プロナビ

Wi-Fiルーター「Aterm」のふるさとはどんな場所? NECプラットフォームズ掛川事業所の歴史に触れる【前編】(1/3 ページ)

» 2025年12月09日 14時00分 公開
[大河原克行,ITmedia]

 NECブランドのWi-Fi(無線LAN)製品「Aterm(エーターム)」などを生産するNECプラットフォームズ掛川事業所(静岡県掛川市)は、最新技術を投入した工場だ。2023年8月に稼働した「新A棟」は、AMR(自律走行搬送ロボット)を積極的に導入している他、「ローカル5G」「顔認証」「量子アニーリング」といった先進技術を活用することで生産効率を30〜40%程度向上させた実績を持つ。Atermは最新鋭工場のなかで生産されている製品なのだ。

 今回、掛川事業所を取材する機会を得たので、2回に分けてその様子をレポートする。この記事では、NECプラットフォームズと掛川事業所の概要を紹介する。

NECプラットフォームズ掛川事業所 今回取材したNECプラットフォームズ掛川事業所。後述するが、長い歴史を持つ事業拠点だ

そもそも「NECプラットフォームズ」ってどんな会社?

 NECプラットフォームズは、NEC(日本電気)グループにおけるハードウェアの開発/生産/販売を担うべく、2014年にNECインフロンティア(旧・日本電話工業→日本通信工業→日通工)を存続会社として、3つのNEC子会社を吸収合併することで発足した。2017年にはさらに3つのNEC子会社を吸収合併した上で、NECとNEC通信システムから一部事業を譲受している。

 このような経緯があるため、NECプラットフォームズとしては“11歳”である一方で、同社の大本となったNECインフロンティアは1918年に創業し、1932年に現在の法人が発足した会社なので、創業ベースで“118歳”、法人格ベースで“93歳”という「若い老舗企業」という見方もできる。

 同社の生産拠点は今回取材した掛川事業所の他、国内では山梨県甲府市/大月市、福島県福島市/那須塩原市、山形県米沢市に、海外では中国の江蘇省蘇州市と香港に所在している。

NECプラットフォームズ NECプラットフォームズのルーツは1918年に創業した「日本電話工業株式会社」にある。現在の法人は1932年に発足した2代目で、幾度かの商号(社名)変更を経てNECプラットフォームズとなった
プラットフォームズ 現在のNECプラットフォームズは、NEC子会社をさらに3社合併した上で、NECとNEC通信システムから一部事業を譲受して成立した(2017年当時の告知より)

掛川事業所のルーツは「静岡日本電気」→「NECアクセステクニカ」

 今回取材したNECプラットフォームズ掛川事業所は、元々「NECアクセステクニカ」という独立した企業だった。NECアクセステクニカは、NECプラットフォームズが統合した企業の中でも特に長い歴史を持つ。

 NECは1969年頃から「地方分身会社」という構想を推進した。これは端的にいうと生産工場の地方分散立地構想で、全国各地に工場を運営するための子会社(通称「地方日電」)を設立していった。この構想で作られた子会社は「県名+日本電気」という社名を持つことが特徴だ。

 掛川事業所は1969年10月に「静岡日本電気」として設立された。地方日電としては初期の発足だ。静岡日本電気は2001年に「NECアクセステクニカ」に社名(商号)を変更し、2014年にNECプラットフォームズに吸収合併され同社の掛川事業所となり現在に至っている。

掛川事業所全景 NECプラットフォームズ掛川事業所は、静岡日本電気として1969年に設立された(写真提供:NECプラットフォームズ)
掛川駅 掛川事業所はJR掛川駅(写真)から自動車で約5分、徒歩でも約15分というアクセスしやすい場所にある
       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年09月26日 更新
  1. 実売3万9800円でノートPCを3画面化! ソースネクストのデュアル拡張ディスプレイ「DGP-DMD1401」を試す (2026年09月25日)
  2. AndroidとChromeOSが融合した次世代PC「Googlebook」の実機を見てきた ――AI統合で何が変わるのか? (2026年09月25日)
  3. 新型「Mac mini」「Mac Studio」徹底レビュー! ローカルAIはついに“実用域”へ エージェントAIに事務仕事を任せて分かった驚異の進化 (2026年09月22日)
  4. なぜ競技用ゲーミングPCは光らない? HPSC久木留所長とマウス軣社長が語るアスリート支援の未来 (2026年09月24日)
  5. 「これはわれわれにとってのTGSだ」 ロジクールGが年に一度の旗艦イベント「Logicool G PLAY Tokyo 2026」を開催 熱気あふれる会場を現地レポート (2026年09月25日)
  6. “Vision Pro級”のMR体験が約100gの軽量グラスで? 最新の「Meta VR Glasses」を試して分かった圧倒的な快適性 (2026年09月25日)
  7. 12インチ「Surface Pro」と13インチ「Surface Laptop」に個人向けの第2世代が登場 Snapdragon X2 Plus搭載でメモリは最大24GBに (2026年09月24日)
  8. ロジクールGの新型マウス「PRO X3 SUPERSTRIKE」や8K対応キーボード「PRO X2 RAPID」を見てきた (2026年09月24日)
  9. 天空がCore Ultra 5を搭載した10.51型2in1ノート「TENKU Note Pro AI」を発売 (2026年09月24日)
  10. “AIスマホ”としての個性がより鮮明に 望遠カメラ刷新&AI処理が飛躍した「Pixel 11 Pro」 の実力とベンチマーク結果を検証 (2026年09月24日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー