5月に発表されたATI RADEON HD 2000シリーズの紹介イベントがTSUKUMO eX.店頭で行われた。イベントのスタート前から、ATIグラフィックスのイメージキャラクター「Ruby」が登場する3Dムービー「Whiteout」のデモを大画面TVに映し出しており、通行中に足を止めるユーザーも多数見られた。
司会はAMD店頭イベントでお馴染みの佐藤氏。まずは、リアルタイムレンダリングにより表現した「Whiteout」の精密な描画について語る。
「“美しい”や“緻密”を通り越して、“生々しい”の域に達しています。このハイレベルな描画をリアルタイムでこなしてしまうのが、新しいRADEONシリーズです」とアピールし、続いて「第二世代ユニファイドシェーダ」と「DirectX 10完全対応」、「最新のグラフィック技術フル装備」と、新シリーズの特徴をまとめて解説。
その中でも、基本のCGモデルを元に自動で細部のポリゴンを生成する「テッセレート」技術を説明するくだりでは、ギャラリーから感嘆の声が漏れた。「RADEON HD 2000シリーズはハードウェアでテッセレートを行います。このため、CPUやメインメモリが低スペックなマシンでもリアルなCGがすばやく作成できるのです」と佐藤氏。
話題はHD動画の再生に移る。ここで、強調されたのが画質向上技術「ATI Avivo HD」だ。H.264/AVCやVC-1など、HD DVDやBlu-rayビデオなどで採用されているHD動画のデコード処理をすべてGPU上でこなせるのが特徴。
「従来のカードではCPUの処理を必要としたため、BD-ROMの映画を観るなら、正直デュアルコア以上のCPUが欲しいところでした。しかし、RADEON HD 2000シリーズならその心配がいりません」。シングルコアCPU搭載機などの低スペックマシン向けに勧めるのは、まだ出回っていない下位の2600/2400シリーズという。「ローからミドルの価格帯で、安くPCを組むには最適です。ハイビジョンコンテンツを気軽に楽しみたい人に向いています」(同氏)。
2900 XTでネックとなっている必要な電源容量の大きさも、詳細は未定ながら、下位シリーズなら半分以下になるとのこと。登場時期については「今月中だと思います」と語っていた。なお、RADEON HD 2000シリーズの性能差については、「クロック数よりもシェーダ数が重要になります」(同氏)。
今回は同社のCPUに関する新しい情報は聞かれなかったが、イベントの最後に、“兄貴”こと日本AMD・土居憲太郎氏が、プレゼンシート内の写真として登場。“なんちゃって”ではない、真のクアッドコアCPUについて、近日の公開を計画中という。
ちなみに、RADEONユーザーの一部で噂されている“RADEON HD 2000シリーズの真の最上位”モデルについては、ノーコメントとのことだった。少なくとも、次に登場するのはミドル以下のRADEON HD 2600/2400シリーズであることは間違いなさそうだ(→ベンチ比較:「Radeon HD 2900 XT」を「GeForce 8800」シリーズと比較する)
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