これでBTO可能なコアコンポーネントには一通り触れたので、試用機の性能をチェックしていこう。試用機の構成はCore 2 Duo E6700、メモリ2Gバイト(1GB×2)、ATI RADEON X1950(512Mバイト)、500Gバイト HDD、DVDスーパーマルチドライブで、超ハイエンドとまではいかないまでも、かなりパフォーマンス志向の構成だ。また比較用にNVIDIA GeForce 7300GS(256Mバイト)も利用している。
まず「Windows エクスペリエンス インデックス」でチェックすると、すべてのスコアが5を越え、もっとも低いメモリでも5.1、グラフィックスにいたっては現時点で満点と言われている5.9となった。Vistaをきわめて快適に利用できる構成であることが分かる。
実際、デスクトップ操作になんらストレスはないし、1680×1050ドット、1280×768ドットのデュアルディスプレイ環境で、片方の画面ではWindows Media Videoのハイビジョン動画、もう片方の画面でQuickTimeのハイビジョン動画(H.264)を同時にフルスクリーン再生してもまったく問題はなかった(こんな使い方をする人かどうかはともかく)。もちろん、再生をウインドウ表示にしてデスクトップ上で振り回してもコマ落ちも描画の遅れもない。
参考としてグラフィックスカードをNVIDIA GeForce 7300GSに交換するとグラフィックスのスコアが3.6、ゲーム用グラフィックスが3.1まで下がった。ただし、こちらも通常のデスクトップ操作であればストレスを感じることはないし、この点は1680×1050ドット、1280×768ドットでデュアルディスプレイ環境下でも同様だ。しかし先ほどと同じようにデュアルディスプレイ構成でハイビジョン動画の同時再生を行うと、両方で明らかなコマ落ちが発生し、場合によってはQuickTime側の動画更新が行われなくなったりした。
CPU使用率を見る限りではまだ余裕はありそうだが、描画が間に合わずに動画のフレームレートが低下している分、CPUが休んでいるだけという印象だ。Flip 3Dでも動作が緩慢になり、サムネイル内での動画再生が途切れたり、サムネイルが化けたりしている。
ちなみにIE7を10ウインドウ開き、さらにWindows Media PlayerとQuickTimeでハイビジョン動画を再生したままFlip 3Dを10周させると約24秒となり、同条件でビデオカードがATI RADEON X1950 512MBの場合は約20秒なので、これは目に見えて分かる違いだ。もちろんブラウジングやオフィススイートなどを利用する限り、NVIDIA GeForce 7300GSでもそうそう不満は出ないと思われるが、「快適」を求めるならやはり現状のローエンドは避け、ミドルレンジ以上のグラフィックスカードが欲しい。描画性能の影響がVistaではゲームソフトや3Dレンダリング利用だけでなくなったことを象徴している。
HDDはシングル構成でもVistaだからといって特に不満は感じなかった。ただしシングル構成と同じ500Gバイト HDDを2台にしてRAID 0で利用すると、Vistaが起動して最初に画面表示が始まってデスクトップが表示されるまでの所要時間は、シングル構成の約20秒に対して約14秒と目に見えて高速化された。また「Windows エクスペリエンス インデックス」ではRAID 0構成ではHDDが5.9と、現時点で最高のスコアになった。BTOでも500Gバイト HDD×1の構成よりも250GB HDD×2のほうが低価格なので、とにかくトータルでVistaを快適に使いたいと考えているのなら積極的にRAIDも利用したい。
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