9月11日、米Hewlett-Packardのアジア・パシフィック地域向けコンシューマー製品発表会がシンガポールで開催され、プリンタやPC、そしてiPAQの新製品が多数登場した。ここで発表されたモデルがすべて日本に投入されるわけではないが、今後の日本市場での展開を占う意味でも重要なイベントと言えるだろう。
発表会のテーマは「Simply Yours」で、会場は旧国会議事堂(現アートシアター)と旧最高裁判所が選ばれた。冒頭、同社アジア太平洋地域 イメージング&プリンティンググループ上級副社長のクリストファー・モーガン(Christopher Morgan)氏が、アジア太平洋地区コンシューマー市場の多くでシェアNo.1を獲得していることを報告。PCやプリンタの各ジャンルで同社が市場シェアNo.1またはNo.2であることをアピールした。
「HPはNo.1のテクノロジーカンパニーとして、新たな技術をよりシンプルに提供し、ユーザーが家でもオンラインでも店頭でも同様の体験を得られる必要がある」とのビジョンを示し、これを実現すべく、30を超える新製品の投入や、オンラインおよび店頭向けのサービスを展開するとした。世界中で“Web 2.0”が叫ばれているが、次の成長の鍵を握るのは「Print 2.0」にあると述べるモーガン氏は、デジタルプリンティングの市場は世界的に伸びているが、家庭内で行われている印刷のうち、実に約半分がインターネットのページを印刷しているに過ぎないという調査結果を例に挙げ、よりシンプルかつスマートにWebページを印刷したり、新しいデジタルプリントのバリューチェーンを構築したりする必要があると主張した。
具体的には、Webページを正確かつ簡単に印刷できるユーティリティ「HP Smart Web Printing」の提供、直感的な操作が可能なタッチスクリーン搭載プリンタやワイヤレスで手軽に印刷できる無線LAN機能搭載プリンタの増強を挙げた。さらに、2006年から一斉導入されたユーザーインタフェース「HP Photosmart Express」を改良し、家庭内印刷でも店頭のキオスク端末でも同様の操作性で印刷が行えるとした(日本でのキオスク端末の展開は未定)。加えて、世界18カ国で展開中のオンラインフォトサービス「Snapfish」をアジア太平洋地域でも積極的に展開するとして、2007年中にインドと中国で、そして2008年には日本でもサービスを開始すると述べた。
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