今週の金曜日、USER'S SIDE秋葉原本店の入り口付近にPCゲーム体験コーナーが完成した。ジョイスティックやゲーミングマウスで、気軽に3Dグラフィックスの世界に触れられる。試験的な企画としていたため、いずれ規模や場所が変わる可能性も高いが、ゲーム機の背後に設けられたPCソフトの販売コーナーには要注目だ。同ショップはゲーム向け入力デバイスを古くから扱っているものの、本格的にソフトを提供するのは今回が初めて。本腰を入れて、PCゲームの販売を開始したようだ。
店員さんは「いちからの参入になりますが、ウチ(Grow UP Japan)は米国に支社があるので、洋モノゲームの仕入れには自信を持っています」と話す。
2004年からPCゲームを扱っているパソコンショップ・アークは、USER'S SIDE秋葉原本店の戦略を(少なくとも外見上では)歓迎しながら、「あそこなら上手くやるでしょう」と太鼓判を押す。PCゲームは、人気の高いタイトルの大多数が米国製。同国からの仕入れルートが重要な鍵となるが、国内の市場は小さく、PCパーツのように国内代理店がほとんどない。現在は、ショップが独自に並行輸入するしか手がないのだ。
このため「優れた選定眼と交渉力を持つ仕入れ担当が必須なうえに、他社より大きな仕入れルートを持っていないと、PCゲームの販売に乗り出すのは難しいんです」(パソコンショップ・アーク)と語る。
パソコンショップ・アークには古くから洋モノのゲームに精通した仕入れ担当がおり、ゲームソフトの販売をメインとするカオス館(元PC CHAOS)は、メッセサンオーが長年培ってきたゲーム販売のノウハウがある。その一方で、USER'S SIDE秋葉原本店は新規参入ながら、米国支社という大きな武器を持っているというわけだ。
3D描画を駆使するPCゲームは、ショップにとっては高性能なグラフィックスカードやCPUなどと組み合わせやすい魅力的な商品といえる。それにも関わらず取り扱う店舗が少数なのは、「下手に触ると火傷するハイリスク・ハイリターンなジャンル」(某ショップ)であることが大きい。しかしだからこそ、他店と差別化し“アキバで生き残る”ための1つの戦術になるのかもしれない。
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