PC-Successが突然の閉店。同ショップを運営するサクセスが31日に破産手続きの開始を申し立てる方針を発表し、2日には東京地方裁判所によって決定がなされた。
PC-Successの前には破産管財人の告示書が貼られており、終日数人の人だかりができていた。告示書を携帯電話のカメラで撮影していたある男性は「PC-Successで商品を買ったことはないけど、古くからの有名店なのでショックですね。こんなこともあるのかと驚いています」と話す。
一般の利用者にとっては寝耳に水の出来事だが、アキバのPCパーツショップの間ではサクセスの経営が危険な状態にあることは有名だったようだ。
あるショップは「2〜3年前から、サクセスの経営はヤバいという噂は流れていました。自転車操業の状態が続いており、上向きに転じる好材料は何もなかった」と話す。PC-Successは価格comの価格比較で最安値を狙う薄利多売の方針をとっており、アキバでも“激安店”として名を馳せていた。ところが「年末頃から、価格comでPC-Successの名前が(安値の)上位にリストアップされなくなってきました。この時は、経営の方向転換かと思いましたが、せっぱ詰まっていたんでしょうね」(別のショップ)という。
しかし、ある程度経営の状況を知っていたアキバのPCパーツショップも、今回のタイミングでの閉店については、予想できなかったという。ある店員さんは“突然死”と喩えた。
「おそらく、トップの人間は計画を立てていたんでしょうが、こういう場合は店舗で働く人には何も知らせない。だから、PC-Successのスタッフと話しても、破産を危惧するような雰囲気はありませんでした。そこで突然の閉店です。一番驚いているのは、店舗スタッフかもしれません」という。実際、ショップレベルではPC-Successに同情を寄せるコメントも少なくない。
批判を浴びせられているのは、当然ながら経営陣だ。
「Windows Vista発売直後のタイミングは、狙っていたとしか言いようがないですね。Vista搭載マシンなどの受注をたくさんためて、商品を発送する前に破産を申請すれば、料金は手元に残るわけですから」(某ショップ)。また、サクセスのバックには大手代理店がおり、社名やトップを変えてすぐにでも再起できるという噂もある。
一方、偶然にも同じタイミングで店を閉めることになったワンネスは、「ひどいですよね。ちゃんと閉店セールするなどして、正々堂々と終了しないと」と、ユーザーを裏切ったカタチで幕を降ろしたライバル店を非難する。
なお、ワンネスは1月31日の閉店を予定していたが、店頭在庫が残っているため、売り尽くすまで営業を延長するという。最長で2月12日まで続けるとのことなので、アキバを訪れた際は(特に“給水所”のお世話になった人は)是非立ち寄ってほしい。今までありがとうございました。
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