インテルのアイルランドFabを“非”公式に訪れてみた元麻布春男のWatchTower(スペシャル版)(1/2 ページ)

» 2006年10月04日 08時00分 公開
[元麻布春男,ITmedia]

 この夏、筆者はアイルランドの首都ダブリンを訪れた。いろいろとスケジュールが立て込んでいる中、たまたま半日だけポッカリと自由時間が取れてしまった。アイルランドはケルト文化の伝統を持ち、多くの名所・旧跡がある。もちろん、美術館や博物館にも事欠かないのだが、筆者はまったく別のアイデアを思いついてしまった。そういえばインテルのFabがあるじゃん、と。

 以下は、筆者が半日かけてインテルの最新工場の1つであるFab 24を始めとする工場を勝手に見に行ったリポートである。注意して欲しいのは、これはインテルの工場を見学したのでもなければ、取材したのでもない、ということだ。単にひとりの旅行者として、自分で工場のある場所まで行って、外側を見て帰ってきた、ただそれだけの話である。興味のない方は、もっと有意義なページをごらんになることをお勧めする。

米国外では最大規模のアイルランド工場

 さて、インテルはアメリカのみならず、世界各地に工場を持っている。しかし、いわゆるFab(前工程の半導体工場)があるのは米国以外ではアイルランドとイスラエルだけだ。海外工場の多くは、ウェハからダイを切り出して、パッケージングを行い、検査する後工程の工場である。CPUのパッケージに書かれている国名も、後工程の工場の所在地で、中身をどこのFabで作ったのかは分からないことになっている。ここアイルランドのLeixlip(カタカナ表記としてはリークスリップが現地の発音に最も近いように思う)には、Fab 10、Fab 14、Fab 24の3つの工場、さらにFab 24の拡張であるFab 24-2があり、米国以外では最大の生産拠点となっている。

 現在Fab 10とFab 14は1つに統合され、Ireland Fab Operations(IFO)と呼ばれているようだ。生産品目は、旧Fab 14が0.18ミクロンプロセスによるPentium IIIプロセッサとPentium 4対応チップセット、旧Fab 10が0.13ミクロンプロセスによるフラッシュメモリとなっている(いずれも200ミリウェハ)。PCのCPUとしては見かけなくなったPentium IIIだが、組み込み用途などではまだ使われており、生産が続いているのだろう。

 それに比べると2004年6月に稼働したFab 24は、300ミリウェハの最新鋭工場で、90ナノメートルプロセスによりマイクロプロセッサを製造している。要するにPrescott以降のCPU(具体的な品目は明らかにされていない)を作っているというわけだ。加えて今年の6月にはFab 24に隣接する形でFab 24-2が稼働し、ここは65ナノメートルプロセスのマイクロプロセッサ工場だとされている。ひょっとすると、CoreマイクロアーキテクチャのCPUが作られているのかもしれない。いずれにしてもインテルは、どこのFabでどのCPUを作っているかは、明らかにしていない。

ギネスビールのホームタウン!? Leixlipへの道

 3つの工場棟、数え方によっては4つの工場棟があるLeixlipは、首都ダブリンから電車(Irish Rail)で約30分のところにある。世界的に有名な黒ビール「ギネス」の最初の醸造所があった場所らしい。電車以外にバス(ダブリン市内からだと66番)でも行くことができるが、電車の倍以上時間がかかるようなので、今回はパスした。LeixlipにはIrish Railの駅が2つあるが、インテルの工場に近いのはダブリンから見て奥のLeixlip Louisa Bridge駅である。

 Leixlipに向かう西郊外線(Western Suburban Service)の列車(多くはLeixlip Louisa Bridgeの次のMaynooth行き)は、ダブリン市内のConnolly駅から出発する。ダブリン市内には、ターミナル駅がほかにHeuston、Tara Street、Pearseとある。東京都内にターミナル駅が上野、東京、品川、新宿と複数あるのに似ているが、ターミナル間を結ぶ山手線に相当する電車がない(ほかの連絡交通手段はある)。Maynooth行き電車の始発となることが多いConnolly駅にまず向かう。

 駅に着いたら自動販売機で往復の切符を買い、駅員にMaynooth行き電車が何番線から出るのかを確認する。電車は近代的でエアコンも完備だ。筆者が乗車したときは、通勤の方向と逆だったせいか空いていた。時刻表はWeb上で簡単に確認できるので、事前にダブリン、Leixlip Louisa Bridge間の予定を往復とも調べて、プリントアウトしておくとよい。

ダブリン市内にあるConnolly駅のホーム(写真=左)。真新しくきれいなMaynooth行き電車の車内(写真=右)

 およそ30分ほどでLeixlip Louisa Bridgeに到着する。小さな運河沿いのひなびた駅だ。橋上の駅舎を出て右側(西)へ向かうと、すぐにインテルの工場が見えてくる。米国で見るインテルの工場(といっても、何カ所も行ったことがあるわけではないが)が、グレーの羊羹のような特徴のない建物が目立つのに対し、アイルランドの工場は薄いサーモンピンクでギリシヤ建築のような柱をアクセントにした管理棟と、エンジ色の工場棟で構成されており、ちょっぴりヨーロピアンなセンスを感じる。

Leixlip Louisa Bridge駅
Leixlip Louisa Bridge駅の表示。上に書かれているのはアイルランドのもう1つの公用語であるゲール語(アイルランド語)による表記
誇らしげにギネス発祥の地であることが書かれたLeixlipの看板

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