9月6日、秋葉原地区の系列店を再編して構成する「ソフマップタウン」の中心店舗となる「ソフマップ秋葉原本館」がオープンした。午前10時の開店時には800人ほどの行列ができており、終日店内は混み合い、大盛況の幕開けとなった。
当日は台風9号が日本に向かっており、時折強い雨が降っていた。行列の先頭に並んでいた男性は「ぼくは朝5時からですけど、本当は昨日の17時から並んでいる人がいたんです。途中の大雨で別の場所に避難して、戻ってきたときにたまたまぼくが一番になっただけ」と話していた。
悪天候の中、辛抱強く開店を待っていたものの、特に目当ての商品は決めていなかったという。先頭の男性は「とりあえず並んでおこうって感じ」と、駅前で配っていたチラシを片手に語った。
ソフマップタウンは秋葉原本館を軸に、電気街の系列店からなるソフトタウンとPCタウンで構成される。秋葉原本館では美容器具や白物家電も扱うためか、行列の中に女性の姿を多く見かけた。「これまでアキバを訪れたことのないような層を取り込みたい」という、ソフトマップの狙いどおりの客層が集まったように見える。
そのためか、周辺のPCパーツショップは、同店のオープンに対してそれほど関心を寄せていない。某ショップは「秋葉原本館は我々(PCパーツショップ)ではなく、向こう側(ヨドバシカメラ)を意識した店舗だと思います。近くに大型店舗ができることは歓迎しますが、こちらの集客にはあまり影響がないでしょうね」と話していた。
むしろ、9月13日から本格始動するPCタウンに興味を持ったコメントのほうが多い。TSUKUMO eX.は「ソフマップさんがPCパーツを見捨てなかったというのは、素直にうれしいですね。今後も深夜販売などで盛り上がっていけたらと思います。まあ、主役の座は簡単には渡しませんが」と笑っていた。
ソフマップ秋葉原本館が“誕生”キャンペーンで盛り上がっているのとは対照的に、アキバの老舗店舗2店は閉店セールを行っている。LAOXザ・コンピュータ館は、閉店日を9月30日から20日に変更し、大々的に売り尽くしセールを実施。また、石丸電気系列の4店舗も、6日から大幅改装のために閉店処分セールを始めた。
大型店舗の開店と閉店が同時期に集中しているが、電気街の反応は薄い。某PCパーツショップの店員さんは「総合家電ショップがつぶれたり増えたりしても、ウチは関係ないです。家電はすでにアキバの顔ではなくなっているので」と静かに語った。
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