多機能化/高機能化に突き進むキーボード界に一石を投じたレジェンド、「HHKB(Happy Hacking Keyboard)」。その原点である初号機「KB01」が、極限までキーを削ぎ落とした英語配列モデルとして誕生したのは1996年冬のことだ。
現在のHHKBは、日本語配列やBluetooth対応など多彩な進化を遂げている。その中で唯一、初号機のスタイルを色濃く継承し、「英語配列/有線接続」という硬派な仕様を貫いてきたのが「HHKB Professional Classic」である。
そんな“クラシックモデル”の新製品として、2025年10月に登場したのが「HHKB Professional Classic Type-S」(以下、Classic Type-S)だ。そのラインアップの中に、なんと日本語配列モデルが加わった。
「Classicのスタイルのまま、日本語配列があれば……」と切望していたユーザーにとって、今回の新モデルはまさに朗報だ。
筆者が外出先での仕事に携行しているのは、マウス操作もこなせる「HHKB Studio 日本語配列/雪」だ。よりコンパクトな「HHKB Professional HYBRID Type-S」も所有しているが、別途マウスを持ち歩く手間と総重量をてんびんにかけた結果、オールインワンのStudioに軍配が上がった。
一方、有線接続専用のClassic Type-Sには、背面の電池ボックスが存在しない。その分、ボディーはフラットで取り回しやすく、大幅な軽量化も行われている。この優れた携帯性を生かせるのであれば、本機に小型マウスを組み合わせる運用も、十分に合理的な選択肢といえるだろう。
Classic Type-Sは、前モデルであるHHKB Professional Classicをベースに高速でのキー入力のしやすさと静粛性を両立させたモデルだ。
この優れた静粛性は、ハウジングとプランジャーの間に衝撃吸収材を介在させることで実現している。キートップが戻る際に発生する「カチャッ」というキータッチ音を効果的に抑制し、静かで洗練されたタイピング体験を可能にしている。
キーストロークは、前モデルより0.2mm浅い約3.8mmに設定されている。PFUの松本秀樹氏(ドキュメントイメージング事業本部HHKBビジネス部)は、「『毎日パソコン入力コンクール』で優勝経験のある人をアドバイザーとして迎え、静音性、高速性、キー入力時のフィーリングが最も良いキーストロークの深さを試してもらったところ、3.8mmがちょうど良いということになった。衝撃吸収材を入れると0.5mm浅くなるので、プランジャーの脚の部分を0.3mm削ることで、全体的に0.2mm浅くした」と語っていた。
前モデルからの進化は、静音化だけにとどまらない。待望の日本語配列がラインアップに加わった他、カラーバリエーションには純白の「雪」が追加された。
また、専用のキーマップ変更ツール(Windows対応)を用いることで、一部を除くほぼ全てのキー配列を自在にカスタマイズ可能だ。設定はキーボード本体に保存されるため、接続するデバイスを問わず、常に自分好みの入力環境を再現できるのは大きな利点といえる。
日本語配列では、69キーを搭載し、サイズは約294(幅)×110(奥行き)×40(高さ)mm、質量は実測値で540.5gだ。
裏面には2段階で高さを変えられるチルトスタンドを搭載する。制御キーの割り当てをキーボード単体で行えるDIPスイッチは、カバーを開けると現れる。
背面には端末との接続用USB Type-Cポートのみを搭載する。電源のオン/オフといったスイッチはない。接続すればすぐに認識される仕様となっている。
全てのキートップ面は、中央に向くようデザインされた「シリンドリカルステップスカルプチャ」というスタイルになっており、刻印の文字が半永久的に消えない昇華印刷も採用している。入力しやすく、そして長く使い続けられるだろう。
付属するのは、紙類と接続用のUSB Type-C to Type-Cケーブルだ。L字型コネクターを採用しなかった理由として、松本部長は「ストレートタイプの方がトラブルが少ないので、メーカーとして安全性を担保したかったから」と語っていた。
ストレートコネクターの出っ張りが気になるという人は、自己責任であることを認識しつつ、別途L字型変換アダプターまたは、L字型コネクターのあるケーブルなどを購入すると良いだろう。
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