孤高の存在か、革命的な先駆者か――ロジクール「MX Air」高級エアマウス、日本上陸(2/3 ページ)

» 2007年08月09日 17時45分 公開
[瓜生聖,ITmedia]

空中モードでは手ブレ防止技術が効果を発揮

 MX Air最大の特徴はその名のとおり、MEMSセンサ、RFワイヤレス技術、DSPを組み合わせたモーションコントロール「Freespace」によって、空中での操作を可能にしたことだ。MEMSセンサでマウスの傾きなどを検出し、それをDSPで処理することにより、単純なジャイロセンサでは不可能な、高いレベルの追従性を実現している。

 空中での操作というとレーザーポインタのような操作感を想像するのではないかと思うが、それは一部正しく、一部正しくない。レーザーポインタを使用してプレゼンを行ったことがある人なら、ポインタを静止させたつもりでも常に“手ブレ”が発生していることはご存じだろう。手元のわずかな揺れがスクリーン上では大きな揺れとなる。その状態でウィンドウのタイトルバー上の閉じるボタンのように小さなボタンをクリックすることなど至難の業だ。

 MX Airはこのような手ブレを自動的にキャンセルする。この手ブレ防止は非常に効果的で、画面上にぴたりとポインタを静止させるもまったく難しくない。さすがに絵を描くのはやや厳しいが、テキストの一部だけを選択するといった微妙な移動を必要とする操作でも簡単にできる。また、MX Airをどのように持っても、上下/左右の動きによってマウスポインタがきちんと追従する。底面を上にしたり、尾部を前にしたりしてもなんら問題はない。

ボタンの位置を考えるとこのようなリモコンや携帯電話のようなポジションが操作しやすい(写真=左)。逆向きに持っても通常通り利用できる。もっとも、ボタンが押しにくいのでこのような使い方をする人はいないと思うが(写真=中央)。空中モードでは相対的な動きになるため、正面イコール画面中央ではない(画面=右)

 この柔軟な認識能力のおかげでボタンの操作は非常に楽になる。机上の場合と異なり、空中ではボタンを押下げた場合に、その方向の動きを自分自身の指や手で受け止めなければならない。このため、机上で持つときのように親指と薬指、小指でMX Airを側面から保持し、人差し指でボタンを押すのでは力が入れづらい。むしろ、携帯電話やTVのリモコンのように親指の付け根とほかの4本でMX Airを保持し、親指でボタン操作をするほうがやりやすいだろう。そのときに必ずしもボタン部分を上に向ける必要がないというのは重要だ。本体がどのような傾きでも操作できるため、自分の使いやすい角度で持つことができる。

本体中央に並ぶボタンは、机上で使う通常のマウスとしては押しにくい位置にある。もっとも、これらのボタンは空中モードで有効になるものがほとんどだ

 操作ボタンは合計8ボタンという構成で、左右ボタンを除くとすべて本体中央の縦一列に並ぶ。スクロールパネルの上下にはクルーズボタンがあるが、スクロールパネルと一体化しているため、一見するとボタンには見えない。さらにその下にBACK、SEL、再生・一時停止、VOLが並ぶ。もちろん、動作自体はユーティリティを用いることでカスタマイズできるが、空中モード時のみに有効となる設定がほとんどだ。実際、机上モードでは押しにくい位置になるため、ボタンは空中モードのためのもの、と割り切ってしまったほうがいい。

 そのほか、画面幅以上に傾けた場合のポインタの動きもレーザーポインタとはかなり違う動きをする。MX Airでは、画面左端にポインタがある状態でさらに左に傾けてもポインタは移動しないが、そこから右に傾けるとポインタは右に移動し始める。つまり、まっすぐ正面を向いた状態が必ず画面中央を指す、というわけではなく、相対的な角度による移動ということだ。そのため、MX Airの後方を前にして操作しても普通に使える。

 モーションセンサは角度だけではなく、水平移動の加速度もある程度認識するようだ。MX Airを持って角度を変えないようにゆっくり水平移動させると反応しないが、勢いをつけて移動させると感度は鈍いものの、ポインタも移動する。コツをつかむと通常移動ではスナップをきかせて手首で操作し、細かい移動が必要なときは手自体を動かすという使い分けができるようになる。ただ、これは机上のマウスとは逆の感覚なので慣れが必要かもしれない。

机上と空中の切り替えは?

 机上モードから空中モードへ切り替えるのは簡単だ。単純にマウスを持ちあげればよい。正確には測っていないが、5ミリ程度浮き上がると空中モードに移行するようだ。そのためマウス後部に手のひらを乗せて前部を浮かせただけで空中モードになる。

 ただし、その場合の移行には1秒ほどのタイムラグがあり、これは実用上必要な「遊び」だと考えるべきだろう。あまり敏感だと机上モードでの「切り返し」に反応してしまうことになるからだ。ちなみに、SetPointをインストールしていれば空中モードではマウスカーソルが切り替わるので、モードが切り替わったことを判別できる(このほか、左右ボタンにオレンジ色のインジケータが点灯することからでも分かる)。なお、空中モード中にレーザーセンサ部を触ったり、ふさいだりしても机上モードに切り替わることはほとんどなかった。

 一方、空中モードから机上モードへ移行する際のタイムラグはほとんど気にならない。切り替わるタイミングはMX Airを机上に置き、少し動かした時のようだ。総じて切り替えはスムーズで誤検出もほぼないといってよさそうだ。

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