第1回 小型フォトプリンタの最新モデルをチェックする:小型フォトプリンタ徹底攻略ガイド(1/2 ページ)

» 2007年02月19日 17時00分 公開
[小川夏樹,ITmedia]

新しい局面を迎えた小型フォトプリンタ

現在の小型フォトプリンタ人気に火をつけたColorio me E-100

 小型フォトプリンタというカテゴリーは、プリンタの主力が複合機へとシフトしたのと時期を同じくして徐々に盛り上がってきたと言える。ここ2年ほどは各社がこのカテゴリーに本腰を入れ始めるとともに、ユーザーの注目度も上がってきている。

 現在に続く、小型フォトプリンタの潮流は2004年にまでさかのぼる。エプソンが女性でも使いやすいプリンタを作るための女性による社内プロジェクト「Team8」を立ち上げ、リビングにもキッチンにも置ける、コンパクトで手軽なダイレクトプリンタとして初代Colorio me E-100を投入し、それをきっかけにインクジェットの小型フォトプリンタが一般ユーザーにも広く認知され始めた。

 もちろん小型フォトプリンタ(と言える)製品はそれ以前から存在していた。しかし、ほとんどが印刷方式に昇華型熱転写を採用したプリンタで、インクとカセット(専用の用紙)が一体型となったカートリッジ方式を使ったニッチな市場だった。用紙も限定され、機能や使い勝手も今ひとつだった昇華型熱転写プリンタに対し、印刷方式をインクジェットにして用紙もL判や2L判に加え、はがきをサポートすることで活用の幅が広がった。PictBridgeや豊富なメモリカードスロットへの対応、全面フチなし印刷のサポートといった使い勝手の向上も大きく貢献したと言える。

 ここ2〜3年は、小型フォトプリンタのラインアップが各社とも増加傾向にあり、プリンタというカテゴリーの中でも今後の発展が期待できる分野へと成長した。ユーザーもPCに詳しくない層へ着実に広がっており、まさに2006〜2007年の小型フォトプリンタ市場は、新たな局面を迎えたと言えるだろう。

製品数の増加とともに多機能化する小型フォトプリンタ

新たにPIXUSブランドの名を冠して登場したキヤノンのmini 260

 インクジェット方式を採用したとはいえ、小型フォトプリンタは以前に特集した複合機や単機能プリンタと比べると、どうしても用途が限られる。具体的には写真印刷と写真付きはがきの印刷、フォトシールの作成など、いわゆる“おうちプリント”に目的を絞った製品だ。L判や2L判の写真印刷や年賀状/暑中見舞いのはがき作成でPCから印刷したり、各種メモリカードから写真やはがきをダイレクトに印刷できればよいと考えるお手軽派ユーザーにはうってつけのプリンタとなる。

 また、何と言っても小型フォトプリンタは小型/軽量であるという部分が大きなアドバンテージだ。前述の複合機や単機能プリンタと異なり、利用したいときにさっと出し、使い終わったら片づけるといった使い方が可能だ。製品の中にはオプションによるバッテリー駆動をサポートしており、デジカメや携帯電話と小型フォトプリンタを持ち歩くことで、撮影したその場でプリントするといった芸当も行える。

 製品ラインアップの面では、2006年にキヤノンが熱昇華型印刷方式を採用したSELPHYシリーズに加えて、インクジェット方式の新ブランド「mini」シリーズを立ち上げた。上位モデルのmini 260は、複合機で導入されたばかりの新ユーザーインタフェース「Easy-Scroll Wheel」を搭載し、4色染料の新インクタンク(最小1ピコリットル)を備えたのも目を引く。一方のエプソンもフルモデルチェンジがなされ、DVD-ROM/CD-RWのコンボドライブを内蔵してPCを介さずに撮影データのバックアップを実現した上位モデルE-700を投入し、日本ヒューレット・パッカード(日本HP)も3色染料の新インクタンクと用紙(新アドバンスフォト用紙)を採用するなど、各社とも力のいれ具合がうかがえる。


 ここからは、エプソン、キヤノン、日本HP各社の最新ラインアップを見ていこう。

デザインと機能の両面で強化を果たした「Colorio me」シリーズ──エプソン

 前述のように、エプソンのColorio meシリーズはインクジェット方式の小型フォトプリンタの先駆けだ。2004年にColorio me E-100が初投入されてから、以降、E-200/E-150とラインアップを拡大してきたが、2006年で第3世代の製品となる。

 最新モデルのラインアップは上位からE-700/E-500/E-300で構成され、今年はデザインをロンドンのIndustrial Facilityとのコラボレーションに変更し、未使用時はプリンタとは思えない外観を獲得した。また、機能的には全モデルがメモリカードスロットを標準で備えるほか、進化したEPSON Colorに対応することでPCレス印刷時でも「オートフォトファイン!EX」を利用した出力が可能になった。さらに上位2モデルでは新画像エンジン「REALOID」の搭載や、新プリントエンジン「Advanced-MSDT」(※最少2ピコリットル)をサポートするなど、最新技術を投入した主力の複合機に併せた強化が行われているのも見逃せない。

 最上位モデルのE-700は、スロットインタイプのコンボドライブを内蔵しており、写真やはがき印刷だけでなく、PCを使わずに撮影データのバックアップや読み出しを実現したのがトピックだ。E-700とE-500の上位2モデルでは、オプションでリチウムイオンバッテリー(実売6000円前後)が用意され、これを装着することで出先での写真出力といった使い方も可能だ。

 なお、インクは従来の顔料6色(E-200)と染料4色(E-150)という組み合わせから、全モデルで4色の染料系PM-G一体型インクに共通化され、画質や耐候性を高めた「つよインク200」に対応した。また、用紙はL判に加え、L判より約37%面積を広げたKGサイズ(152×102ミリ)や、16:9のワイドな同社の「写真用紙<光沢>ハイビジョンサイズ」がサポート対象となり、印刷の幅が広がっている。

 ラインアップは最新技術を投入したE-700/E-500と、エントリーモデルE-300という構成で、E-700とE-500の違いは内蔵コンボドライブの有無(とそれに伴うボディサイズの違い)のみだ。

左から、コンボドライブを内蔵したE-700、E-700からコンボドライブを省いたE-500、そしてエントリーモデルのE-300

エプソンの小型フォトプリンタ一覧
モデル名 E-700 E-500 E-300
Epson Color ○ ○ ○
REALOID ○ ○ ×
インク 染料4色 染料4色 染料4色
最小インク滴 2ピコ 2ピコ 3ピコ
最大解像度 5760×1440dpi 5760×1440dpi 5760×720dpi
L判最速印刷 35秒 35秒 41秒
L判1枚コスト 16.2円 16.2円 16.8円
液晶モニタ 2.5インチ 2.5インチ 2.0インチ
コンボドライブ ○ × ×
メモリカードリーダ ○ ○ ○
PictBridge ○ ○ ○
バッテリー駆動 ○ ○ ×
実売価格 3万2000円前後 2万5000円前後 1万8000円前後
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