総合家電店舗は“ネオ”アキバの否定から──「ソフマップ秋葉原本館」まもなくオープン古田雄介のアキバPickUp!(1/2 ページ)

» 2007年09月05日 05時30分 公開
[古田雄介,ITmedia]

「こんなに早く、新生ソフマップがスタートできるとは」

長年親しまれてきた「ラオックス ザ・コンピュータ館」に代わる新しいランドマークとして期待されるソフマップ秋葉原本館(9月4日撮影)

 秋葉原地区に点在するソフマップやヤマギワソフトの各店舗で構成される「ソフマップタウン」の核として期待される「ソフマップ秋葉原本館」が9月6日の10時にオープンする。その「前々日」に、関係者向けに行われた事前公開では、売り場床面積4400平方メートル、店舗スタッフ250名という規模を誇る全7フロアの店内に、PCやAV家電、ゲーム、そして白物家電などがずらりと陳列されていた。

 事前公開に訪れた関係者を前にして、野口進ソフマップ代表取締役社長は「新生ソフマップとして計画していた秋葉原本館のスタートをこんなに早く切れるとは思いませんでした。これは、ヤマギワさんの協力もあってやれたことです。(秋葉原本館は)ソフマップとして初の総合店舗となりますが、アキバで育ったソフマップが考える独自の方針で進めていきたい」と抱負を語った。

 また、中阿地信介ソフマップ取締役 店舗営業本部 本部長も「以前から、秋葉原エリアに点在するソフマップの店舗は数が多すぎて分かりづらいという声がありました。秋葉原本館に伴う今回の再編では、“分かりやすさ”を徹底します。ソフマップは中古品の買取と販売も行っていますが、まずは、秋葉原本館で新品を買ってもらいたいですね」と意気込みを述べた。

「アキバの“へそ”といえる場所に出店できる意義は大きい」と話す野口進 代表取締役社長
中阿地信介 取締役店舗営業本部 本部長も「弊社で最大の延べ床面積を誇る巨大拠点です」とアピールした

隣接する専門店が可能にした“一般化”の徹底

 さて、ここでいう「ソフマップタウン」とは、PC本体やPCパーツを販売するショップ群の「PCタウン」と、ゲームソフトやDVD-Video、アイドルイベントなどを行う店舗群の「ソフトタウン」、そして「本館&買取・サポート」の店舗に、ソフマップ秋葉原本館を加えた計14店舗で構成される。

 これら、専門色が強い既存の各店舗とは対照的なソフマップ秋葉原本館は「豊かさを感じる」「近未来を感じる」「楽しさが見つかる」という3つのテーマを掲げている。「電子工作」「PC」「サブカルチャー」といった秋葉原を象徴するカテゴリーにフォーカスしていた従来のアキバショップと異なり、これらの“世界”を敬遠しがちだった普通の家族連れや普通の女性などもメインターゲットとして想定しているソフマップ秋葉原本館らしく、誰でも楽しめる店舗構成を目指しているという。その考えは、事前公開なのにぎっしりと陳列されている製品の品ぞろえや店内レイアウトにはっきりと現われていた。

 また、フロアの一角にデジタル一眼レフの試し撮りコーナーを設けたり、ドライヤーの販売コーナーには鏡とコンセントを用意したりと、来場者が商品の使い勝手をチェックしやすい環境も用意されている。店頭スタッフは「訪れた人にワクワクしてもらえるようなサービスを提供していきたいです」と語ってくれた。

ソフマップ秋葉原本館の店内案内。携帯電話から始まって、デジカメ、AV機器、PC、白物、ゲームと登っていく構成は現代量販店の主流といえる

 店舗のレイアウトに工夫を凝らすソフマップ秋葉原本館だが、フロア構成はオーソドックスだ。1階で携帯電話と電子辞書を扱い、AV機器やPCなどの「アキバ的」情報家電コーナーを2〜4階に配置。白物家電は5〜6階、そして、ゲームやDVD-Videoが最上階の7階になる。

 PC販売エリアはオーディオ機器と同じフロアに設けられたが(映像機器はその下の階を占有する)、そこには、マザーボードやグラフィックスカードといった正統PCパーツをほとんど置いていない。7階のゲームコーナーにも、「アキバの象徴」ともいうべき萌え系アイテムが一切ない。子供や一般層向けの商品だけを律儀に並べているのが印象的だった。

 それぞれのフロアを担当する店舗スタッフは「本館は“誰でも気軽に立ち寄れる”ことを徹底しています。自作PCのユーザーならPCタウン、萌え系ならソフトタウンがありますから」と口をそろえる。

 周囲にディープなユーザーを満足させる品ぞろえを有する専門店があるおかげで、総合店舗としての役割を期待されるソフマップ秋葉原本館は、対象ユーザーが限られるジャンルの製品を省くことができたようだ。ただし、ここで“アキバらしい”ジャンルの製品を「的確」に見分けられるのも、アキバで育ったソフマップだからできる強みといえる。

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