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Wi-Fiルーター「Aterm」のふるさとはどんな場所? NECプラットフォームズ掛川事業所の歴史に触れる【前編】(2/3 ページ)

» 2025年12月09日 14時00分 公開
[大河原克行,ITmedia]

NECプラットフォームズのもの作りと掛川事業所

 NECプラットフォームズの大橋央典氏(工場部門 マネージングディレクター)は「NECプラットフォームズは、2014年に発足して以来、社内の開発/生産拠点が協調して1つのファクトリー(工場)として動く『グローバルOne Factory』を掲げて、もの作りの先端化だけにとどまらず、共創による“コト作り”にも取り組んできた。(会社の)発足に合わせて、情報システムや生産基盤、各種プロセスを共通基盤に移行したことで、各工場の持ち味を共通基盤の上で生かす運営を行っている」と語る。

 「通信機器」「サーバ」「ATM」「海底ケーブル」といった具合に、NECプラットフォームズでは事業所(工場)ごとに生産品目が大きく異なる。そのため、同社にはグループ全体の“マザー工場”的な拠点はない。

 しかし、最先端技術を自ら導入する「クライアントゼロ」の取り組みでは、掛川事業所を活用することが多いという。

グローバル One Factory NECプラットフォームズの各事業所は生産品目が大きく異なるが、各事業所を協調させる「グローバルOne Factory」という取り組みを進めている
説明する大橋さん NECプラットフォームズの大橋央典氏(工場部門 マネージングディレクター)

 「グローバルOne Factory」の実現に向けて、NECプラットフォームズでは「安全、安心」「高効率、高品質」「エコ」の3つの切り口を重点的に取り組んでいる。

 「安全、安心」という観点では、サステナブル(持続可能)なサプライチェーンや事業継続計画(BCP)の策定、セキュア生産(高いセキュリティを確保した上での生産活動)、高品質なもの作りと安定した製品、サービスを提供しているという。

 「高効率、高品質」では、ロボットライン/クリーンルームの採用、自働化の推進やスマートファクトリー化、現場の生産革新を通して、「多様なニーズに応えるもの作り」と「迅速な納期対応」を実現しているとのことだ。

 「エコ」では、太陽光パネルの設置を始め、グリーン調達、エコリサイクル、CO2(二酸化炭素)の削減活動などを通して、環境にやさしい社会に向けた取り組みを拡大しているという。

主な取り組み グローバルOne Factoryの実現に向けた主な取り組み
セキュア生産 NECプラットフォームズの生産拠点では、資材調達/製造/物流の3点において情報管理を徹底する「セキュア生産」に取り組んでいる(参考リンク)

NECプラットフォームズの“二本柱”と注力領域

 NECプラットフォームズでは、事業を大きく「NEC連携ソリューション」と「NECプラットフォームズソリューション」の2つに分けて展開している。両方を足し合わせた2024年度(2025年3月期)の売上高は3126億円となる。

 NEC連携ソリューション事業は、親会社であるNECの社会ソリューション事業をハードウェアの開発/生産によって支えるものだ。細かく分けると、公共インフラや放送機器などを提供する「パブリック事業」、携帯電話基地局や光通信などのネットワークインフラを担う「テレコムサービス事業」、海底ケーブルや衛星通信システムなどを担う「エアロスペース・ナショナルセキュリティ事業」、AI(人工知能)やビッグデータに対応するサーバや、ATM端末などを提供する「ITプラットフォーム事業」を展開している。

NEC連携ソリューション事業 親会社のNECが展開する社会ソリューション事業と連動したハードウェアの開発/生産を担う「NEC連携ソリューション事業」

 一方、NECプラットフォームズソリューション事業は、端的にいうと自社が独自に展開するハードウェア/ソフトウェア/サービス事業だ。細かく分けると、車載を含む組み込み用機器/ソリューションやエッジシステムを提供する「組込エッジ事業」、家庭/法人向けのネットワーク機器を提供する「アクセスソリューション事業」、企業内通信などを提供する「ユニファイドコミュニケーション事業」の3つで構成される。

NECプラットフォームズソリューション事業 自社が独自に展開する「NECプラットフォームズソリューション事業」

 同社ではここ数年、先進技術を採用したスマートファクトリー化を進めているという。大橋氏は「長年の現場革新活動によって築いた基盤をもとに、(顧客からの)多種多様な要求に応えるべく最先端技術を導入し、高度な自働化を進めている」と説明する。

 NECプラットフォームズが持つ「ものづくりDX基盤」に、生産管理/調達/品質管理/SMT(表面実装技術)/組み立て/生産技術/営業といったもの作りに関するデータを集約。これらを可視化するとともに、改善のポイントをデータから抽出し、昨今ではさらにAIを活用して作業の効率化や技術伝承などにもつなげているという。

 「(親会社の)NEC自らが、“ゼロ番目”のクライアントとなり最新技術を活用するクライアントゼロに積極的に取り組んでいる。(当社も)工場運営を効率化するだけでなく、活用した成果を、お客さまや社会に還元することを目指している」と述べる。

 掛川事業所での成果を、グループ内の他の工場にも展開して、もの作り力の底上げを図るだけでなく、NECグループがこれから実現しようとしている技術を活用し、その効果を確かめて、その成果を顧客に届ける役割も、掛川事業所は担っている。

スマートファクトリー NECプラットフォームズが推進するスマートファクトリー

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