Macworld Expo恒例のスティーブ・ジョブズ氏による基調講演が行われた。ジョブズ氏は冒頭、iPhoneとMac OS X “Leopard”という2つの大ヒット製品をリリースできた2007年は、アップルにとってすばらしい1年だったと振り返った。
それからジョブズ氏は、今日は4つの発表があると宣言した。約1時間40分の基調講演で紹介された新製品と新サービスの数は、“4つ”という言葉をはるかに上回るが、ジョブズ氏は今回の発表を4つのテーマに沿って紹介している。
1つめのテーマは、昨年500万本を出荷したLeopardと、同OSの目玉機能である「Time Machine」について。2つめは、400万台を出荷したiPhone(とiPod touch)についてだ。3つめは、iTunesの新サービスと新しいApple TV。そして4つめが、謎に満ちたメッセージ「Something in the air.」の答え――今回のMacworldで一番の目玉である「MacBook Air」である(ウワサは本当だった!)。
ここでは少し順番を変えて、「MacBook Air」「Mac OS X」「iPhone」「iTunes Movie Rental」の順に紹介していく。なお、基調講演の詳細については、この後の記事でフォローする予定だ。まずは速報として、写真を中心とした概略にとどめる。
ジョブズCEOは、Macworld Expo会場中に掲げられた謎のメッセージ「There is something in the air.」をスクリーンに映し出し、「きょう、われわれは人気のノートブック製品、MacBook、MacBook Proに続く第3の製品、MacBook Airを発表する」とした。同氏によればこれは「世界で最も薄いノートPC」だと言う。
ジョブズCEOは、これまでの薄型ノートブックPCの代表例としてソニーのVAIO TZシリーズを取り上げ、「MacBook Airの一番厚い部分は、VAIO TZの一番薄い部分よりも薄い」と紹介した。
これまでの多くの薄型ノートPCは、画面サイズやキーボードサイズ、バッテリー寿命を犠牲にしてきたとジョブズ氏は語り、MacBook Airはこれらの点でも妥協していないと自信を見せる。これだけの薄さ(19.4ミリ!)を実現しながら、MacBook Proシリーズの目玉機能であるキーボード用バックライトも採用している。
MacBook Airでは、ボディの薄さを実現するために、光学式ドライブを内蔵していないが、アップルはそれにあわせて革新的な機能を用意した。ネットワーク接続されたほかのMacやWindowsマシンの光学式ドライブを借りて、無線LAN経由で利用できるのだ。
MacBook Airには、これ以外にもいくつか新しい革新がある。1つはアップルがiPod Classicシリーズに採用した1.8インチの160/80GバイトHDDの代わりに、64GバイトのSSDモデルをBTOで用意したことだ。
また、大きめのトラックパッドを搭載し、マルチフィンガーによるジェスチャーをサポートしているのも目を引く。iPod touchでおなじみのピンチなどのジェスチャーに加えて、3本指で写真をめくったり、2本指を回転させてイメージを回転させるなど、数種類のマルチタッチ操作が用意されている。
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