NVIDIAのハイエンドGPUシリーズ「GeForce 8800」の発表に合わせて、11月9日の朝から、PCパーツショップには各ベンダーの新しいハイエンドグラフィックスカードが並んだ。初日に登場したカードはすべてリファレンス仕様で、上位の「8800 GTX」を搭載したカードは、8万円台で出回っている。下位の「8800 GTS」搭載カードは6万円から7万円弱。
GeForce 8800はNVIDIAによる情報管理が非常に厳しかったようで、発表前にアキバで噂が飛び交うことはほとんどなかった。それでも、ハイエンド志向のユーザーは、海外サイトから断片的な情報を仕入れて、開店前のショップに行列を作っていた。当日に売り切れが続出するなど、上々の滑り出しに見えるが、某ショップの店員は「一部の人は、どんなに高額でも最強モデルが登場すれば即入手します。本日もSLIを構築するために2枚購入した人がいました。ただ、初回の勢いだけで人気が終わりそうで心配です」と冷めた視点で語る。
GeForce 8800は7900シリーズ飛躍的な性能アップを遂げたぶん、消費電力も跳ね上がっている。8800GTX搭載カードは、補助電源コネクタを2基備えており、推奨の電源容量も1枚で600ワット、SLI構築時に800ワット以上(GALAXYによる)。「SLIを構築するなら、ほとんどのユーザーが電源も買い換える必要が出るでしょう。800ワット級になると4万円以上します。2枚のカードと合わせて20万円以上。そう簡単には手がでません」(高速電脳)という発言をいくつかのショップで耳にした。
11月後半になると、下位の8800 GTSのほうが好調に売れているという話はよく聞くようになった。「日本の一般的なゲームユーザーが高性能をめざすなら、8800 GTSを1枚買うだけで十分でしょう。当初から予想していましたが、GeForce 8800 GTXは“高嶺の花”扱いで、7900 GTXの時より手を出す人が少なくなっていますね」(某ショップ)という。
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