Mac上のあらゆる音をキャプチャする「WireTap Studio」動画で解説(2/2 ページ)

» 2007年11月27日 17時45分 公開
[後藤治,ITmedia]
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非破壊編集&リアルタイムプレビューで作業時間を短縮

 そしてもう1つの特徴が、非破壊編集とライブプレビューだ。WireTap Studioには、トリミング機能のほかに、標準で19種類のエフェクトが用意されているが、これらの効果を適用してファイルを保存した後でも、再度ファイルを読み込んで効果を取り除いたり、別の効果を加えることができる。さらに、これらの効果はリアルタイムで確認可能だ。

 例えば、ある音声を録音しているときに、ファイル形式やビットレート、エフェクトの設定を変更すればそのまま反映されるし、納得がいかなければ録り直すのではなく、録音後のファイルを再編集してもオリジナルのレベルまでは音質が保証される。

 スミス氏は「このライブプレビュー機能の面白いところは、ファイルのデータ量を見ながら、音質をどこまで妥協できるか、実際に聞きながらベストな設定をリアルタイムで見つけることができる点です。従来のソフトでは、とりあえずあたりをつけて圧縮したり効果を加え、実際に聞いてから再調整を繰り返す必要がありましたが、このライブプレビューによって作業時間を大幅に短縮することができるようになります」とアピールする。CD音質、Webアップ用、携帯電話の着信音など、同一ソースからファイルサイズに制限のある別バージョンを作る場合に重宝しそうだ。

メイン画面のエフェクトアイコンか、編集画面のFXボタンを押すと、エフェクトインスペクタを呼び出せる。エフェクトに用意されたプリセットを利用できるほか、パラメータごとに詳細な設定も可能だ(画面=左)。標準でCamel Audioのプラグインも用意されている(画面=中央)。メイン画面の下に並ぶ3つのアイコンのうち、一番左では環境設定ウィンドウを呼び出せる。録音ファイルの保存フォーマットを選べるほか、編集画面の表示設定や音源の詳細指定が行える(画面=右)

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編集中にリバーブやピッチを変更するデモ。エフェクトを適用するとリアルタイムに反映されるのが分かる

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曲の一部分に無音部分を設定し、保存した後に再び編集して元に戻すデモ。いつでも何度でもやり直すことができる


 このリアルタイムのロスレス編集技術は、加速度的に上昇するPCの性能と無関係ではない。「以前であれば編集した後にコーヒーを飲みながらPCが作業を終えるのを待っている、というのは当たり前でした。そして“その当たり前”の状況がいままでユーザーに不便を強いる結果となっていました」とスミス氏は言う。「確かにアンブロージャは昔からオーディオ関連ツールの開発を行っていたわけではありません。しかしだからこそ既存の概念にとらわれず、どうすれば作業効率を上げられるのか、どうしたらユーザーにとって最も有用なソフトになるかという視点に立って、WireTap Studioを開発できたのだと思います」。

 なお、WireTap Studioはダウンロード版が8840円、パッケージ版が1万3440円で販売される。この手のソフトでは比較的安価なのも魅力の1つだ。もちろん“Best Things in Life are Free for 30 Days”を掲げるアンブロージャのこと(そう書かれた同社ロゴ入りTシャツまで販売している)、日本語版でも機能制限のない30日間体験版がアイギークのサイトからダウンロードできる。ちょっと使ってみたいという人はぜひ試してみてほしい。

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