2008年のMacworld Conference & Expo。「MacBook Air」を発表したアップルはもちろんだが、「Office 2008 for Mac」をリリースしたマイクロソフトも、その存在感や来場者からの人気では負けていない。
同社はExpo開催前日に1日がかりのカンファレンスを開催し、Mac版Officeユーザーが抱いている疑問や要望に細かく対応した。また、Expo初日にはOffice 2008 for Macのローンチイベントを開き、「MACWORLD BLAST」という、Expo会期中で一番大きなパーティのスポンサーも務めている。
MACWORLD BLASTには、テクノ・ポップ、ニューウェーブの元祖と呼ばれる伝説のバンド「DEVO」が登場し、20曲近くを披露。このパーティの模様は、Expo会場のいたるところで話題になっていた(パーティで配られた同バンドを象徴する円錐型の帽子をかぶってくる人も多かった)。
しかも、DEVOの演奏後には、iMacを含む豪華な景品が参加者に対して山のようにプレゼントされた。プレゼントの量があまりに多く、抽選会が長くなりすぎたため、IDG Expoのポール・ケント氏(開催前のインタビューを参照)らが救援で壇上に現れ、景品を来場者に投げて配っていたくらいだ。
Expo会場で一番大きなブースを構えているのは当然アップルだが、マイクロソフトもアップルのすぐ隣にブースを出展し、来場者の人気を集めている。
アップルブースの展示員は、「Expoが始まってから初めて製品を見た」という人も多く、製品についての簡単な質問に答えられないスタッフも多い(プレス向けの公式な回答を用意できるスタッフが不在で、許可をもらえなかったため、そのときにした“簡単な質問”の内容と返答は明かせない)。
これに対してマイクロソフトのブースでは、展示の横に立っているのは、すべて実際にOfficeの開発に携わっていたスタッフたちだ。だから、「Wordのノートレイアウトでファイルを録音している時に、アプリケーションを強制終了すると、書類のテキストは復元してくれるけど、音声は消えてしまう。どうして?」といった、細かくてイジワルな質問をしても、「Wordはmp4形式で録音をしている。このフォーマットではファイルをちゃんと閉じないと破損してしまうからだね。いまの意見を参考に、今後はほかの方法も検討してみたい」と詳細に答えてくれるのと同時に、次の製品へのフィードバックまでできてしまうのだ。
マイクロソフトのブース裏手には、Office for Macのシンボルになっている波のような線(パッケージデザインにもなっている)をレーザー刻印した、世界に数台しかないMacBook Proが飾られている。このMacBook Proは、同ブースに訪れた来場者1名に抽選でプレゼントされるという。さらに、パーティ会場やインタビュー会場など、いたるところにOffice for Macのロゴが刻印されたチョコレート菓子(m&m)のスペシャルバージョンが置いてある。
また、マイクロソフトは自社ブースのほかに、「ブロガー・ラウンジ」というコーナーも設けている。Expoに来たブロガーなら、帳簿に名前とブログのURLを書き込むだけで誰でも自由に使うことができるスペースだ。「ラウンジ」というだけあって、高級インテリアをそろえた快適な空間になっており、ブロガーたちがくつろいだ様子で休憩している姿を見かけた。この部屋に比べると、安いパイプ椅子と丸テーブルが並べられたプレスルームで作業をするのが悲しくなってくる。
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