ベストセラーとなったMacBookが、インテルの最新64ビットCPU「Intel Core 2 Duo」を搭載して生まれ変わった。見た目はほぼ従来通りで、やや新鮮味に欠けるところが玉にキズだが、最新CPUの搭載により、旧モデルで提供した“極めて高いバリュー”という魅力を、色あせる寸前にアップデートしたのが本製品の特徴である。なお、ラインアップのうち上位2モデルは、スペックを大幅に強化しながら従来と同じ価格で提供されている。
大きな注目を集めるこの製品、まずは旧モデルとの「差分」チェックから始めよう。
性能は旧MacBookと比べて25%高速。例えばアップルの新しい写真管理ツール、ApertureでもRAW形式の写真データの表示が25%速くなるという。これまで4枚写真を取り込むのに要していた時間で5枚の写真を取り込める計算だ。このレベルの違いは感じとるのはなかなか難しそうだが、新旧モデルを並べて同じ処理をさせてみると違いは一目瞭然である。また、Apertureの動作対象機から外れている旧iBookや12インチのPowerBook G4と比べると、基本性能は6倍も高速で、この違いは十分に体感できる。
実際、いくつかの定番ソフトを使ってベンチマークテストを行ったが、結果はアップルの宣伝をほぼ裏付ける結果となり、MacBook Proに次ぐ高い性能を示すことがわかった。
MacBookと、プロ用製品と言われるMacBook Proを隔てているのは、製品の外観とCPU速度、そして専用ビデオチップの有無だ。コンシューマ向けのMacBookは、グラフィックス機能がチップセット内蔵のIntel GMA 950。このため大きな負荷がかかるビデオ処理や3D処理は遅いと言われている。
ただし、Macでグラフィック描画を司るQuartz技術を使ったテストでは、それほど劇的な差はなく、1年前までプロ用製品だったPowerBook G4を上回る描画性能を示している。
なお、同じXbenchのテストでは、四角いオブジェクトを回転させるOpenGLグラフィックのテストでMacBook Proを上回る性能を発揮してしまったが、この理由は定かではない(なぜか旧MacBookもそうだった)。
一般的な利用でもiMovie HDやiDVDなどiLife系ソフトを使ったビデオ編集では、それほど負荷を感じることはない。統合型ビデオチップ採用のMacBookと専用ビデオチップ搭載のMacBook Proの差がまず出るのは、Final Cut ProやMotionといったプロ用ビデオ編集ソフトでの話で、これらのソフトはMacBookを対象機種から外している。
またBootcampを使ってWindows XPで起動し、Direct X系の3Dゲームをプレイした場合にも如実な違いが出る。
Bootcampで動くWindows XPから実行したVana'diel Bench 3(FFベンチ)の結果は高解像度テストで2428。このクラスのノートPCとして決して低い結果ではないが、3Dゲームがフル解像度で快適に楽しめる速度でもない。掲載したグラフではMacBook Proとの差はわずかに見えるが、MacBook Proでは滑らかだったキャラクターの動きが、新MacBookでは十分なフレームレートが出ずにカクカクしてしまう。Macユーザーで、Intel Mac購入ついでにWindows用3Dゲームも楽しみたいと考えていた人は、どうやらMacBook Proにしたほうがいいようだ。
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