インテルのアイルランドFabを“非”公式に訪れてみた元麻布春男のWatchTower(スペシャル版)(2/2 ページ)

» 2006年10月04日 08時00分 公開
[元麻布春男,ITmedia]
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バス停の名はそのものズバリの“Outside Intel”

 工場は148号線の道路に長手方向を接するように立ち並んでおり、駅に一番近いところにFab 24-2がある。最大のポイントは、道路と工場の間に管理棟(IRxと呼ばれる)があり、道路から素通しで工場が丸見えにならないようになっていることだろう。道路沿いも大部分は土手で遮られており、工場の姿をクリアに見渡すことは難しい。ドレスデンにあるAMDのFab 30が周辺道路からよく見えた(少なくとも筆者が訪れた2000年当時は)のと対照的だ。

 それでも、訪問者のために用意されている案内図で、工場内のおおまかなレイアウト(建物配置)は分かった。敷地内への公式な入り口は3カ所で、レイアウト図にある中央の駐車場(Fab 10の手前)の右側がエントランス 1、その左がエントランス 2、そしてIR1の下にあるエントランス 3である。ただ、エントランス 2は入り口に植木鉢のようなものが設置してあり、自動車による入場はできないようになっていた。また、エントランス 3は工事車両用(Fab 24-2の工事はほぼ完了していたはずだが、まだ工事車両の通行があった)という色彩が強く、ほとんどの自動車がエントランス 1を使っているようだ。

駅からすぐに見えるインテルの工場。左側がIR6で、右側の煙突状のものが並んでいる建物がFab 24だ
Fab 24の前に立ちはだかるIR6。奥に見えるエンジの建物がFab 24-2だ
IR6があるおかげで、道路側からFab 24-2はこの写真程度しか見えない

メインの出入り口となっているエントランス1
エントランス 2の外側には植木鉢が並べられ、自動車の通行を遮断している
工場の西端にあるエントランス3は、工事車両通行用になっている

 面白いのは、IR6のところに小さな歩行者専用の出入り口(勝手口?)があることで、家族の車で送ってもらった社員がここから駆け込んでいく姿を見たほか、ここから出てきて道を渡ったところにあるスーパーで買い物をしている様子も見かけた。この入り口のところには守衛小屋らしき建物もあるのだが無人で、長いこと使われていない様子だった(インテルのFabができる前からあったのかもしれない)。工場の各入り口にはゲートがあるものの、基本的に無人で、チェックは建物の入り口だけで行っているようだ。

 もう1つ面白かったのは、エントランス 2の付近にあったバス停だ。前述した66番のバスが止まるバス停なのだが、その名も“Outside Intel”。スバリなネーミングだが、ちょうど“Intel Inside”の真逆なところがおかしい。

 この工場の大きさだが、複数の半導体工場を擁するだけに、なかなかのものだ。駅を降り、工場の端から歩き始めて、ときどき写真を撮りながら、レイアウト図の道路(148号線)沿いに行って戻って約1時間半ということから、だいたいの大きさを想像して欲しい。ちょうど訪れた日は30度を超える、アイルランドとしては灼熱ともいえる日で、中も見られないのにご苦労さんの1日だった。とはいえ、公式に取材をすると、こうやって敷地の周りをゴソゴソ歩き回ることもないわけで、それはそれで貴重な体験ではあった。

エントランス2からエントランス3側へちょっと行ったところにあるバス停は、その名も“Outside Intel”だ(写真=左)。エントランス1にあった工場内見取り図(写真=右)。これでおおまかな配置が分かる
左の写真はIR6につながる歩行者専用の出入り口(勝手口か?)。その勝手口を出て道路を渡ったところにはスーパーがある(写真=右)

元麻布春男氏のプロフィール

フリーライター。IBM PC/AT互換機以前からPCの世界に入り、さまざまなメディアでPCに関する評論やレビュー、コラムなどを執筆。とくに技術面での造詣が深く、独特の切り口による分析記事は人気が高い。


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