必要なものを行儀よく並べた“白い新型”――ソニー「VAIO type N VGN-N50HB」角砂糖のようなVistaノート?(2/3 ページ)

» 2007年03月29日 10時00分 公開
[富永ジュン,ITmedia]

シンプルさと使いやすさを両立したデザイン

ホワイト1色でフラットな形状の天板は、今までのVAIOとは一味違うデザインセンスだ

 VGN-N50HBのもう1つの魅力が、潔いまでのシンプルさと使いやすさを重視した筐体デザインだ。ホワイトカラーで統一された天板はさらっとした手触りのマットな塗装で、VAIOロゴ刻印と薄いグレーのSONYロゴ印字を除けば、装飾らしい装飾が完全に排除されている。角砂糖を思わせるような直線的で白い天板を強調するため、VAIOロゴは上位機種が採用する光沢シルバーのパーツをはめこんだルミナスロゴではなく、エンボス状に仕上げているのが目新しい。カラーリングは、天板と液晶ディスプレイのフレーム部、キーボードがホワイト、それ以外の部分が明るいシルバーだ。

 キーボードの周囲に無骨なパーツのつなぎ目などは一切なく、右上に電源ボタンとNumLockやCapsLockのLED、右下にFeliCaポートが配置されているだけだ。ラッチレス構造を採用していることもあいまって、液晶ディスプレイを開いたときの実にすっきりとした印象は新鮮味すら感じる。いわゆる“メカメカしさ”を感じさせない、清潔感のある落ち着いたデザインは、男女問わずスタイリッシュだと強く感じるに違いない。Windowsマシンというよりは、Macを思い出させるような無駄のない洗練されたデザインだ。

 使いやすさの面では、インタフェースの配置の秀逸さを挙げたい。右側面の手前には使用頻度の高いUSB 2.0やヘッドフォン出力、奥には使用頻度の低いアナログRGB出力とIEEE1394、そして背面には常時接続が想定されるイーサネットやモデムのジャックを並べている。また、SDメモリーカード/MMCスロットとメモリースティック(PRO対応)スロットは前面右側に配置されており、メディアを装着しやすいことに加えて、装着状態が一目で確認できるため、メディアの抜き忘れを防げるのが大変使いやすいと感じた。光学ドライブの位置は左側面だ。主要なコネクタを右側面に集中させている点とUSB 2.0ポートが2つしかない点は評価が分かれそうだが、インタフェースの使用頻度とそこに接続されるケーブルの伸びる方向がきちんと計算されているのが伝わってきて、思わず「ほう」と感心してしまう。

前面にはSDメモリーカード/MMCスロットとメモリースティックスロット、電源、HDD、バッテリー、無線LANのLEDが並ぶ(写真=左)。背面はバッテリーを挟み込む形で、ネットワーク関連とACアダプター用のコネクタが配置されている(写真=右)

左側面に光学ドライブを配置(写真=左)。右側面は手前から、無線LANスイッチ、ヘッドフォン、マイク、USB 2.0×2、ExpressCardスロット(34)、排気口、アナログRGB出力、4ピンのIEEE1394を用意する(写真=右)

入力しやすいキーボード、15.4インチワイド液晶を装備

キーボードは、カーソルキーが一段下がっていないことで周辺のキーピッチに影響を与えているが、全体的には入力しやすいほうだ

 キーボードは、キーピッチが約19ミリ、キーストロークが約2.5ミリとゆとりのあるデザインだ。キートップはくぼみがない平らなデザインで、ソフトな手触りながらも入力時に適度な手応えがある。キートップのぐらつきやキーボード自体のたわみなどはほとんど感じられず、長時間のタイピングも快適に行えた。

 キーのレイアウトについては、ほぼすべての文字キーがスクエアキーで問題ないが、右下のキー配列にはクセがある。下から2段目の右端4つのキーを見てみると、左から「ろ」「Shift」「↑(PgUp)」「Fn」とややイレギュラーな構成になっており、「ろ」とカーソルキーは横幅がかなり狭い。一般的なユーザーは左側の「Fn」キーを使うため、あえて文字キーの横幅を狭めてまで右側にも「Fn」キーを配置する必要はなかったのではないだろうか。巨大なEnterキーとのアンバランスさが気になるところだ。

タッチパッドはスクロール機能やコーナータップの機能を備えている

 タッチパッドは2ボタンタイプのスタンダードなもの。Alps製ドライバを採用しており、タッチパッドの右端、または下端をなぞることで縦横のスクロールが可能だ。また、マウスのプロパティ画面からタッチパッド左上コーナーのタップ操作にショートカットメニューの表示やオートスクロールといったアクションを割り当てられる。左右のボタンはちょっと硬めの作りだが、しっかりしたクリック感があり、サイズも大きめなので押しやすい。

 ディスプレイは、1280×800ドット表示に対応した光沢仕様の15.4インチワイド液晶パネルを採用。同サイズのディスプレイを備えた上位機種の「VAIO type F」では、多層ARコートやピュアカラー(高色純度)といったアドバンテージがあるクリアブラック液晶を用いているが、VGN-N50HBはこの低コスト版にあたるクリアブラックLE液晶を採用している。そのため、ARコートによる低反射処理の効果や発色といった画質面では、VAIO type Fに見劣りする。

 画面の輝度は8段階で調整でき、最高輝度に設定することでかなり映り込みを抑えられるが、画面全体が黒っぽい表示では映り込みが気になることもあった。発色は若干青みがかった印象で、グラデーションの表示は比較的つぶれやすい。視野角は、左右方向は問題ないが、上下方向はやや狭かった。このあたりは実用上大きな問題ではないものの、バリュークラス相応の性能と言える。

1280×800ドットの15.4インチワイド液晶は、光沢仕様となっている(写真=左)。ワイド画面なので、Windowsサイドバーを表示しても十分な作業スペースが確保できる(写真=右)

 なお、VGN-N50HBは右側面に冷却ファンの排気口を備えているが、高負荷時でも排気音はほとんど発生せず、DVDスーパーマルチドライブの回転音もかなり抑えられている。ボディの発熱も少なく、高負荷時に左パームレストがほんのり温かくなる程度だ。動作中の静粛性や放熱性が高い点は特筆すべきポイントとして挙げられる。

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