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» 2007年09月06日 11時57分 公開

5年後の秋葉原を歩く 第8回:「アキバは圧縮し、さらに密度を上げていく」――ソフマップが描く未来像 (1/2)

いよいよソフマップタウンを始動させるソフマップに、アキバの展望を語ってもらった。その目には、より凝縮されたコアな街の姿が映っている。

[古田雄介,ITmedia]
左が経営企画部 経営戦略室 室長の米澤 宇隆氏。右が同 広報・IR担当の水野 ちひろ氏

 8月16日、ソフマップは秋葉原地区の各店舗を再編する「ソフマップタウン」の概要を発表。オープン前々日の9月4日に、関係者向けの事前説明会を行った。同社は旧ヤマギワ東京本店跡地に建つソフマップ秋葉原本館を軸に、既存のソフマップとヤマギワソフト計14店舗の構成を9月13日までに変更する。同社が掲げる中期経営計画「Sofmap2010」の一環で、2010年にはアキバエリアだけで400億円の売上高をめざす。

 アキバのPCパーツショップは、老舗ショップの閉店が相次ぎ、電気街の象徴だったLAOXザ・コンピュータ館も9月30日に閉店する。自作PC関連では斜陽ともとれる秋葉原の街に、ソフマップはどんな明るい未来を描いているのだろうか。同社の経営企画部 経営戦略室に所属する米澤氏と水野氏に話を聞いた。

(※記事初出時、ソフマップ秋葉原本館の場所に関する記載で誤りがありました。お詫びして訂正いたします)

コアだった部分が再編で薄まる?――「ノー」

ソフマップタウンの構成図

 まずは再編後のソフマップタウンの構成をみてほしい。中心となる秋葉原本館を境にして、秋葉原駅側にPCソフトや音楽CD、中古買取などを扱う「ソフトタウン」を置き、中央通りの向こう側には中古や新品のPC本体とパーツを扱う「PCタウン」が広がる。

 従来のヤマギワソフト ソフト館など、取扱商品をガラリと変える店舗もいつくかある。この再編により、街を回遊する人の流れは大きく変わると思われる。

――店舗のカラーを地域ではっきりと分けたのは、どんな意味合いがあるのですか?

米澤氏 ひとことで言えば、分かりやすさですね。秋葉原本館がいままで秋葉原に来なかったような層のお客様にも来ていただくことを考えたときに、その取扱商品や店舗名称も含めてご案内するのであれば、分かりやすくないといけません。

 PCパーツショップ密集地にPCパーツ系のショップを集めたのは、そういった商品に興味を持つ人がたくさん訪れるエリアだったからです。いまある街のカラーに準じたということでしょうか。

――なるほど。秋葉原本館では、従来御社が扱っていた商品に加えて、白物家電も扱うとのこと。アキバの老舗家電店に不調なショップが多い状況と思いますが、これは勝算がかなりあると見ていいのでしょうか?

9月6日にオープンしたソフマップ秋葉原本館

米澤氏 昨年の2月より(弊社は)ビックカメラの連結子会社になりました。その力を借りられたのは大きいですね。最近、アキバに訪れる人は大幅に増えています。その中にはいままで街であまり見られなかった家族連れの方なども多い。そういった人たちに白物家電の取り扱いは効果的だと思っています。

 従来からアキバを訪れている人も、最近ライフステージが変わってきた方も増えていると感じています。PCマニアの人でも白物家電に対するニーズは高まってくると思うんですね。

 例えば、より生活そのものを楽しくしたい、充実させたいであるとか、また、ご結婚で家電が必要になってくるとか。そうなってくると、尖ったアイテムだけ並べても、お客様のニーズに応えきれないと考えたのが理由の1つです。

 また、オンラインショップではすでにエアコンや冷蔵庫などを扱っているのですが、全ジャンルの売り上げを見ると、そういった白物家電のシェアが伸びたというのも大きいです。エアコン買ったポイントでPCパーツを買う人もいますし、PCと家電はうまく共存できると思っています。

――秋葉原地区だけでも、ソフマップのカラーというのは購入者の属性によって大きく違うと思います。中古PCに強いとか、PCゲームに強いとか。そういったカラーは、今回の再編で、いわゆる“総合家電店”というイメージで統一されていくのでしょうか?

米澤氏 当店のイメージがまちまちなのは、電気街だからでしょう。当社のこれまでお客様からご支持頂いている部分については変えません。ただ、“家電量販店”とひとくくりにしたとき、柱の違いが出てくると思うんです。

 例えば、カメラ量販店さんならカメラは非常に強い。AVが柱の量販店さんもある。それが各量販店さんの表情なりカラーになっているのでしょう。ソフマップの場合、柱はやはりPCなんです。PCを楽しむための色々な要素はこれからも力を入れていきます。

――とはいえ、新しい客層を取り込むとなると、従来のコア層のニーズを満たすのは厳しくなるのではないでしょうか?

中央通りに面する数店舗は、8月末の時点ですでに新しい看板を掲げていた

米澤氏 再編を発表したときに「これまでソフマップが強かった部分はなくなってしまうのか?」という問い合わせはたくさんいただきました。その質問に対して、我々は「いいえ、違います」と声を大にしてお伝えしたいですね。アキバで経営していくなら、そういった個々の楽しさは残していかないといけません。

 確かに自作PCに関心がないなら、あの雑然とした店の雰囲気を敬遠する人も出てくるでしょう。しかし、当店の場合は誰でも入りやすくて分かりやすい秋葉原本館に来てもらったあと、それぞれのジャンルで深い専門店に是非ご来店頂きたいと考えています。

 今回の再編についてはコアな方もそうでない方も、満足していただけると思っています。PCだけでなく、ヤマギワソフトで人気のあったイベントも、アミューズメント館に場所を変えて継続して展開していきます。

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