排出はフェイスダウンしか行えないのが残念だ。両面印刷ユニット装着時には、多少印刷時間がかかってもフェイスアップ排紙が可能な仕様にしてもらいたかった。ちなみに、本体重量は約24キロと成人男性でもずしりとくる重さである。設置場所には気を配りたい。

 同梱されるトナーはC/M/Y/Bkとも標準トナーで、下から真上に向かってY/M/C/Bkの順で装着する。カートリッジをガイドレールに従って押しこむだけという簡単さで、各トナーの装着は非常に楽である。右側面に用意されているボタンを押すと前面のカバーが手前にがばっと倒れてくる構造なので、通常時のメンテナンスはフロントオペレーションのみで行える。本体背面には、電源コードとインタフェース類、メモリや拡張スロットの増設スペースが用意されているが、これらは初期設置時か増設時のみに利用するだけであり、不便さは感じなかった。

前面
右側面
背面

4色のトナーカートリッジとフューザーを並べたところ(写真=左)。トナーカートリッジやフューザーの着脱、紙詰まりの処理はすべて前面から行える(写真=右)。前面のカバーはボタン操作だけで簡単に開けられるが、前方に60センチほどの空きスペースが必要だ

インタフェースはシンプルだが多彩なオプションを用意

 標準で用意されるインタフェースはUSB 2.0、パラレル(IEEE1284)、100BASE-TX/10BASE-Tの有線LANで、PCと複数の接続方法が選択できるようになっている。また、無線LAN(IEEE802.11g/b)に対応するオプションの「無線アダプタ付きマルチプロトコルカード」(2万円)を追加すれば、想定されるほとんどの接続インタフェースに対応させることが可能だ。このマルチプロトコルカードはIPP、SMB、IPX/SPX、AppleTalk、Bonjour(Multicast DNS)の各プロトコルをサポートする。

 また「自働両面印刷ユニット」(4万円)や550枚の給紙が可能な「増設ペーパートレイ」(3万2500円)、大容量トナーカートリッジ(CMYが2万2800円、Bkのみ1万2980円)とオプション類も数多く用意されている。ビジネス向けだけあって対応OSも豊富だ。Windows系OSではWindows XP(SP1以降)、Windows XP Professional x64 Edition/Windows NT4.0(SP6a)/Windows 2000(SP2以降)/Windows Server 2003(SP1)、Windows Server 2003 x64 Editionsに対応しており、LinuxではRed Hat Linux 8/9、Novell SuSE Linux 9、Turbolinux 10、UNIXではSolaris 10とHP-UX 11i、さらにはMac OS Xまでと幅広い。今後の予定としては、Windows Vista用ドライバも提供される予定だ。

別売のIEEE802.11g/bに準拠したUSB接続の無線アダプタとマルチプロトコルカードのセット(2万円)
オプションの無線アダプタ付きマルチプロトコルカードを本体に取りつけたところ
本体内部のベルトユニット内に取りつけるオプションの自動両面印刷ユニット(4万円)

550枚の用紙を収納可能なオプションの増設ペーパートレイ(3万2500円)。本体底面に装着する
増設ペーパートレイを本体に取りつけたところ。2つの給紙トレイで800枚の給紙が可能だ
用紙によっては背面のトレイカバーをスライドさせる必要がある。最長10センチほど出っ張る

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