こちらの記事で紹介しているように、ブラザー工業は、独自開発の水平タンデムエンジンを採用した高速カラー出力(毎分20枚)のコンパクトカラーレーザー複合機をはじめとする4製品「MFC-9640CW」「MFC-9440CN」「DCP-9040CN」「HL-4040CN」を発表、同時に立ち上げたスモールオフィス向け製品の新ブランド「JUSTIO」(ジャスティオ)を含めた記者説明会が8月20日に行われた。
この日は、ブラザー工業の代表取締役社長とブラザー販売の代表取締役社長がそろって登壇し、ブラザー工業の長谷川友之執行役員広報総務部長が「ブラザー工業の社長とブラザー販売の社長が新製品発表の場にそろうのはブラザーの歴史始まって以来。非常に画期的」と述べるほどにブラザーにとって重要なイベントとなった。
ブラザー工業の小池利和代表取締役社長は、同社のプリンティング業績の概要を述べ、ブラザーグループの売り上げ構成が、米州と欧州でそれぞれ30%を超えるなど、日本よりも欧米における売り上げが大きいこと や、プリンタ、デジタル複合機によるP&S事業部の売り上げがグループ売り上げ全体の70%を占め、かつ、連結売上高が順調に右肩上がりであることを紹介した。
ブラザーグループの事業計画としては、2003年度から始まり2012年度まで実施が予定されている「グローバルビジョン21」を取り上げ、3段階に分かれたこの中長期的成長戦略において2007年は第2段階(2006年度から2008年度)にかかっており、「成長路線を推進するために、プリンティング事業の拡大とポジジョン強化への投資を行うステージ」になっていると小池氏は述べた。
小池氏が「(グローバルビジョン21における)成長のドライブのキーとなる」と語るプリンティング事業の戦略については、「ひと言で申しますと“カラーのブラザー”としてのポジションを確立する」と述べている。在宅勤務や個人事業主などの増加や企業におけるオフィスの分散化によって「小規模オフィス」が全世界的に増加しているのと併せて、小規模オフィスでもカラー印刷の需要が高まっている状況にあって、小規模オフィスにおけるカラー印刷に適した製品を提供することが「ブラザーの事業戦略のキーである」と小池氏は説明している。小池氏は、全世界におけるA4レーザー出力機(プリンタや複合機を含む)の市場規模動向と、カラーレーザー出力機の市場規模の動向を予測した資料を示したが、そこでは、どちらもカラー対応製品が拡大すると予測している。
技術戦略においても、これまでブラザーが得意としてきたモノクロレーザー出力機やサーマル技術に加えて、グローバルビジョンの第2段階で投入したカラー対応出力機と「ブラザーが得意としてきたもう1つの分野である」(小池氏)複合機とをあわせた2つの柱で推進していくことをアピールしている。
「カラーインクジェット商品群、カラーレーザー商品群によって、さらに“カラーのブラザー”へと拍車をかけていきたい」(小池氏)
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