ナナオは5月23日、ワイド液晶ディスプレイの新製品4モデルを発表した。ラインアップは、AV入力対応の24.1インチワイド液晶ディスプレイ「FlexScan HD2451W」および「FlexScan HD2441W」、ビジネス向けの24.1インチワイド液晶ディスプレイ「FlexScan S2431W」と20.1インチワイド液晶ディスプレイ「FlexScan S2031W」だ。価格と発売時期は下表の通りで、FlexScan HD2451Wのみ同社直販サイト「EIZOダイレクト」の限定モデルとなっている。保証期間はいずれも5年間。
FlexScan新製品の発売日と価格 | ||||
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製品名 | 画面サイズ | 発売日 | 標準価格 | EIZOダイレクト価格 |
FlexScan HD2451W | 24.1インチワイド(WUXGA) | 6月22日 | オープン | 14万9800円 |
FlexScan HD2441W | 24.1インチワイド(WUXGA) | 6月22日 | オープン | 14万4800円 |
FlexScan S2431W | 24.1インチワイド(WUXGA) | 6月7日 | オープン | 11万4800円 |
FlexScan S2031W | 20.1インチワイド(WSXGA+) | 6月7日 | オープン | 5万9800円 |
FlexScan HD2451W/HD2441Wは、ナナオのPC向け液晶ディスプレイ「FlexScan」シリーズとしては初めてAV入力を搭載した製品。いずれも2系統のHDMI入力(1.2a)を装備しているのが特徴だ。HD2451Wは2系統のHDMIと1系統のD4、S-Video/コンポジットビデオを搭載、HD2441はHD2451WからD4とS-Video/コンポジットビデオを省いたモデルとなっている。
これら2モデルは、PC入力とAV入力で画作りを変えており、AV入力は同社の液晶TV「FORIS.TV」シリーズで培った映像処理技術を投入し、映像ソース本来の色調や滑らかさを忠実に表現するという画質のコンセプト「ナチュラルコンフォート」を採り入れている。
具体的には、インターレス映像をプログレッシブ変換する際に輪郭部のジャギーを低減する動き予測対応の「IP変換」、完全な黒や白のデータが存在しないTV放送やゲームなどの表示で黒浮きしないようにダイナミックレンジを最適化する「黒レベル補正」、暗部の階調が黒つぶれしないで細部まで立体的に見えるように調整する「暗部再現性」、派手な画質加工はせずにコンテンツ作成者の意図に近い色や階調で表現する「コントラスト調整」といった工夫をしている。
HDMIやD4入力でハイビジョン映像を視聴する場合、「16:9フル」モードを選択することで通常のオーバースキャンを行わず、1920×1080ドットの1080i/p映像をドットバイドットで表示する機能を持つ。「16:9」モードを選ぶと、画面の上下左右を約5%カットしたオーバースキャン表示になる仕組みだ。
また、既存モデル「FlexScan S2411W」と同様、映像をリアルタイムに解析して画面の明るさや色の濃さ、色合いを最適に調整することでコントラスト比を最大3000:1まで拡大する機能や、中間階調域の応答速度を高速化するオーバードライブ回路も搭載する。
これらの技術により、PC入力では既存モデル「FlexScan S2411W」の画質を継承しつつ、AV入力ではFORIS.TVに近い(PCディスプレイではなく液晶TVらしい)表示が得られるという。
液晶ディスプレイの基本スペックはFlexScan S2411Wとほぼ同様だ。液晶パネルは1920×1200ドット(WUXGA)表示のVA方式、輝度は450カンデラ/平方メートル、コントラスト比は1000:1、黒白間の応答速度は16ms、中間階調の応答速度は6ms、視野角は水平/垂直とも178度だ。RGB各8ビットの映像入力信号を多階調化してから最適な8ビット信号に割り当てて出力する10ビットガンマ補正機能(演算精度は10ビット)を搭載する。
PC入力は、HDCP対応DVI-DとD-Subの2系統を装備。PCの親画面にAV入力の子画面を映し出すPinP(ピクチャーインピクチャー)機能により、PCの操作中にHDMIやD4の映像を子画面で表示することが可能だ。USB 2.0ハブ機能も搭載し、2基のダウンストリームポートを備えている。
本体にスピーカーは内蔵しないが、音声入出力端子を用意している。音声入力については、USBオーディオ機能を搭載しており、2系統のPC音声入力をそれぞれUSB 2.0のアップストリームポートで接続する仕組みだ(PCとUSB接続すると、USBハブ機能やPC上の専用ソフトでの画質調整も可能になる)。PC間の音声入力はOSDから切り替えられる。
AV入力に関しては、HDMIとRCAステレオ(1つがD4用、1つがS-Video/コンポジットビデオ用)から音声入力が可能。本体に搭載されたステレオミニとヘッドフォンの端子で音声出力が行える(2チャンネルを超えるマルチチャンネル音声入出力には非対応)。PCとAVの映像入力切り替え時に音声も自動で切り替える機能も持つ。
ユーザーインタフェースは静電式のスライドバーを初採用。スライドバーを指で左右になぞることでメニュー項目の選択、スライドバー上をタップすることで決定といった操作が行える。
そのほか、表示する画像に適した画質モードが選べる「FineContrast」機能と、使用するアプリケーションごとに画質モードを自動で切り替える「Auto FineContrast」機能を備えている。
なお、EIZOダイレクトではFlexScan HD2451/HD2441の発売に合わせて、ボーズのステレオスピーカー「Micro Music Monitor」や液晶ディスプレイ保護パネル、クリーニングキットをセットにした「スペシャル・ダイレクトパック」を発売する。また、6月21日までに製品を予約した人にEIZOロゴ入りUSBメモリをプレゼントする「予約キャンペーン」、ソフマップとの提携による「下取サービス」と引取り手数料をナナオが負担する「引取手数料無料キャンペーン」も実施する。
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