LCD-AD221XBはアスペクト比16:10の液晶パネルを搭載するが、1680×1050ドットを下回る解像度については、アスペクト比を無視した全画面拡大表示と、アスペクト比を維持した状態での拡大表示が選べる。1280×1024ドット(5:4)や1024×768ドット(4:3)の設定では、画面の左右に黒帯を入れて正しいアスペクト比で表示することが可能だ。低解像度表示ではシャープネスが甘くなるが、スムージングの設定は0〜5の6段階で変更できるので、映像ソースに合わせて手動で調整するとよいだろう。
ユニークなところでは、LCD-AD221XBはXbox 360の信号タイミングへの対応をうたっており、Xbox 360をVGA HD AVケーブル経由でD-Sub端子に接続できる。ただし、Xbox 360接続時に正しいアスペクト比で表示できるのは1280×1024ドットや1024×768ドットといったスクエア解像度に限られ、1280×720ドットや1360×768ドットのワイド解像度はアスペクト比を無視した全画面拡大表示になってしまう点は注意が必要だ。
また、参考までに本体のHDCP対応DVI-D端子にHDMI変換アダプタ経由でプレイステーション 3を接続してみたところ、480pと720pの信号は表示できたが、1080iと1080pは予想通り「許容範囲外」というアラートが出て表示できなかった。480pは正しいアスペクト比で表示可能だが、720pはアスペクト比を無視した全画面拡大表示となった。今回の検証では時間の都合により、プレイステーション 3上でゲームやBlu-ray Disc、DVD-Videoが正常に再生できるかどうかまでは試せなかったが、16:9のアスペクト比を正しく表示できないことから、ゲーム用ディスプレイとしては割り切りが必要となる。一方、4:3のアスペクト比で表示されるPC用のゲームなどは問題なくプレイできそうだ。
LCD-AD221XBの主な特徴は、22インチワイドの大画面、1680×1050ドットの使いやすい解像度、HDCPのサポート、ステレオスピーカーの内蔵、そして実売5万円を切る求めやすい価格設定となる。コストパフォーマンスの高いディスプレイを購入したいと考える幅広いユーザーに強くアピールできるに違いない。
TN方式なのでグラフィックスなど視野角にシビアな用途にはすすめられないが、すべてのユーザーが割高なVA方式やIPS方式の液晶ディスプレイを必要としているわけではない。大画面ワイド液晶ディスプレイのすそ野を広げる低価格モデルとして、LCD-AD221XBは魅力的な製品と言える。とくに、今までTN方式の17/19インチ液晶ディスプレイ(ノートPCを含む)を使用してきて視野角に不満を感じなかったならば、LCD-AD221XBは満足度の高い買物になるだろう。
| LCD-AD221XWの主なスペック | |
|---|---|
| パネルサイズ | 22インチワイド |
| 表示エリア(H×V) | 473.8×296.1ミリ |
| 画面解像度 | 1680×1050ドット |
| 最大発色数 | 約1677万色(疑似フルカラー) |
| 画素ピッチ | 0.282×0.282ミリ |
| 水平周波数 | 31.5〜80kHz |
| 垂直周波数 | 56.3〜75Hz |
| 視野角 | 上下170度/左右178度 |
| 輝度 | 300カンデラ/平方メートル |
| コントラスト比 | 800:1 |
| 応答速度 | 5ms |
| PC入力端子 | DVI-D(HDCP対応)、D-Sub 15ピン |
| ビデオ入力端子 | − |
| USB端子 | − |
| 音声入力端子 | ステレオミニ |
| ヘッドフォン端子 | ステレオミニ |
| スピーカ | 3ワット+3ワット |
| チルト角度 | 上20度/下5度 |
| スイベル角度 | − |
| 縦画面表示 | − |
| VESAアームマウント規格 | 100×100ミリ |
| 電源 | 本体内蔵 |
| 消費電力 | 通常60ワット/ECOモード時37ワット/待機時1ワット |
| 本体サイズ | 505(幅)×219(奥行き)×422(高さ)ミリ |
| 重量 | 約6.2キロ(スタンド含む) |
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