HDMI 1.3の画質向上技術「ディープカラー」を披露――HDMI LicensingMac Proから未知のHD映像が?!

» 2006年11月10日 20時25分 公開
[前橋豪,ITmedia]

 米HDMI Licensingは11月11日、デジタルAVインタフェース「HDMI 1.3」の技術説明会を開催。HDMI 1.3の仕様に関する説明に加えて、高画質化技術「ディープカラー」のデモンストレーションを行った。説明会の概要については既報の通りだ。ここでは、PC市場におけるHDMI採用の動向と、Mac Proを使って実施されたディープカラーのデモについて紹介しよう。

PC市場でHDMIの採用が進んでいることをアピール

 米Silicon Imageの戦略的事業開発部門で総括責任者を務めるブレット・ゲインズ氏は、HDMIの市場概況について触れ、その中でPC分野にも言及した。2006年以降、HDMIを搭載したPCおよび周辺機器は増えつつあり、2007年以降はBlu-ray Discドライブ、HD DVDドライブが普及することで、よりHDMI対応製品の出荷数が伸びると予測。2007年にはHDMI 1.3をサポートしたマルチメディアディスプレイが登場し、グラフィックスカード側の対応も早急に進むと予想している。

 続いて同社プロダクトマーケティング部長であるデビット・クオ氏がHDMI 1.3でサポートする高画質化技術「ディープカラー」の説明とデモを行った。ディープカラーとは、現状の各色8ビットを超える10/12/16ビットのカラー階調(RGBまたはYCbCr)に対応することで、現行の約1677万色から数十億色まで表現可能な色数を増やし、自然なグラデーションや実際の色彩に近いイメージを表現する技術だ。約1677万色表示では微妙な階調の差が帯状のノイズとして現れるのに対して、ディープカラーではこうしたノイズが発生しないという。

 ディープカラーのデモは、2台の1920×1200ドット対応24インチワイド液晶ディスプレイ、Mac Pro、2台のFireWire接続HDDを使って行われた。液晶ディスプレイは一方がデルの各色8ビット対応民生用製品「2407WFP」、もう一方がCine-talの各色10ビット対応業務用製品「Cinemage 2122」。デモの内容は、これら2台の液晶ディスプレイに同じ映像を表示させて、8ビット環境と10ビット環境の画質の差を横並びで比較するというものだ。

 映像ソースはRAID 0構成のFireWire接続HDDに記録されており、Mac Proを経由してCinemage 2122に映像を入力していた。Cinemage 2122との接続インタフェースは、ハイビジョン放送用のデュアルリンクHD-SDIだ。そして、Cinemage 2122のDVIスルー出力経由で2407WFPに映像を表示した。つまり、今回のデモにはHDMI端子が使われていない。あくまで多階調化の効果をチェックするデモとなっている。

 実際の映像を見てみると、10ビット環境のほうがグラデーションが自然で、ディテールをはっきりと判別できた。ハイライトからシャドウまでの階調が大幅に増えたため、最初の印象はコントラストが低めで、メリハリに欠けるように感じるが、8ビット環境ではつぶれている暗部の階調を難なく再現できている。民生機と業務機での画質比較という点を考慮する必要はあるが、Deep Colorが実現する高画質の一端を垣間見たデモだった。ディープカラーの恩恵を受けるには、8ビット超の映像コンテンツと再生環境が必要になるが、環境整備は進んでおり、まずはゲームコンテンツから普及すると予測している。

テスト環境を示すスライド。デモ用の映像は、グラデーションパターンのほか、ソニーの「HDC-F950」で撮影したものを使用した(写真=左)。映像の出力はスライド中のPCとは異なり、Mac Proで行われた(写真=右)
左の製品が10ビット対応のCinemage 2122、右の製品が8ビット対応の2407WFP。2407WFPはグラデーションでマッハバンドが発生しやすい傾向があるため、あまり参考にならないかもしれないが、Cinemage 2122のグラデーションは確かに自然だ(写真=左)。動画を表示させた例でも、Cinemage 2122は豊かな階調性を実現している(写真=右)

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