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» 2006年09月15日 16時45分 公開

イマドキのイタモノ:GeForce 7950 GTは“GTX”を脅かせるか?

「GeForce 7950 GT」搭載グラフィックスカードがこの週末に登場。4万円台という悩める価格帯のGPU、はたして「上の下」なのか、それとも「中の上」なのだろうか。

[長浜和也,ITmedia]

 先日NVIDIAが発表したGeForce 7シリーズの新しいGPU「GeForce 7950 GT」が15日から出荷を開始する。この週末には日本のパーツショップでも姿を見ることになるだろう。すでにレビューを紹介しているGeForce 7900 GSは2万円後半から3万円弱というやや高めのミドルレンジGPUという位置付けであるが、GeForce 7950 GTを搭載するグラフィックスカードは、こちらにあるように、4万円前後という実売価格が予告されている製品が多い。

 GeForce 7950 GTはGeForce 7900 GTと同じミドルレンジとハイエンドのラインアップの狭間を埋めることになる。NVIDIAの説明ではGeForce 7950 GTの登場にあわせてGeForce 7900 GTの生産を終了することになっているので、程なく、NVIDIA製GPUのラインアップは「GeFore 7900 GTX」→「GeForce 7950 GT」→「GeForce 7900 GS」→「GeForce 7600 GT」……と並ぶことになる。従来よりグラフィックスカード販売のボリュームゾーンは最上位モデルの6万円超級と2万円台半ば級に集約されている。実売価格4万円級のGeForce 7950 GTの登場によって、この「二極構造」に変化は起こるのだろうか。

 GeForce 7900 GSはGeForce 7600 GTをわずかに超える2万円台後半という実売価格ながら、そのパフォーマンスは4万円台のGeForce 7800 GTを上回り、GeForce 7900 GTに迫る勢いであった。この飛びぬけたコストパフォーマンスがユーザーから支持され、ミドルレンジGPUのボリュームゾーンはやや3万円寄りにシフトすると見られている。

 GeForce 7950 GTはその定格動作におけるスペックを見る限り、GeForce 7900 GTXとGeForce 7900 GSのちょうど中間となるクロックに設定されている。実際に発揮されるパフォーマンスがGeForce 7900 GTXに迫るようなことがあれば、ハイエンドラインアップにおいてGeForce 7900 GSのような立場になりうるかもしれない。

 今回、GeForce 7950 GTのパフォーマンスを測定するにあたって、GeForce 7900 GSのレビューと同様に XFXのオーバークロックバージョン「XFX GeForce 7950 GT 512MB DDR3 HDCP ExTreme」を取り上げる。GeForce 7950 GTの定格動作がコアクロック550MHzメモリクロック700MHzのところを、このグラフィックスカードはコアクロック570MHzメモリクロック750MHzに上げている。それ以外にもハイエンドクラスのオーバークロックバージョンにもかかわらず「ファンレス」構造を採用するなど、実に攻撃的なスペックを有する製品となっている。

 この過激なGeForce 7950 GT搭載カードがGeForce 7900 GTXの性能にどれだけ迫ることができるのか。定番ベンチマークで測定した結果から考えてみよう。今回は、GeForce 7900 GTX搭載のリファレンスカードとGeForce 7900 GSのオーバークロックカードとしてすでにレビューした「XFX GeForce 7900 GS 480M Extreme」のベンチマーク結果を並べ、XFX GeForce 7950 GT 512MB DDR3 HDCP ExTremeによってオーバークロックされたGeForce 7950 GTのパフォーマンスがどちらにより近いのかを見てみたい。

 評価用のシステムはいつものようにAthlon 64 FX-60とnForce 4 SLIを基幹とした構成にしている。グラフィックスカードに適用したForceWareはGeForce 7950 GTとGeForce 7900 GTXが「91.47」を、GeForce 7900 GSのみ「91.45」を使っている。

基板サイズは200×100ミリ。表側のヒートシンクも高さ14ミリ。ただし、ヒートパイプで連結したフィン上のクーラーユニットがカードのサイズを大きく見せている
ヒートシンクのはみ出しは26ミリで高さは35ミリ。裏面はヒートシンクの横幅は80ミリほど確保されている。裏面において高さは21ミリとなる。フィンは薄くその間隔は2ミリ。枚数は36枚を数えた

ベンチマークシステム環境
CPUAthlon 64 FX-60
マザーボードASUS A8N-SLI
メモリPC3200/512MB×2ch
HDDST3160023AS
OSWindows XP Professional +SP2

3DMark06 SM2.0 Score
3DMark05 Score

3DMark03 Score
3DMark03 GT1

3DMark03 GT4
DOOM3(timedemo demo1)

3DMark06 SM2.0 Score(NVIDIA SLI構成)
3DMark05 Score(NVIDIA SLI構成)

3DMark03 Score(NVIDIA SLI構成)
3DMark03 GT1(NVIDIA SLI構成)

3DMark03 GT4(NVIDIA SLI構成)
DOOM3(timedemo demo1)(NVIDIA SLI構成)

 GeForce 7900 GTX、オーバークロックのGeForce 7950 GT、同じくオーバークロックのGeForce 7900 GSとそれぞれに単体構成とNVIDIA SLI構成でパフォーマンスを測定している。DOOM 3の最重負荷条件においてオーバークロックのGeForce 7950 GTはGeForce 7900 GTXに限りなく迫っているが、それ以外のテストでは「GTXはGTX」「GTはGT」「GSはGS」とそれぞれの価格に見合った(XFXの製品は実売価格が不明であるが、オーバークロック仕様ということで現在予告されているそれぞれ同種のGPUを搭載したグラフィックスカードの中でやや高めの価格になるものと思われる)立ち位置を占めていると見ることができる。

 GeForce 7900 GSはGeForce 7800 GTを上回り、GeForce 7900 GTに迫る勢いで「4万円台のパフォーマンスを持った3万円弱のカード」という評価を得ることができたが、GeForce 7950 GTはGeForce 7900 GTXとは明らかに異なるパフォーマンスを持った「4万円台のグラフィックスカード」といえる。クロックが上がった分だけ(それは定格動作であっても)いったんは迫られた「GS」クラスに再び差をつけることができた「GT」クラスはその価格に見合ったパフォーマンスを得ることができている。GeForce 7950 GTはまさに「NVIDIA製GPUを搭載したグラフィックスカードに4万円程度の予算を掛けられる」という、ややはっきりとした目的意識をもったユーザーにとって、有力な選択肢ということになる。

 なお、ベンチマークをひと通り走らせたのちに、オーバークロックにしてファンレスである「XFX GeForce 7950 GT 512MB DDR3 HDCP ExTreme」は触れた瞬間に思わず「叫んで」しまうほどに猛烈に熱くなっていた。ファンレスだけに熱がその場に滞留してしまうので、ケースファンは強力なものを用意したい。

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