待てるのもここまでっ──ボーナスで“Vistaデスクトップ”を買うならこれで決まり!+D Shopping バイヤーズガイド(1/3 ページ)

» 2007年07月13日 15時00分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]

 最初にWindows Vistaを搭載した「2007年春モデル」では“新しい物好きユーザー”が飛びついたが、まだ未知のWindows Vistaに待ちを決め込んだユーザーも多かった。2007年の春から夏にかけてWinodws Vistaの特集がいろいろな雑誌で掲載され、その機能が多くのユーザーに知れ渡ったおかげで、2代め“Vista PC”となる夏モデルでは、「夏のボーナスも無事にでたことだし(う、うらやましいっす)、マイクロソフトのいう“Vistaのエクスペリメント”でも体験してみたいし」と、購入を考えているユーザーが増えているという。

 Windows Vistaが実装する新機能に対する対応が各メーカーで異なっていた春モデルでは、一部にTV機能を搭載しつつもMedia Center機能のないHome Basicを採用する製品も見られた。しかし、夏モデルでは、そのほとんどが、TV機能の有無とは関係なく“Home Premium”を搭載しているのが特徴だ。同じWindows Vistaとはいえ、“Home Premium”と“Home Basic”では機能が異なる。Windows Vistaの特徴でありWindows XPからWindows Vistaへの進化が一番アピールしやすい「Flip 3D」などのルック&フィールがHome Basicで利用できないため、Home Premiumの採用が加速したというところだろうか。

 こうした事情からHome Premium採用モデルが多くなったことも考慮して、夏モデルの価値をフルに体感するためには3Dグラフィックス機能にも注目したい。しかし、ほとんどのメーカー製PCでは、専用のグラフィックスカードを搭載していないばかりか、コンパクトな筐体を採用しているためにグラフィックスカードによる拡張が不可となっているケースも多い。チップセットに統合されたグラフィックスコアに頼ることになるわけで、そのため、夏モデルでは、搭載されているチップセットにも注目をしなければならない。

 なお、Windows Vista Home Basicを搭載したPCもないわけではない。店頭モデルではない場合でも、メーカー直販サイトのBTOオプションとして用意されているのであきらめずに探してみよう。

この夏は、デュアルコアでもコスト抑えめの「Core 2 Duo E4300」が主流

 次のポイントは搭載するCPUだ。シングルコアのPentium 4や、バリュークラスCPUのCeleronやSempronを搭載した製品が多かった春モデルと比べて、夏モデルでは、デュアルコアCPUの比率が高くなっている。その理由の1つが低価格なデュアルコアCPU「Core 2 Duo E4300」の登場だろう。夏モデルでは、20万円前後といった最も人気のある価格帯のラインアップで採用されているケースが多い。ただし、それより安い15万円前後のラインアップでは、依然としてCeleronとSempronが主流になる。

 ここで紹介する夏モデルには関係しないが、Core 2 Duo E4000シリーズのようなバリュークラスのCPUラインアップでは、夏モデルが発表されたあとからインテルの「Pentium Dual-Core Eシリーズ」が投入され、AMDもAthlon X2シリーズの投入や価格改定を実施するなど、このところ動きが激しい。こういう動向反映して、今後登場するコンシューマー向けPCでは、従来のCeleron/Sempron搭載ラインアップでもデュアルコアCPUへの移行がいっそう進むものと思われる。

Home Premiumの採用とともにメモリは1Gバイト以上が主流へ

 先に紹介した導入OSのグレードにも関わってくるが、Winodws Vista Home Premiumの採用が進んだのに伴い、メモリの容量は1Gバイト以上が標準となった。なかには2Gバイト搭載する製品もある。この影響ともいえなくないが、Windows Home Basicを採用するPCが減っているためメモリ容量512Mバイトの製品も少なくなった。注意しておきたいのは、標準で1Gバイト搭載する製品に、512Mバイトのメモリモジュールを2スロットに装着済みにしてメモリスロットに空きがないという構成が多いことだ。このような場合、メモリ容量を増やしたいときには搭載してあるモジュールを交換することになる。

 このように、後々のメモリアップグレードを考慮するユーザーは、DIMMを用いているのかSO-DIMMを用いているかも注意が必要だ。需要の拡大とDRAM相場の下落とでSO-DIMMも価格が下がってきているが、まだまだDIMMより割高ではある。メモリアップグレードを当初から予想したうえで、より低コストに拡張したいなら、DIMMを採用した製品を選ぶのが妥当だ。

標準320Gバイト以上、ハイブリッドHDDも視野に

 HDDの容量は、BTOでユーザーが選択できるモデルを除けば320Gバイト以上が一般的になってきた。バルクの店頭価格でも320Gバイト前後が容量単価でも最も安い。デジタル放送を録画するうえで十分かといわれると確かに疑問ではあるが、家電のハイブリッドレコーダーと違ってHDDの拡張が容易なPCであれば問題はないだろ。IEEE 1394端子はそうした外部接続HDDのインタフェースとしても用いられるほか、ビデオカムなどを接続してデジタルビデオ編集にも活用できる。ビデオ編集用途を考えるのであれば、デュアルコアCPUの搭載は必須である。

 今回取り上げた製品の中には、NECのVALUESTAR N「VN550/JG」がハイブリッドHDDと搭載している。このハイブリッドHDDは、HDDドライブにフラッシュメモリを組み込んだ製品で、フラッシュメモリをキャッシュとして動作させて、アクセス速度の向上とHDDへのアクセス回数を抑制するメリットが期待される。

「アナログなし地上デジタルチューナーのみ」の使いどころに注意

 TVチューナーに関しては、デジタル化の加速が進む情勢のなか、アナログチューナーのみという製品は少なくなってきているだけでなく、地上デジタルのみという製品も少なくはない。地上デジタル放送の受信可能地域は拡大しているものの、地上デジタルのみの製品を室内アンテナで使う場合には、PCを使用する場所の受信感度を確認をしておくことが望ましい。

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