「プリアンプ」「パワーアンプ」に思わず見える斬新な筐体──ソニー「VAIO type R master VGC-RM70DPL4」(1/3 ページ)

» 2006年10月03日 12時00分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
新しい筐体を採用したVAIO type R「VGC-RM70DPL」は24インチワイド液晶ディスプレイとセットになった店頭モデルの最上位機種だ。実売価格は約55万円になる

 2006年秋冬店頭モデルとして登場した「VGC-RM70DPL4」には「VAIO type R master」という新しい「称号」が与えられ、搭載するCPUもそれまでのPentium DからCore2 Duoに変更された。ここ数年の「R」シリーズは高度な映像編集PCという色合いが強く、ディスプレイも下位モデルのサイズのほうが大きいという逆転現象も生じていた。VGC-RM70DPL4には24インチのワイド液晶ディスプレイが組み合わされるなど、ハイエンドモデルに相応しい構成になっている。

 歴代の「R」シリーズはいわゆるタワーケースを採用し続けてきた。2004年、2005年モデルでは冷却用に大きな開口部を持つデザインを採用していたが、これもタワーケースの範疇を逸脱したものではない。発熱の大きなPentium 4、Pentium Dを効率よく冷却するための工夫を組み込んだ“苦肉の策”という感も拭えない。

 本製品では「ツインユニット・コンセプト」とソニーが呼ぶ2つに分かれた筐体に変更され、ユーザーが直接アクセスする頻度の高い機能を集約した「アクセスユニット」、マザーボードやHDDなどPCのコアとなる機能を集約した「メインユニット」に分離された。アクセスユニットを小型化することで手の届く範囲に置きやすくし、「メインユニット」を足元などに置くというスタイルが可能になる。2つのユニットを縦に並べてタワータイプにもできるし、横置きで重ねて利用することもできる。横置き状態では両ユニットの幅が430ミリと汎用AV機器のサイズと同じなので、AVラックへ収容したりほかのAV機器と重ね置きしたりすることもできる。

新しいVAIO type Rは2つの筐体ユニットで構成される。ソニーは「自由なレイアウト」を1つのメリットとしてあげていて、このような重ね横置きやツインタワーのように並べた縦置き、そして冒頭で掲載したような離した配置などが可能になっている
大柄な「メインユニット」にはCPUやマザー、HDDにグラフィックスカードといったPC本体部分が収められている
小柄な「アクセスユニット」には光学ドライブ用5インチドライブベイにメディアカード用のスロットなど、ユーザーが頻繁にアクセスするだろうインタフェースが用意されている。筐体には20キロの荷重に耐える強度を持たせていて、大型のディスプレイを上に載せることが可能

 搭載するCPUは従来のPentium DからCore2 Duoに変更されている。VAIO type R masterの上位モデルとなる本製品はCore2 Duo E6600を採用。メインメモリ1Gバイト(512Mバイト×2、デュアルチャネル)、HDDは2台の250Gバイトドライブをパフォーマンス重視のストライピング設定で出荷する。グラフィックスカードにはNVIDIAのGeFroce 7600GT(メモリ256Mバイト)を搭載。DVDスーパーマルチ機能も兼ね備えるBDドライブも組み込んでいる。これにダブルチューナーとハードウェアエンコードで2番組同時録画仕様のアナログテレビチューナーと、地上、BS、110CSに対応するデジタルチューナーを搭載。組み合わされる24インチワイドの液晶ディスプレイはフルHD表示をカバーする1920×1200ドットを表示できる。ビデオ編集に便利なジョグコントローラも付属する。

 CPUやグラフィックスカードなどは必ずしもハイエンドとは言えないが、これは店頭販売モデルとしてコストパフォーマンスも重視した結果だろう。L2キャッシュが4MバイトのCore2 Duo E6600(E6400以下はL2キャッシュ2Mバイト)、現時点でのミドルレンジGPUとしてコストパフォーマンスの高さを評価されているGeForce 7600GTを選択しているあたりは、いかにも事情通の自作PCユーザーが、「ちょいとパフォーマンス寄り」でパーツチョイスしたような雰囲気すら受ける。とにかく速い構成を望むならばVAIOオーナーメードモデルで最速のCore2 Extreme X6800も選択できる

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