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ブラザーが放つ新ブランド“JUSTIO”の実力は!?――最上位機「MFC-9640CW」を試す全部入りA4カラーレーザー複合機(1/3 ページ)

» 2007年12月07日 16時50分 公開
[小川夏樹,ITmedia]

“全部入り”A4カラーレーザー複合機市場に新勢力

「MFC-9640CW」

 ブラザー工業といえば、ビジネス向けの安価なA4モノクロレーザープリンタやFAX機能付き“全部入り”複合機などを得意とするメーカーだ。PC USERでこれまでに紹介してきた通り、安価ながら作りに妥協がないコストパフォーマンスの高いプリンタ/複合機を数多く投入している。

 そんな同社が2007年8月、SOHOから小規模事業所までをカバーする製品群の新ブランド「JUSTIO」(ジャスティオ)を発表した。従来のモノクロレーザーだけでなく、カラーレーザーのモデルをラインアップに加えることで、さらなるシェアの拡大と“カラーのブラザー”という新しいイメージの浸透を狙っている。すでに10月から新ブランドのTVCM放送も始まっており、目にした人も多いことだろう。

 今回紹介する「MFC-9640CW」(以下、9640CW)は、JUSTIOシリーズに属すFAX機能付きA4カラーレーザー複合機の最上位モデルとなる。標準価格はオープンだが、実売価格は最安値で10万円を切っており、全部入りA4カラーレーザー複合機としては性能、価格ともに魅力的な製品だ。

A4カラーレーザープリンタをマルチファンクション化

 前述の通り、同社のモノクロレーザープリンタは安価でも妥協のない作り込みが特徴だ。CPUの搭載と増設可能なメモリ、英文フォントの内蔵、有線LANや無線LANの標準装備など、低価格モノクロレーザーとは思えないほど基本設計がしっかりしている。

カラーレーザープリンタ「HL-4040CN」

 同社のA4モノクロ複合機は高速A4モノクロレーザー機をベースにマルチファンクション化しているが、そのセオリーをそのままカラーレーザー複合機に当てはめたのが9640CWだ。具体的には、JUSTIOブランドにラインアップされているA4カラーレーザープリンタ「HL-4040CN」をベースに、複合機としての機能を多数盛り込んだ製品と考えると分かりやすい。

 レーザー複合機はコピー機ベースとプリンタベースの製品に分かれるが、9640CWはプリンタベースの複合機となる。製品寿命がプリンタ部で20万枚(または最長5年間)、スキャナ部で5万部(または最長5年間)と高い耐久性を持っている点も見逃せない。こうなると、同社が9640CWをどこまで作り込んできたのかが気になる。

スキャナ部が大きい個性的なボディデザイン

ボディは設置面積が小さめで、上部が大きい

 まずは外観だが、9640CWのボディデザインは、本体の上部がプリンタ部よりも大きい、いわゆる「キノコ型」となっている。同社のモノクロ複合機の上位モデルにも見られる形状だ。こうしたデザインになるのは、ADFを含めた上部のスキャナ部がプリンタ部よりも大きいCCD搭載フラットベッドスキャナであることが大きい。撮像素子にCISを用いた下位モデルは、プリンタ部からスキャナ部までがフラットなデザインだ。

 スキャナ部が大きいので、本体サイズは530(幅)×539(奥行き)×520(高さ)ミリとなる。ただし、プリンタ部のサイズは423(幅)×474(奥行き)ミリとコンパクトなので、プリンタ部の底面積が確保できれば、設置は行える(通風口やトレイをふさがない程度のスペースは必要)。

 消耗品を含んだ総重量は約38キロで、さすがにこの重さでは1人で設置するのは厳しい。最低でも設置するのに2人は必要になるだろう。実際に一人で筆者宅の玄関で開封し、作業部屋までの移動作業と本体の設置作業には苦労した。

左から、本体の右側面、背面、左側面。右側面に主電源スイッチ、背面に各種インタフェース、左側面にメモリスロットを配置している

20ppmのタンデムエンジン、CCDスキャナを搭載

 それでは、ざっと9640CWのスペックを見ていこう。カラープリンタ部は半導体レーザー+乾式電子写真方式のタンデムエンジンを搭載しており、モノクロ/カラーとも20ppmでの出力が可能だ。出力可能な実解像度は600×600dpiだが、ソフトウェア処理により出力可能な最大解像度は2400×600dpiとなる。

