心霊現象とITの関係(2/2 ページ)

» 2006年09月07日 10時45分 公開
[後藤治,ITmedia]
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生身の人間が怖い

「今どこ? ああ、別の場所に移動したんですよ」

 どうやらこの人たちは確率変動でジャックポットばりに“アレな現象”が起こる場所に記者ひとりを置き去りにしたらしい。怖い、生身の人間のほうが怖い。非道な仕打ちにちょっと涙ぐみながら、三脚とカメラを抱えて電話の声を頼りに走り出す。

「そう、そこの角を右、はい、そこでまっすぐ」

 まるでニュー●イプのように的確な電話ナビゲーションのおかげで無事にみんなと合流、次の実験場所である某神社へ向かう。しかし、オレンジ色のつなぎを着た堤会長を筆頭に、10名ほどの集団がぞろぞろと歩く姿はかなり目立つ。夜とはいっても国道沿い、信号待ちの車内から不思議そうにこちらを覗く視線が痛い。先ほど感じた安堵感はすっかり忘れ、はぐれないように集団を視界の端に入れながら、少し離れた場所をついていくのだった。

移動を開始する参加者たち。かなり異様だ

 次に訪れたのは都内某所の神社――神社というのは“霊的”に清められた空間であるらしい。そもそも記者は“霊的”の意味さえよく分かっていないのだが、とにかく安心っぽい場所と考えておけばよさそうだ。不思議とカメラもここでは普通に使用できる。そこでさっそくばけたんストラップを使った評価実験が開始された。

都内の某神社では青く光るパターンが1番多かった。今までの“ばけたん”の傾向を見る限り、インジケータがいっせいに同じ反応を示すのは土地固有の特性に関係しているようだ

 その結果、確かにインジケータは“守り神”の出現を示す青が圧倒的に多かった。ただし“守り神”が何から守ってくれているのかまでは分からないうえに、得体の知れない現象が起きているという点で見れば、赤も青も同じなのだ。

 もっとも、突然夜中に現れた訪問者たちを分け隔てなく“守って”くれるなんて、ちょっといいヤツには違いない、と思いたい。ほっと胸をなで下ろすと同時に、冒頭のインパクトが強すぎてやや拍子抜けの感もある。参加者も同じように感じていたのか、好き勝手に境内を探索し、思い思いに“ばけたん”をかざしはじめた。

 「まあでも、きちんと祭られているのに赤が出たらまずいっすよね」

 誰かがそう言いながら“ばけたん”を鳥居に向けたとき、インジケータが赤く光るのを記者は見逃さなかった。参加者の不用意な発言に“守り神さま”がお怒りになった可能性もある。散らばっていた参加者は「赤」の声に警戒したのか、なんとなく一カ所に集まってきた。

 すると堤会長がゴーストハンターズの7つ道具から、ガイガーカウンターのような装置を取り出し、境内を捜索し始めた。その原理については、うんうんと頷きながら実は聞いていなかったので詳細はおろか概要すらも不明だが、空間に何か特異点が発生すると検知できる装置と言っていたような気がする。具体的には、装置をかざす位置によってカウンターから聞こえる音のボリュームと周波数が変わっていき、“何かありそう”な場所に到達するとかなり大きめのノイズを立てる。ピーガー…キュィーン、ガッガガッ……ちょっと近所迷惑だ。

 しかしそんな記者の心配を尻目に、堤会長はやっと見せ場が来たという感じでカウンターを片手に動き回る。その非常に俊敏な動きはまるで酔拳の演舞、見えない何かと格闘しているようだ。やはりただ者ではない。

クライマックスで堤会長が見せたフットワーク。その華麗な足運びは、一子相伝の暗殺拳を習得した者のようにも、たんに酔っぱらいのようにも見える

ところで“ばけたん”の性能は?

 今回の実験結果を見ると、ばけたんストラップが示す反応には何らかの意味があると言えそうだ。イベントに参加した人たちは移動中も“ばけたん”を試していたが、たいてい出てくるのは中間の3色がほとんど。限られた時間内の実験ではあるものの、場所によって青と赤できれいに分かれたのは、2つのスポットだけだった。

 もちろん、使う人によって結果が違う、同じ場所でもタイミングしだいで結果が変わる、同じ場所で2つのばけたんストラップを同時に試しても別の結果になってしまうなど、これって単純に乱数の結果じゃないのか?と思いたくなる場面もあったが、それでは説明できないこともあるような気がしないでもない。ITの力によっておばか おばけの世界を垣間見たのだ。

 今回のイベントでは、一般参加者の撮影した画像に何か得体の知れない光が写っているというハプニングも発生。「うおお、なんだこれ?」「写ってる、写ってるよ!」と即席で生まれた連帯感とともにみなで液晶画面をのぞき込む中、専門家の堤氏が「親指がフラッシュに反射してるんですね」と場の空気を完全に無視した冷静な評価を下すなど、一部ぐだぐだになりながらも盛況のうちに幕を閉じたのだった。

(とにかく無事に終わった……)

 しかしその時、憔悴しきった記者の耳に信じられない言葉が響いた。

河原社長 「じゃ、飲みに行くか」

―― ……は?

河原社長 「飲みに行くでしょ?」

(えー、マジで?)

 というわけでこの記事はまだ続きます。ほんと、勘弁してください。

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