地デジ付き小型ボードPCはおいしいトコ取り?――「VAIO type L VGC-LJ50DB/W」新デザインは“ボタンも浮遊”(2/3 ページ)

» 2007年10月12日 11時00分 公開
[富永ジュン,ITmedia]

選べる3つのカラー、最上位は地デジ対応

15.4インチモデルは3色のカラバリを用意

 15.4インチワイドモデルの店頭向けラインアップは、エバーホワイト、コスミックブラック、フロスティピンクの3色のカラーバリエーションを持つベーシックモデルと、エバーホワイトの地上デジタルTVチューナー搭載モデル「VGC-LJ50DB/W」の4モデル構成となった。type Lの15.4インチワイドモデルに地上デジタルTVチューナーが搭載されるのは、今回が初めてだ。なお、直販のVAIOオーナーメードモデルでは、どのカラーでも地上デジタルTVチューナーを選択できる。

 ベーシックモデルの仕様は、CPUにMeromコアのCeleron 530(1.73GHz)、チップセットにIntel GL960 Expressが組み合わせられ、メモリはデュアルチャネル構成のPC2-4200 DDR2 SDRAMが1Gバイト(512Mバイト×2)搭載されている。グラフィックス機能は、チップセット内蔵のIntel GMA X3100を利用する。従来モデルと比較して、チップセットがSanta Rosa世代に移行し、内蔵グラフィックスの性能が向上した格好だ。HDD容量は120Gバイトで、スロットイン式の2層書き込み対応DVDスーパーマルチドライブを備える。

 地上デジタルTVチューナー搭載モデルの「VGC-LJ50DB/W」では、HDD容量が200Gバイトに増えるだけで、そのほかの仕様は共通だ。全モデルにWindows Vista Home Premiumが採用され、Microsoft Office Personal 2007がプリインストールされる。

Windowsエクスペリエンスインデックスのスコア

 今回入手したVGC-LJ50DB/WでWindowsエクスペリエンスインデックスのスコアをチェックしたところ、グラフィックスのコンポーネントが最も低く、スコアは「3.1」となった。グラフィックス性能が強化されたとはいえ、チップセット内蔵グラフィックスのため、ふるわない結果となっている。

 ただ、そのほかのコンポーネントでは悪くないスコアが出ているので、主な用途の中に3Dゲームが含まれていないならば、特に使用にあたってパフォーマンスが問題になることはないだろう。欲を言えば、Windows Vistaを快適に動かすために、メモリを2Gバイト以上に増設したいところだが、2基のメモリスロットには512Mバイトモジュールが2枚装着されており、増設時はモジュールの交換が必須となるので悩ましい。

 以下に、ベンチマークテストプログラム「PCMark05」「3DMark06」「FINAL FANTASY XI オフィシャルベンチマークテスト3」の結果を示すが、これらも3Dグラフィックス以外のスコアはまずまずだ。FFXIベンチの低解像度(Low)設定では、「FINAL FANTASY XI for Windows」をデフォルト状態でストレスなく動作させられる「ちょうど」に相当するスコアを獲得しており、FFXI程度のゲームであれば、問題なくプレイできる。

左から、PCMark05、3DMark06、FINAL FANTASY XI オフィシャルベンチマークテスト3のテスト結果

 なお、メモリの増設を含めて、パフォーマンスを気にする向きには、VAIOオーナーメードモデルがおすすめだ。CPUにCore 2 Duo T7500(2.2GHz)/T7250(2.0GHz)が選択できるほか、メモリは最大2Gバイト(1Gバイト×2)、HDDは最大300Gバイトまで増量できる。

液晶サイズは維持、キーボードは使い勝手が向上

1280×800ドット表示の15.4インチワイド液晶を採用

 VGC-LJ50DB/Wのディスプレイは、15.4インチワイドクリアブラックLE液晶が採用されている。解像度はWXGA(1280×800ドット)で、標準的なワイド液晶ディスプレイ搭載ノートPCと同程度だ。光沢タイプのクリアブラックLE液晶は、低反射処理のARコートが上位機種のクリアブラック液晶より簡易的なものなので、画面への外光の映り込みはそれなりに発生する。

 表示品質に関しては、十分な輝度があり、通常使うぶんには問題ないが、色再現性を求めると気になる部分も出てくる。視野角は左右こそそれなりに広いが、上下はあまり広くなくて白黒が反転しやすく、Webブラウジングや文書作成、またはDVD-Videoや地上デジタル放送の視聴時など、姿勢に合わせてこまめにディスプレイのチルト角度を調整する必要があった。黒の締まりや発色の鮮やかさも上位モデルより少々見劣りする印象だ。

キーボードは折りたたみ式で、タッチパッドとFeliCaポートを備える

 PC本体と一体になった折りたたみ式キーボードは、デスクトップPC向けのフルサイズキーボードではなく、テンキーが用意されていない一般的なノートPCのような設計だ。さすがにキーピッチはノートPCより広くて余裕があるが、キーストロークはノートPCと同様に浅い。キーボードの右側にタッチパッドとFeliCaポートが配置されているのは、ノートPCと異なるところだ。タッチパッドはアルプス製ドライバによるスクロール機能を搭載した一般的な2ボタンタイプを採用している。

 前モデルのキーボードと比較すると、キーピッチがより広くなったほか、ユーザーからの要望が多かったタッチパッドのサイズ拡大と段差の低減を行って、操作性を向上させている。さらに、本体のカラーにフロスティピンクを選択した場合に限り、通常は濃いグレーが使われているキートップの印字が濃いピンク色になるというデザイン面でのオマケも付く。

 ノートPCに慣れたユーザーならば、このキーボードへの違和感は少ないだろうが、スペース的な制約が少ない上にデスクトップPCからの移行が多いと思われるこの手の製品では、矢印キーを独立したレイアウトにするとか、文字キーとファンクションキーの間にもう少し広いスペースを設けるなど、デスクトップPC向けキーボードに近いレイアウトにすれば、使い勝手はさらによくなったように思う。

バッテリー駆動に対応し、家庭内で自由に使える

 15.4インチワイドモデル独自の特徴として、リチウムイオンバッテリーと本体背面のハンドルを装備することにより、家庭内で持ち運んでどこでも使えるというものがある。IEEE802.11g/b準拠の無線LAN機能も備えているため、ケーブルレスでインターネットを楽しむことも可能だ。

 試しに、Vistaの電源プランで「VAIO標準設定」を選択し、「アイドル時のスクリーンセーバー移行」「ディスプレイ電源オフ」を無効にした上でアイドル状態にして放置し続け、自動的にスタンバイに入るまでの時間を計測してみたところ、1時間48分とカタログ値の2時間とほぼ変わらない結果が得られた。音楽や動画を再生した場合は駆動時間が短くなるが、74分のCDアルバム1枚くらいはどこでも楽しめるということになる。

 ただ、バッテリー駆動時は電源プランを「高パフォーマンス」や「電源管理オフ」に設定しても、DVD-Videoの再生中にときどきコマ落ちが発生するため、バッテリー駆動で動画コンテンツを視聴するのは、あまりおすすめできない。ちなみに音楽CDはスムーズに再生できた。

リアカバーを取り外して、容量11.1ボルト 4800mAhのリチウムイオンバッテリーを装着する(写真=左)。未使用時に片手で持ち運べるように、背面にハンドルが用意されている(写真=中央)。電源は大型のACアダプタで供給する(写真=右)

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