ユーザーアカウント制御を使いこなすサクッとおいしいVistaチップス 1枚め

» 2007年03月30日 08時00分 公開
[織田薫,ITmedia]
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ユーザーアカウント制御

 ユーザーアカウント制御(User Account Control:UAC)は、Windows Vistaに追加された新しいセキュリティ機能だ。この仕様変更により、ユーザーの知らない間に悪意のあるプログラムが勝手に実行されてしまうことを低減できるようになった。Vistaには、システムへの完全なアクセス権を持つ「管理者」と、ほかのユーザーに影響しないシステム設定を変更可能な「標準ユーザー」という2種類のアカウントが用意されている。UACの仕組みは、ユーザーがログオンしたときに与える権限レベルを通常は標準ユーザーに設定することで、セキュリティを高めるというものだ。

 UAC機能は、ネットワーク設定の変更やデバイスドライバのインストールといった管理者権限が必要となる操作を行うたび、ダイアログを表示して“操作を続けてよいのか”をユーザーに確認してくる。操作を続ける場合には“管理者権限への昇格”が必要だ。VistaではUAC機能のおかげで、たとえ管理者のアカウントでログオンしても、通常はOSに対して持っている権限が標準ユーザーと同じレベルに抑えられているため、管理者権限が必須の操作を行なうとダイアログが表示される。

 ダイアログの表示内容は、ログオンしているユーザーの権限によって違う。管理者権限を持っているユーザーの場合は、操作を許可するかどうかを選択する内容になる。標準ユーザーの場合は、管理者権限を持っているユーザーの選択とパスワードの入力を行なう内容になる。管理者権限を持っていなくても、必要に応じてUAC機能により管理者権限を取得できるため、従来のWindowsよりも標準ユーザーでログオンした場合の操作が簡単になった。

UACが有効な場合、管理者権限が必要となる操作を行うと、ユーザーアカウント制御のダイアログが表示されて許可を求めてくる。管理者権限を持ったユーザーでログオンしている場合は「続行」ボタンを押すだけだ(写真=左)。標準ユーザーでログオンした場合は、管理者権限を持ったユーザーのパスワードを求められる(写真=右)。

 このようにUACはVistaのセキュリティを高めるのに効果的な機能だ。しかし、OSのインストール直後は、ドライバやアプリケーションのインストール、各種設定の変更など、管理者権限を必要とする作業が非常に多い。これらの作業を行うとき、毎回同じダイアログが表示され、いちいち応答するのは手間がかかる。このため、UACを一時的に無効にしたいと考える人も多いだろう。

 UACを無効にするには、コントロールパネルから以下の操作を行う。なお、設定の変更を適用するには、再起動する必要がある。

コントロールパネルの「ユーザーアカウントと家族のための安全設定」(写真=左)から、「ユーザーアカウント」(写真=右)を選択する

「ユーザーアカウント制御の有効化または無効化」(写真=左)をクリック。「ユーザーアカウント制御(UAC)を使ってコンピュータの保護に役立たせる」(写真=右)のチェックボックスをオフにして、「OK」ボタンを押す

 ドライバやアプリケーションのインストールなどOSの整備が終わったら、UACは再度有効化しておくことをおすすめしたい。システムのセキュリティが低くなるのに加えて、UACを無効にした状態でログオンすると、Tempフォルダ(デフォルトはC:\Users\<ユーザー名>\AppData\Local\Temp)に対する書き込みと実行が拒否されてしまうからだ。このため、Acrobat Reader 8などのセットアップがエラーで失敗することが判明している。「Tempフォルダがあるドライブがいっぱいか、アクセスできません」というエラーメッセージが表示された場合は、UACを有効にしてからインストールをやり直してみよう。

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