第4回 HD DVDとBlu-ray Discメディアの仕組み新約・見てわかる パソコン解体新書(1/4 ページ)

» 2007年06月01日 11時11分 公開
[大島篤(文とイラスト),ITmedia]

 ここ1年の間に、ハイビジョン映像を記録可能なHD DVDとBlu-ray Discが実用化されました。残念ながら規格の統一はなりませんでしたが、とにかく現在それぞれの規格のプレーヤーやレコーダー、そしてメディアが発売されていて利用可能です。HD DVDとBlu-ray Discの規格とメカニズムももちろん興味深いのですが、今回はメディアの方に焦点をあてて、大容量記憶の秘密に迫ってみましょう。

取材協力 日立マクセル


 4.7Gバイトの容量を持つ従来のDVDメディアは、標準映像(SDTV)を約2時間(標準モード)録画可能でした。しかし、今後普及するハイビジョン放送は、従来の4倍から6倍もの情報量を持つため、そのままではDVDに20分から30分程度しか録画できません。2層化してもまだ容量が足りません。そこで、ハイビジョン映像の録画用メディアとしてHD DVDとBlu-ray Discが開発されました。片面一層で記憶容量4.7GバイトのDVDに対して、HD DVDは15Gバイト(約3.2倍)、Blu-ray Discは25Gバイト(約5.3倍)の記憶容量を持ちます。また、2倍の記憶容量を持つ2層ディスクもあります。

 HD DVD、Bru-ray Discとも、再生専用の「ROM型」のメディアと、記憶容量いっぱいになるまでは未記録部分に追加する形で書き込み可能な「追記型(ライトワンス)」のメディア、そして繰り返し何度でも記録可能な「書き換え型(リライタブル)」のメディアがあります。

 HD DVDでは、追記型メディアをHD DVD-R、書き換え型メディアをHD DVD-RWといいます。

 Blu-ray Discでは、追記型メディアをBD-R、書き換え型メディアをBD-REといいます。

 再生専用のROM型については、今回の記事では扱いません。記録可能なHD DVDとBlu-ray Discの各メディアの仕様と録画時間を下の表に示します。


 HD DVDやBlu-ray Discに対応する各種プレーヤーやドライブが少しずつ登場しています。また、メディアも各タイプが発売されています。ただし、HD DVD-RWはまだ論理フォーマットの規格が定まっていないため、これに対応するプレーヤーやドライブ、メディアは2007年5月現在発売されていません。

 従来のDVDメディアの場合、DVD±Rで最高16〜20倍速、DVD±RWで最高6〜8倍速のものが市販されていますが、いまのところBlu-ray Discのメディアは2倍速、HD DVDでは等速のものしかありません。高密度記録を行うために高速化が難しいのです。また、Blu-ray DiscやHD DVDの基準線速度が速いため、最初からDVDの2倍近い速度で読み書きを行っているという事情もあります。

 光ディスクメディアでは、高速回転するディスクにレーザービームを照射して読み書きを行うわけですが、レーザービーム照射位置におけるメディアの移動速度が線速度です。特に、標準速度で記録再生するときの線速度を基準線速度といいます。基準線速度はDVDの毎秒3.49メートルに対して、HD DVDが同6.61メートル、Blu-ray Discが同4.9メートルとなっています。将来的には、光ヘッドやメディアの改良によって、Blu-ray DiscやHD DVDでも4倍速以上の書き込み速度が実現するでしょう。

 なお、HD DVD-R/RW、BD-R/REともに、録画用とデータ用というメディアが販売されていますが、両者は物理的には同じメディアです。違いは、録画用メディアは販売価格に私的録画補償金が含まれているという点です。

 日立マクセル製のHD DVD-R、BD-R、BD-REメディアの写真を示します。HD DVD-Rの記録面はオレンジ色、BD-R薄茶色、BD-REは暗い青色ですが、これらの色は記録層の材料によるもので、メーカーによっても色が異なります。


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