今回のチップスが使えるエディションは? | ||||
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エディション | Home Basic | Home Premium | Business | Ultimate |
対応状況 | ○ | ○ | ○ | ○ |
Windowsのヘルプシステムは、ユーザーインタフェースの変遷に伴っていろいろな変更が加えられてきた。Windows 3.1でサポートされたWindowsヘルプは、16ビット版と32ビット版の2種類があった。Windows 98の時代にはWindowsヘルプに変わるHTMLヘルプが登場し、Windows XPではヘルプとサポートセンター(Help and Support Center)が標準のヘルプシステムになっている。そしてVistaが採用するヘルプシステムはアシスタンスプラットフォームクライアント(Assistance Platform Client)と呼ばれるもので、以前のどのバージョンとも互換性がない。
さて、フリーウェアやシェアウェアの場合、どのシステムでも動作するWindowsヘルプファイル(.hlp)か、Windows 98以降のシステムで利用可能なHTMLヘルプファイル(.chm)を利用していることがほとんどだ。しかし、Windows VistaはWindowsヘルプの32ビット版を標準でサポートしていないため、拡張子.hlpのファイルを表示できない点は要注意だ。VistaはWindowsヘルプの16ビット版なら標準でサポートしているのだが、現在使われているWindowsヘルプは32ビット版が多く、ヘルプファイルが開けなくて困るケースは少なくないと思われる。
Vistaで.hlpのヘルプファイルを利用するには、インターネットから別途モジュールをダウンロードしてインストールすることが必要だ。該当するモジュールは、マイクロソフトのサイトで公開されている。
ただし、Windows VistaでWindowsヘルプを利用する際には、いくつかの制限事項がある点を覚えておきたい。詳細はマイクロソフトのサポート情報「文書番号917607」に記述されているが、ポイントとなる制限事項は「一部のマクロ機能が無効になる」と「共有フォルダのヘルプファイルを利用できない」の2つだ。
もっとも、これら2つの項目はレジストリの操作によりセキュリティ設定を低くすることで、制限を解除できる。まずは、スタートメニューのクイック検索に「regedit」と入力して「Enter」キーを押し、レジストリエディタを起動。次に「HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft」までキーをたどり、サブキー「WinHelp」を作成する。そしてWinHelpを開き、「編集」メニューから「新規」の「DWORD値」を選択し、以下のDWORD値を設定すればよい。
レジストリで制限事項を解除する | |||
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制限を解除したい項目 | 値の名前 | 値 | 値の内容 |
マクロの有効化 | AllowProgrammaticMacros | DWORD | 1 |
共有フォルダのヘルプの利用 | AllowIntranetAccess | DWORD | 1 |
ただし、共有フォルダのヘルプを利用するには、Internet Explorer 7の設定も必須だ。インターネットオプションの「セキュリティ」タブで、「ローカルイントラネット」を選択し、ヘルプを格納しているサーバ名かIPアドレスをゾーンに追加する必要がある。この設定を行うと、UNC(Universal Naming Convention)名でヘルプファイルを参照できるようになる。
とはいえ、これらの設定変更はセキュリティレベルを下げることにつながるので、十分注意してほしい。また、共有フォルダのヘルプを利用できるようにする方法は手順が少々面倒なこともあり、ここは素直にヘルプファイルをローカルのフォルダにコピーして開くのがよいだろう。
レジストリの操作は、Windowsの基幹に関わる設定を変更するため、不具合が発生する可能性があります。設定を変更する場合はバックアップを取ったうえ、自己責任でお願いいたします。編集部はWindowsの設定変更により生じた損害について、一切の責任を負いません。
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