作成した動画をDVDに記録するのも簡単だ。最終工程の「DVDを作る」をクリックすると「Canopus DVD Creator」が起動して、メニュー付きのDVD-Videoを作成できる。メニューの背景用には30種類以上のサンプルがあり、用途を選ばない。書き込みまでは3ステップとシンプルなのが好印象だ。もちろん、ハイビジョン映像はDVD書き込み時にSD画質にダウンコンバートされる。
また最近はDVDに書き込んでの保存だけでなく、インターネットで動画を配信する機会も増えている。そこで「DVDを作る」をクリックする代わりに、メニューから「ムービーの出力」を選択すると、編集結果をファイルとして出力することが可能だ。出力時のファイル形式は、DV-AVI、HDV、Canopus HQ(AVI)に加えて、MPEG-2やWMVもサポートしているので、YouTubeやmixi動画などにアップロードするという使い方にも即対応できる。
「テープに出力」を選べば、DVやHDVの形式でビデオカメラに書き戻すことも可能だ。HDVカメラに対応した個人向けビデオ編集ソフトの場合、キャプチャは可能でもminiDVテープへの書き戻しはできないものが少なくないため、編集した映像をHD画質のままminiDVテープに保存できるのはありがたい。
以上、実際にHDVカメラで撮影した映像をひととおり編集してみたが、シーンをつないで、トリミングやトランジションを加えてDVDやファイルに出力するまでスムースに作業できた。家庭で撮ってきた映像をつないでまとめるという用途には十分に活用できると感じた。
エディウスJは教育現場で利用できるように設計されているため、編集の基本を覚えるのに必要な機能は漏らさず盛り込まれており、操作系も比較的簡単にまとまっている。そういう意味ではEDIUSの廉価版というより、まったく別の初心者向けビデオ編集ソフトといった雰囲気だ。
MPEG-4やMPEG-4 AVC/H.264が利用できないので、ビデオカメラによっては使えないこともあるが、HDVカメラのユーザーが初めて試す本格的なビデオ編集ソフトとしてはおすすめできる。今年の夏をめどに無償アップデートでVistaに対応する予定なので、Vistaへ乗り換える予定がある人も安心して使い続けられるだろう。
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