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» 2006年12月15日 20時04分 公開

性能、機能、使い勝手を検証:最強はどれ? 2007年版セキュリティソフト徹底比較(後編) (3/3)

[瓜生聖,ITmedia]
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SPAMメールの検知精度と処理時間を検証

 電子メールは便利な半面、メールアドレスがいったんSPAM業者のリストに登録されるようなことになれば、逃れたくても逃れられなくなる一面も持っている。1度でもSPAMメールが届けばその頻度は次第に増していき、該当するメールアドレスを捨てない限りは延々とSPAMに悩まされることも多い。気にしなければ問題ないという声もあるが、その量が膨大になってくると仕分けだけでもかなりの手間がかかるし、重要なメールが埋もれてしまう可能性も高い。また、SPAMメールに記述されたURLをうっかりクリックして、フィッシング詐欺などの危険なサイトに誘導されてしまう場合もある。同じメールアドレスを長く使っている人ほどSPAM対策は重要だ。

 ここでは数日間収集した4000通/約72Mバイト分のメールを各セキュリティソフトの迷惑メール対策を有効にした状態でOutlook Expressで受信し、その正確さと所要時間を調べた。SPAM判定の設定は初期設定のまま、ホワイトリストは未登録の状態でテストを行っている。SPAMメールの検知はユーザーの環境によって精度を高めていく側面もあるので、1つのめやすとして考えてほしい。ただし、デフォルトの状態で高い検知精度を持つほうが望ましいことは言うまでもない。

 なお、評価に使用したメールの中には不正なユーザ宛のメールなども含まれている。このようなメールは差出人が詐称されて発信されたメールが宛先不在のために送り返されたものであることが多く、内容自体はSPAMに分類されるがメール自体はSPAMではないとも言える。そのため、このようなメールに関してはSPAM、SPAMではない、のどちらも正しいとした。また、誤検知率については、検体の収集を筆者個人の環境で行ったため、仕事上の他言語のメールやSPAMと判定されやすいメーリングリスト、ログメールなどが多く含まれており、一般ユーザーよりもやや厳しい環境となっている。

SPAMチェックの処理時間(画面=左)。SPAM検出率(画面=中央)。SPAM誤検出率(画面=右)

 結果は速度、検出率の高さ、誤検出率の低さすべてにおいてウイルスバスターの圧勝だった。CA2007については何度試しても途中で停止してしまい、最後まで完遂できなかったため結果からは除外している。なお、NOD32はもともとSPAM対策機能がない。

価格比較

 各製品を1台〜5台のPCで利用したときの1ライセンスあたりの単価を比較した。乗り換えキャンペーンやアップグレードなどは対象としていない。なお、価格はすべて税込みで小数点以下を切り捨てている(単位:円)。

CA2007ノートン2007マカフィー2007NOD32ウイルスバスター2007カスペルスキー6.0
1ライセンス428063005775400047258900
2ライセンス@2490@5565@3750@3600@2362@8900
3ライセンス@1660@3710@2500@3466@1575@8900
4ライセンス@2315@4357@3318@3400@2362@8900
5ライセンス@1992@4347@3000@3360@1890@8900

 1台ではNOD32がもっとも安価だが、NOD32は統合セキュリティソフトではないため、少し公正さに欠ける。次点はCA2007で、最も高価なカスペルスキー6.0の半額以下となっている。ウイルスバスター2007は、1シリアルで3台までインストール可能なため、複数台で利用するときの価格の安さは突出しており、単体でもお得感がある。

2007年版セキュリティソフト総括

 なお、今回はウイルスの検出率についてはテストを行っていない。これは対象となるウイルスの検体によって差が生じること、パターンファイルの更新によって追試が意味をなさないこと、パターンファイルによる既知のウイルスの検出よりも、ヒューリスティック機能による未知のウイルス検出が強力な製品のアドバンテージが表れにくいことなどを考慮したためだ。

 もっとも、ウイルス検出率調査はさまざまな第三者機関で実施されており、その結果は前編でも述べたとおり、90%以上の検出率を誇る定番グループが数%の差ででせめぎあい、そこからかなり離れて60%程度の検出率の低価格グループがひしめき合うという傾向になっている。ただ、低価格グループは導入コストだけでなく、チェックするシグネチャが少ないためにシステムへの負荷も低いというメリットもある。リスクを自覚したうえであれば、このような低価格製品も1つの選択肢ではある。

総合力の高さが光る「ウイルスバスター2007 トレンドフレックスセキュリティ」

 さて、全体を通して目を引いたのがNOD32の動作の軽さ、そしてウイルスバスター2007の総合力の高さだ。NOD32は1本ですべてをカバーできる総合セキュリティスイートではないため初心者におすすめしづらいが、やや古めのノートPCにセキュリティソフトを導入するさいには魅力的な選択肢の1つと言える。

 一方、ウイルスバスター2007は機能も豊富で、自宅に複数のPCがある場合は価格的なメリットも大きい。もちろん、ユニークな機能が多い(そして使っていて楽しい)マカフィー2007や、巨大なバックボーンに支えられたシマンテックのノートン2007、細かいセキュリティ設定が可能な上級者向けのカスペルスキー6.0と、それぞれ数値では見えないよさがある。自分の利用スタイルにマッチしたソフトを選んでほしい。

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