 前述の通り、スキャナ部分の読み取り方式はCCDで、光学解像度は1200×2400dpi。ソフトウェア補間による解像度は最大で19200dpiに対応する(WIAドライバ利用時は最大1200×1200dpiまで)。スキャナのカバー部分は開閉可能な角度が80度程度と浅いものの、CCD方式のメリットである被写界深度の深さを利用して厚みがある原稿をスキャンできるように、カバー部分が少し浮き上がる構造になっている。

 カバーの上部には両面読み取り(2パス)に対応したADFが搭載されており、ADFには最大で50枚(読み取り幅210ミリ)の用紙をセットすることが可能だ。また、TWAIN/WIAドライバ利用時ともネットワーク経由でのスキャンが行える。

CCDタイプのフラットベッドスキャナを搭載(写真=左)。50枚セット可能なADFを用意(写真=右)。ADFのカバーは左側に大きく開く

 プリントエンジンはモノクロ/カラーともに20ppmだが、コピー速度はスキャン時間を含めているためか、モノクロ/カラーとも16cpmとプリント速度より遅い(同一原稿のコピー時)。コピー機能は、25%〜400%までの拡大/縮小コピーや2 in 1、4 in 1コピーにも対応している。プリント/コピー時のウォームアップ時間や実際の出力性能に関しては、後半のベンチマークテスト部分で解説する。

PCでの送受信が可能なFAX機能

 FAX機能は、ビジネス利用で必要な機能をほぼ網羅している。33.6kbpsの高速転送が可能なSuper G3に対応し、走査線密度はカラー時が主走査8ドット/ミリ、副走査7.7本/ミリ、モノクロ時が主走査8ドット/ミリ、副走査15.4本/ミリ、ハーフトーンは256階調となっている。カラーFAX機どうしによるカラーFAXの送受信も可能だ。

 ワンタッチダイヤルは40件、短縮ダイヤルは300件まで登録でき、内蔵メモリを使った代行受信は最大500枚までと十分なスペックを持つ。ほかにも390件までの順次同報送信(カラーFAX不可)や、自動縮小受信、ナンバーディスプレイ対応に加えて、モノクロFAX利用時はFAX転送、リモート取り出し、ファクス to Eメール送信、タイマー送信、取りまとめ送信といった小技も使える。

 また、Windows利用時にはPCからのFAX送信や受信したFAXをPCに転送するPC-FAX機能が利用可能で、必要なFAX書類だけを選択して出力できる(モノクロFAXのみ)。

有線/無線LANを標準搭載し、多彩な機能が利用可能

背面にUSB 2.0と有線LANのインタフェースを配置

 インタフェースはUSB 2.0のほか、100BASE-TX/10BASE-Tの有線LANとIEEE802.11g/bの無線LANをどちらも標準で搭載している点は見逃せない(有線LANと無線LANは排他利用)。しかもネットワーク運用を行うとさらに高機能になる。例えば、プリンタ共有やスキャナ共有、同一ネットワーク上のPCからのFAX送信、任意のPC(1台のみ)への受信などが可能だ。

 こうした機能に加えて、ネットワーク運用ではスキャンしたデータをPCを経由せずにさまざまな方法で処理できる。スキャンしたデータに対して、Eメールに添付して送信、指定したFTPサーバへアップ、指定した共有フォルダや特定PCの指定フォルダに送信、PCのメールソフトに自動添付、指定したグラフィックスソフトで展開、OCRによるテキスト化といった機能が使えるので、さまざまなシーンで役立つだろう。

 また、前面にはPictBridge兼USBメモリ接続用のUSBポートが用意されており、スキャンしたデータを本体だけでUSBメモリに保存したり、USBメモリ内のデータ(JPEG、PDF、同社製品で出力したTIFFやPostScriptのデータ)を直接出力する機能も持つ。

 そのほか、背面に電話回線と外付け電話接続用のジャック、左側面には増設メモリ用のスロットが用意される。利用可能なメモリはノートPC用のSO-DIMM(PC133 SDRAM)だ。512Mバイトのメモリモジュールを装着すれば、オンボード搭載の128Mバイトと合わせて最大640Mバイトとなり、高解像度画像の出力やグラフィックスを多用した文書の印刷などにも余裕で対応できる。

前面にはPictBridge兼USBメモリ接続用のUSBポートを用意(写真=左)、背面には電話回線と外付け電話接続用のジャックも備えている(写真=中央)。増設用のメモリスロットは左側面の奥に配置(写真=右)

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